早大競走部 関カレ直前特集『新風』 短距離・三浦励央奈×後藤颯汰×澤大地

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【早稲田スポーツ新聞会】

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【連載】関カレ直前×新体制特集『新風』 PART3 4年生特集➀ 短距離

【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 及川知世、川上璃々

関カレ直前×新体制特集、最後は4年生を取り上げる。短距離ブロックの最上級生としてチームを引っ張る三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政二)、後藤颯汰(スポ4=長崎・五島)、そして澤大地(スポ4=滋賀・草津東)。3人のラストイヤーに懸ける思いとは。また、4年生から見た今のチームの状況はどうなのか。話を伺った。

※この取材は4月23日に行われたものです。

最上級生になって

――3人での対談は入学してすぐの新入生対談の時以来だと思いますが、改めて競技面と普段の面での他己紹介をお願いします。まずは、三浦選手の他己紹介をお願いします
三浦 頼むぞ。
一同  笑。
後藤 競技面では同期の中で一番尊敬できる選手だなと思います。常に競技に対して全力になって真摯に向き合っていますし、自分に何が必要なのかを考えている選手なので、そういった面からも僕自身は競技者として尊敬しています。
 僕も、競技面では尊敬というか、すごいなと思います。よく考えてやっているなというか、同期だけど頼れます。3年間リレーを一緒に走ってきているのですが、1年目は僕が三浦にバトンを渡して、2年目3年目は三浦が1走でした。渡すときは1年生ながら頼もしい背中でしたし、2年目、3年目も1走で三浦が1番最初にバトンを持ってきて来てくれたおかげで日本一とれたなと思うので、リレーチーム、4継でとても頼れる存在だと思います。
――競技面以外の紹介はいかがですか
後藤 知的というか、最近、世界遺産検定を取ろうとしているのもそうですけど、常に勉強している姿をよく見ます。普段の生活になったらたまにやばいなと思う部分もあるのですが、自分が馬鹿なので頭がいいのはうらやましいなと思います。
 後輩思いだなと思います。後輩とよく話しているのを見ますね。まあ、後輩だけでなくみんなと仲がいいんですけど。競技以外でもやっぱ主将だなと思います。
――では、三浦選手から他己紹介をお願いします
三浦 2人一緒になっちゃうのですが、早稲田の競走部を背負って戦っていける選手にもっとなってほしいなという思いがあります。後藤は去年全カレ(日本学生対校選手権)決勝残ったけど失格したり、澤は準決を抜けられなかったり、そういうところでまだまだ早稲田の競走部を力で引っ張っていくってところにあと一歩届いてないかなと思うから、4年生で最後のシーズンでもあるし、まあ最高学年として組織を運営したり、チームをコントロールするのも非常に大事だと思うけど、まずは強くないといけないからさ、上の学年として。後輩にも負けてられないし。自分の組織の中でもそうだけど、他の大学の選手とも戦っていかなければならないから、そこはもっと強い選手になってほしいなと思います。
後藤 紹介っていうかさ(笑)。
三浦 っていうことを僕に思わせてくれるような選手です。
――澤選手から見た後藤選手はいかがですか
 競技面では、やる時はやる、やらない時はやらないっていうか。最近新しい朝練習にも参加するようになって、4年目で結果残さなきゃいけないっていう思いが彼からより感じます。
――では、後藤選手から見た澤選手はいかがですか
後藤 澤もメリハリある選手かなと思います。普段の生活の中でほんとに陸上のこと考えているのかなと思う時もあるのですが、練習になるとしっかり自分の競技に対して真剣に向き合っている姿を見ると、同期として頼もしいなというふうに思います。

