西郷真央 18番でグイッと単独首位

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2022シーズン第12戦『ブリヂストンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)大会第3日が5月21日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ袖ヶ浦コース(6713ヤード/パー72)で行われた。緊張感に包まれた、終盤のめまぐるしい展開は、さながらムービングデー。通算10アンダーで西郷真央が単独首位に立った。1打差の9アンダー、2位タイは有村智恵、山下美夢有。4位に通算8アンダーの申ジエがつけている。
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《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:24.5mm》

 形勢逆転。西郷真央が披露した終盤のチャージに目を見張った。流れを一変させたのは15番第3打。手前から7ヤードを58度で鮮やかなチップインバーディーを決めた。

 「後半、なかなかグリーンをとらえられない。しかし、第2打は残り120ヤードで私の距離がようやく…。PWで気持ちよくクラブを振り抜けた。でも、アゲンストの風に流されてしまいパーオンができない」と状況を説明し、続いて胸中を。「でも、悔やむよりも、とにかくパーセーブをしなくてはいけない。気持ちを一新して、第3打へ臨みました。とにかく、集中して。そうしたら、アプローチでチップインです。うれしいよりも、ホッとした」という。この1打が大きかった。

 通算9アンダーで有村、山下が並走。最終日のアドバンテージを握るために、パー5の18番はバーディーで締めくくりたい。ただし、第3打は残り103ヤード。PWを選択したが、「ちょっと中途半端な距離だった」と振り返る。とはいえ、ここでも気分を一新。集中力を高めた。打球はピン方向へ、1.5メートルである。「最終ホールで、合格ーのショットが打てた。単独トップですから、とても大きかったと感じます」。

 この日は粘りのプレーである。「第1打でフェアウエイキープが、前2日よりも多い。ところが後半は、距離感がなかなか合わずに、うまくグリーンをとらえることができなかった」そうだ。

 2週連続で予選落ちを喫した緊急事態。15、16日はジャンボ尾崎から直接、指導を受けた。スイングの矯正が主だったものの、「調子が悪いなりに(スコアを)まとめる」と課題も加わる。「いつも持ち味のショットの調子がいいわけではありません。他のもので補わなければ、スコアはまとまらない。カバーできる技術も磨くこともこれからのテーマ」と話した。

 ただし、練習はもちろんだが、実戦で再現できなければ課題へ取り組んだことにはならない。師のから与えられたテーマを胸に秘めながら、精進のラウンドだった。もちろん、ピンチはたくさん。

 とはいえ、しぶとさを随所で発揮した。16番、4メートルのパーセーブなどは最たる例である。「全力でがんばりました。きょうは、バーディーパットを打つチャンスが少なかったから…」と笑っていた。それでも、表情は晴れやか。突然のスランプを完全脱出した証拠だろう。

 この後、プロ初の米国遠征が。優勝を飾ってーとなれば最善の態勢を構築できる。
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