早大ラグビー蹴球部、3年ぶり「春の早慶戦」 招待試合慶大戦展望

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【前節大東大戦でディフェンスを固める早大FW【早稲田スポーツ新聞会】】

招待試合 5月29日 対慶大 栃木・佐野市運動公園陸上競技場

【早稲田スポーツ新聞会】記事 谷口花、写真 冷水睦実

 3年ぶりに春の早慶戦が帰ってきた。本試合は5月29日、今秋行われるとちぎ国体開催記念の招待試合として、栃木県佐野市で開催される。今季初白星となった関東大学春季大会第3節の大東大戦、早大は終始見事な連携を見せ、大東大を圧倒。計10トライを挙げ、62-14の大差勝ちとなった。今回の早慶戦でも、このまま勝利を挙げ、春シーズン後半に勢いをつけられるか。

 前節の大東大戦。前半序盤、NO・8相良昌彦主将(社4=東京・早実)のトライを契機に、外側のスペースを生かしたトライを量産。34-14で試合を折り返した。早大の泥臭いプレーが光った後半。早々に2トライを挙げ、そのまま流れを引き寄せるかと思われたが、「ディフェンスラインがばらばらになってしまうシーンやセットのところで良くないシーンが多かった」(相良)。その後は相手に押される場面が多く見られ、一進一退の攻防の展開に。しかし自陣深くに攻め入る大東大をコンタクトの部分で確実に止め、大東大を完封。一貫して攻撃の手を緩めず、危なげなく勝利を収めた。序盤の明大戦、東海大戦に比べるとスクラムをはじめとするセットプレーも徐々に形をなし、とりわけ素早いパススピードでの連携プレーは前節の勝因としても挙げられるだろう。

攻守ともに存在感を示すプロップ亀山、前節のPUPに選出された 【早稲田スポーツ新聞会】

 一方の慶大は、現在春季大会Bグループに属している。不戦敗を含め1勝1分2敗という結果ではあるが、引き分けとなった筑波大戦は特筆すべき内容だ。前半序盤は慶大リードで試合を進め、後半は立て続けに反撃を許すものの、慶大の武器とする強固なディフェンスで筑波大の攻撃を最後は抑え、手に汗握る一戦を演じた。また、先日は宿敵・明大との一戦に臨み敗北を喫したものの、明大を1トライ差に収める好試合を繰り広げた。そんな慶大、キーマンとなるのは男子セブンズ日本代表のSO山田響(慶大)だろう。また、何といっても、低く突き刺さる慶大のタックルは見どころだ。主将のフランカー今野勇久(慶大)率いるFW陣の屈強なフィジカルに、スピード溢(あふ)れるBK陣の機敏な動きを押し止め、着実に得点を重ねていきたい。

 今試合の早大陣営。先日のジュニア春季オープン戦で激しく突破する活躍を見せたSO守屋大誠(政経2=東京・早実)、前節初トライを挙げ新戦力としても期待のかかるCTB野中健吾(スポ1=東海大大阪仰星)をスタメンに抜擢(ばってき)。自身の持ち味を発揮し、激しいポジション争いに打ち勝つことができるか。一方のFW体制に変化は見られないが、積み上げてきたトレーニングを生かしラインアウトモールを得意とする黒黄集団を抑えきりたい。また、全体として、前節相良主将が挙げたディフェンスの課題を修正し、強固な慶大FWにどれだけ粘れるかがカギを握っているだろう。前節で体現した早大らしい展開ラグビー、早慶戦でもその激動ぶりに期待したい。

 2022年11月23日。伝統の一戦である早慶戦は、今秋で100周年を迎える。100周年を目前とした両校の熱き戦い、3年ぶりの開催となる春の早慶戦。歴史を紡ぐラガーマンの姿を見収めるべく、今週末は是非会場に訪れてみてはどうだろうか。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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