「競技に対して情熱を持っている選手が増えた」

質問に答える三浦 【早稲田スポーツ新聞会】

――新体制となって時間が経ちますが、チームや自分のことで何か変化はありますか
三浦 自分の競技のことになるのですが、大前さん(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)が監督に就任してから冬季練習への取り組み方がガラッと変わるような形になって、フィジカルトレーニングを重視して行ったり、ランメニューの際にも質を落とさないように練習に取り組んだりしていました。冬季練習の手ごたえは自分の中で非常にあります。体制が変わって競技面において考えられる変化というのは、僕に限らずみんなそうだと思うのですが、足が速くなっているメンバーが多いと思うので、短距離メンバーに関しては競技力で1段階、2段階強くなっているメンバーがいるのではないかなと思います。
――それはお二人も感じられている部分ですか
 新体制になってからというよりは1年生の時より、モチベーションが高く、競技に対して情熱を持って取り組んでいる選手が増えたのかなと思います。それは三浦のおかげでもあると思うのですが、チームとして全員が全日本インカレ総合優勝に向かっていけているのかなと思います。
後藤 さっき澤が言ったように僕らが1年生の時より自分の競技に対して情熱を持っている選手が増えたなっていう印象があって、鴨川合宿や今の全体練習通しても全日本インカレ総合優勝に向けて意識高く練習できているのではないかと感じます。
――今の短距離チームの雰囲気はいかがですか
三浦 んー。僕は好きですよ。競技に対してのめりこんでいる選手が多いっていうんですかね。自分が速く走りたいっていう思いがにじみ出ている選手が多いので。先ほど澤も言っていたのですが、1、2年生の時のチームと比べると今の短短距離のチームは競技に対して没頭している選手が多いので僕は好きです。
 後輩とのコミュニケーションは大事にしているかなと思います。僕が1年生の時は、上下関係が厳しくて、4年生に話かけることが難しかったのですが、今は4年生が積極的に1年生に話しかけるなど縦の関係は強いかなと思います。
後藤 澤が言ったように、縦の関係は強くなったかなと感じます。常に寮生活っていうのもあるのですが、みんなで仲良く過ごしたり、競技の話とかも深く話したりできているので、そこで目標も共有し合えているのは組織の雰囲気が今までの代と違って良いのかなと思います。
――今お話もあったのですが、新入生の印象はいかがですか
 男子にしろ、女子にしろ、個性的かなという印象があります。
三浦 短長合わせてめちゃくちゃ人数が多いので、いろんな人間がいて面白いなと思いますね。
――練習では結構関わっているのですか
後藤 そうですね。積極的にコミュニケーションを取っている感じではあります。
――今の4年生の雰囲気はいかがですか
 1番人数が少ないので、何だろう。
三浦 なんか、僕の印象なのですが、悪い意味で落ち着いちゃっているかなと多少思いますね。
――それは競技に対するモチベーション的な面ですか
三浦 そうですね。大体、競技何年もやっていると分かってくるんですよ。冬季練習どれだけ積めたかで、春先の調子とか今シーズンが大体こうなるかなとか自己ベスト出そうとか。ケガとかいろいろあったり、これまでの実績が積めてこなかったりして、もう僕には、私には厳しいんじゃないかと心のどこかで思っている選手がどの学年に多いかって言われたら自分の学年に多い気がします。その部分が悪い意味で落ち着いちゃっていると感じますね。そんなことないかもしれないのに勝手にそう決めて。自分たちが1番上の学年のはずなのに、1番自己主張しない学年みたいな気はしますね。僕が異常に自己主張しているだけかもしれないんですけど。もっとね、偉そうにするって言ったらあれですけど、自分を強くするためにとか、トップアスリートになるために「僕はもっとやりたいんだ」っていう気持ちを前面に出してもいいのかなと思います。
――とおっしゃっていますが、お二人はいかがですか
後藤 確かに落ち着いているというか、今までに比べると元気ないなっていう感じはします。
――4年生になって忙しいというのもありますか
後藤 そうですね。

「後輩みんなの心を掴む力がある」

質問に答える後藤 【早稲田スポーツ新聞会】

――では話が変わるのですが、競走部で過ごしてきた3年間はどのようなものでしたか
三浦 おもろい時間でしたよ。人生で1番面白かった3年間抜き出してくださいって言われたら、ここの3年間抜き出しますね。それぐらい面白かったですね。いろいろな経験できましたし、人間としてもアスリートとしても成長することができたと思います。早稲田大学を選択して良かったと心から思います。
後藤 僕はいろいろなことがありましたね。1年目は上京してきたこともあって、不安やいろんなところからのプレッシャーもあってどういうふうに練習していけばいいか分からなくなったりして、2年目からしっかり陸上競技っていうものに向き合って練習やってきてはいたんですけど、いろいろ怒られたりして、ほんと波乱万丈みたいに濃ゆい3年間だったなと思います。
 僕も三浦と一緒で早稲田選んで良かったなと思います。1年生の時はほんとにきつかったのですが、この3年間でいろいろな人と関われましたし、人に恵まれたなというふうに思います。
――三浦選手に質問なのですが、主将として何か意識していることはありますか
三浦 常に結果に対してはこだわることを意識しています。幹部交代式でも言ったように、競技力向上のために努力を惜しまないものを求めたいと思いますし、主将の役目としては後輩を勝たしてあげることや強くしてあげることもあると思うので、そこに対して自分ができる声かけ、サポート、アドバイスは常日頃に行うように心がけています。
――後藤選手は短距離ブロック長や障害種目勢の最高学年として意識していることはありますか
後藤 僕が短距離の障害種目の中でも最高学年1人なのですが、三浦がこういう感じで引っ張ってくれているので、僕の役目としては練習の雰囲気作りとか周りをみて後輩とコミュニケーションを取ることですね。きつい練習の時は僕から声掛けをしたり、チームを鼓舞したりというか、盛り上げ役で僕は支えてきました。
――後藤選手から見て障害ブロックの後輩はどんな選手が多いですか
後藤  個性的だなと思います。ハードルでもトッパーとヨンパーは違うのですが、お互いにアドバイスし合って、意見交換することも多くて勝つためにどうしたらいいか話し合うことも結構多いです。種目関係なく仲がいいです。
――後輩もコミュニケーションとってきてくれる選手が多いですか
後藤 やっぱり僕が(学年で)1人なので、田中(田中天智龍、スポ3=鹿児島南)や新井(新井公貴、スポ3=神奈川・逗子開成)や金本(金本昌樹、スポ2=東京・日大桜丘)とかが練習後に「動画見てくれませんか」とか「後藤さんもっとこうした方がいいですよ」と言ってくれます。女子ともそんな話をします。
――澤選手はチーム内でどのような役割を担っていますか
 後輩との距離が近いので。なめられているんじゃないんですけど、1、2、3年生とは積極的にコミュニケーションは取っているつもりです。そんな中でも3年生は1番長い間一緒にいるので、距離が近いし、来年3年生が最終学年になるので今僕が最終学年として立派な背中を見せられるように常に心がけるようにはしています。
――逆に、去年の先輩の姿を見て参考にしようとしていたことはありますか
三浦 真似しようと思ったことはないですかね。僕が知っている3人の主将像やタイプとは違うなと自分でも自覚しているので、誰々さんみたいにっていうのはなく、自分の作りたいチームを作りたいように作っていくっていう感じですね。
――お二人はいかがですか
後藤  ないですね。去年ヨンパー勢の先輩がとても多くて、頼りになってはいたのですが、男子と女子の会話は少なかったかなと思います。なので、僕自身男女でコミュニケーション取れるようにzoomで勉強会を開いたりしています。
 競技面の話なのですが、松本さん(松本朗氏、令4スポ卒)みたいに最後いい結果出して終わりたいなと思っています。
――卒業後のことについてお伺いしたいのですが、理想の社会人像や今後のプランなどはありますか
三浦 なりたい人物像とか、キャリアプランっていうのは描いたところでそのようにはならないと思っています。中学生の頃に、どういう大人になっていくのかなと考えたことがあるのですが、普通に高校受験をして、大学受験をして一般学生として就職活動をして、企業に勤めて定年まで働くっていうのが、僕がある種描いた自分の将来像だったんですが、何一つそれ通りになったことはなく高校も大学もスポーツ推薦で入学して、早稲田大学に入るなんて思ってもいませんでしたし、中学校のときは入りたいなんて思っていませんでした。主将になると思ってもいなかったので理想の社会人とかそういうものを思い描くのはひょっとして意味がないのかなと実は思っています。つまるとこ僕はなにしていたかというと陸上を強くなりたいという思いがあって、ひたすら目の前にあることを毎日毎日練習していました。そしたらいろんな縁があって高校も(自分を)引き抜いてくれたり、高校の時「励央奈なら早稲田いけるよ」と背中押してくれた先生がいたり、大学の中で出会った先輩がいる企業にいくことになっていたり。陸上を引退して社会人になっても何かこうなりたいっていうというのに向かっていくのではなくて、自分が1日1日やりたいことややるべきことを全力でやりさえすれば、今みたいに主将っていう役職があって、振り返ったらついてきてくれる仲間がいて、なんかそういう人生の方が僕はいいかなと思います。自分が描いた期待した未来はいい意味で裏切り続ける人生がいいし、理想像をその通りにやることが楽しい人生かっていうと別にそんなこともないのかなって思うので、そんな感じで生きていきたいです。
――主将というのはいつごろから意識していらっしゃったのですか
三浦 夏休み明けぐらいかな。9月前後ぐらいにそろそろ幹部決めるぞっていう話になるのですが、なんで三浦がいいってなったんだっけ?
 いや、まあ三浦しかいないやろってなった。
――それまで自分がやるとは思ってなかったのですか
三浦 思ってなかったですね。僕は短距離ブロック長ぐらいかなと思っていたので。
 え、じゃあ誰がやるの。
後藤 そう。誰がやるの。
一同 笑。
三浦 誰がやっても変わらないっしょって思ってた部分はあったよね。
 あー。
後藤 まあね。
三浦 そんなに影響する?って思ってたんだよね。自分がやるだろうなとは思ってはいなかったですね。
――その中で自分が主将だからこそチームを変えられたと思う部分はありますか
三浦 自分、結構特徴的な物の伝え方をするじゃん。どちらかというと。 自分にできる伝え方っていうんですかね。冬から本格的に主将としてやってきていたのですが、ほんとに特に下級生の競技に対する意識、熱意はいい意味で変えることができたかなと思います。主将として自分の意見を伝える機会が増えたのでそこについては自分の想像と違ったところですね。元々、誰がやってもいいなと思っていたけど、やっぱり人によって違って、僕だったらこういう声掛けしたけど、後藤とかだったら別の観点があって別の思いや伝えたいことがあって、っていうのがあると役職を担う人間によって、組織の方向性や未来が変わるなと感じました。
――お二人から見て三浦選手はどんな主将ですか
三浦  頼むぞ。
一同 笑。
後藤、澤 んー。
 歴代の主将で一番主将っぽい。
三浦 ほんまか。
 それはだって、そうやん。
三浦 笑。
後藤 今までの主将を悪く言うつもりはないですけど、僕も確かに三浦が主将で良かったかなというか、なんというか。
 なんというか、言葉に重みがあるというか。今までの主将が口先だけとかそういうことではないのですが、やっぱりその、後輩みんなの心を動かすじゃないですけど、掴む力はあるのかな。
後藤 三浦が発する言葉から信念と覚悟っていうものが伝わってくるかなと思います。ユニバ狙う話にもあったのですが、やっぱり主将として結果で有言実行してくれた部分に対して三浦で良かったと思いますね。
 なんか1回冬季練習中に練習の雰囲気が緩くて、それを締めるために三浦が言った言葉があったんですけど、それに僕震えたんですよ。その時、やっぱり今までの主将と違うなと思いましたね。
後藤 今までの主将だったら言わないようなことを面と向かって言ってくれるんですよね。全体に向けて自分の熱い気持ちを伝えられるやつなので、そういうところで後輩も惹かれてみんなついて行っているのかなと思います。
 元々考え方はすごいなと思っていたのですが、それをちゃんと言葉にしてみんなの前で言えるのはすごいなと思いますし、主将になってからよりそれを感じるようになりましたね。
三浦 まあ、主将でない人間がみんなの前で話す機会もないしね。
後藤 まあ、主将じゃなくても元々自信家ではあったので、やっぱそういう「結果出すぞ」っていうことは常日頃言ってて、それが主将になってより増えたかなとは思います。

「楽しかったなと言って終われるように」

質問に答える澤 【早稲田スポーツ新聞会】

――冬季練習の手応えはありますか
三浦  あります。大学2年生の時の冬季練習では骨折して1カ月半くらい練習できなかった時期がありました。それでも次の年100、200メートルでどっちも自己ベストが出て、全カレ3番に入って、日本選手権決勝残ったりしてみたいな感じだったのですが、今年の冬は1日も抜けることなくやりきることができました。それにトレーニングのやり方を今までとはガラッと変えて行ってきた中でケガすることもなく春先で自己ベストに近い記録も出せて、ユニバ内定ももらったので冬季練習は成功しているなという感覚があります。これから自分がどんなタイム出せるか楽しみですし、期待している部分が大きいと思えるぐらいうまくいったかなと思います。
後藤 僕は1月まではしっかりやれていたかなと思っています。ですが、自分自身、変な焦りからスピードを上げていかないと思って、1月末にケガをしてしまいました。1カ月ちょい走れない状態になってしまって、3月の2週目くらいから本格的に走り始めたのですが、今年は目標がユニバーシアード(ユニバーシティゲームズ)だったので学生個人(日本学生個人選手権)でタイムを出したいと考えていて、復帰明けで1カ月後には学生個人の大会があってすぐに調整して出たのですが、やっぱりケガの影響が大きくて結果を出すことができませんでした。もうそこは終わったことなので切り替えて、僕自身まだ関カレ(関東学生対校選手権)だったり、日本選手権とか全カレの表彰台に上りたいと考えているので、これから朝練も継続して行っていきたいと考えています。
――今だんだん調子が上がってきている感じですか
後藤 そうですね。やっと最近練習量もこなせているので、徐々に上がってきている感じではあります。頑張ります。
 僕も途中まで良かったんですけど、1月に体調を崩し、そこでちょっと心も体もやられた感じはあります。春先はいつもタイムが出せて後半の全カレなど失速するみたいなのが多いのですが、今僕にとっては、最後の全カレが1番重要視したい、勝ちたい大会なので、体調不良でやられた部分はそこまで影響はないかなと思っています。春先100メートルで自己ベストが出たので、それを全カレの個人種目やリレーにつなげていけたらなと思っています。なので、冬季練習の成果としてはいい方向にあるのかなと思っています。
――今年が大学ラストイヤーですが、目標は
三浦 日本インカレ総合優勝、4継3連覇、ユニバーシアード日本代表、以上です。
後藤 日本インカレ総合優勝、全カレ、関東インカレ表彰台、日本選手権も決勝に残る。
 僕も4継3連覇、あわよくば、リレーで学生記録っていうのを狙っていこうかなと思っています。よく小竹さん(小竹理恩氏、令4スポ卒)からリレーの澤と呼ばれているので、4継でもマイルでも頑張りたいと思っているのですが、リレーの澤ではなくて個人としても結果を出したいなと思います。
――澤選手の個人としての具体的な目標順位は
 1年生の時に思い描いていたことなのですが、200で三浦とワン、ツーすると思っていたので、それができたらいいかなと思います。
――そうおっしゃっていますが、三浦選手いかがですか
三浦 厳しいんじゃないの?
一同 笑。
 いやいや。後半の伸びをお見せします。
――三浦選手は先日ユニバの代表に内定しましたが、率直な感想はいかがでしょうか
三浦 そうですね、うれしかったです。それと同時にユニバに出場するだけで終わってしまうのではなく、出るからには日本代表として、早稲田の代表としてしっかり成果を残すことが必要になってくると思います。そこにどうやって自分を持ってくるか、一から考え直してトレーニングしていきたいです。先ほども言ったのですが集合とかミーティングとかでいつも偉そうなこと言っているので、何としてでも代表取らないとあいつ口だけじゃねーかとなってしまうので、そこの意地もうまく相まって100分の1秒でもぎ取れた部分があると思います、
――澤選手、後藤選手はそれを受けてどう思いましたか
後藤 なんか、良かったという思いがある反面、自分自身悔しいっていうところが大きいですかね。自分もラストイヤーでユニバを冬季練習から目標として掲げていたので、同期が代表内定してくれるのはうれしいのですが、自分が出場できてないのは短距離ブロック長としても情けないなという思いの方が強いですかね。
 僕は三浦が選ばれると思っていたのですが、悔しいじゃないですけど、自分が情けないというか、そんなふうに思います。同じ種目で、僕も狙っていたというか目標として掲げていたものはあったのですが、まあ、その、情けないなと思います。
――それが刺激となって練習などに影響は出ましたか
後藤 そうですね。悔しかったので。僕もブロック長としてチームや後輩を引っ張っていくのには結果で示したいと思っています。今は切り替えてインカレなど大きな大会でとりあえず結果を残したいと練習に励んでいます。
――稲毛碧選手(スポ3=新潟・東京学館新潟)など、後輩の活躍に対してはどう思いますか
三浦 まあ、正直稲毛に対してはサプライズというか、「おお! 3番代表なったのか! 」って感じだったので同じブロックの先輩としてはうれしいですね。彼はしょっちゅう今の走りどうですか、こうですかと話を聞いてきくることが多いです。大会(学生個人)の時も、準決勝、決勝どう走ればいいですかと動画とともに逐一聞いてきて、こうした方がいいよとか話をしていました。あいつがうまくそこを調整して準決勝って、決勝3番に入ってっていうレースだったので決勝でちゃんと自分のレースとして1つのレースをまとめあげてこれるようになったのは稲毛自身非常に成長した部分だと思いますし、僕自身もポジティブにとらえたいと思います。で、彼以外にも力を持っていて、ユニバ内定とれたのではないかなと思う選手も多いので、彼の活躍をきっかけに他の選手も貪欲に自分の心の中にある何かを滾らせて毎日練習してほしいなと思います。稲毛に関して嬉しいと思う気持ちもありますが、後輩に対する評価としてはもっともっとやれるチームだと思って頑張ってほしいところです。
 いい刺激になっていますね。短短はレベルが上がってきているので、リレーメンバー争いも激しくなってきますし、そういった意味でいい刺激はもらっているかなとは思います。
――後藤選手はいかがですか
後藤 そうですね。去年のヨンパー勢の話をすると、山内さん(山内大夢選手、令4スポ卒=現東邦銀行)や関本さん(関本萌香氏、令4スポ卒)、村上さん(村上夏美氏、令4スポ卒)っていう強い選手がいた中で、全カレの決勝に全員出場することができました。今年もちゃんと6人で決勝出ようという話はずっとしていたのですが、学生個人は予選、準決落ちで、みんなで悔しい結果になっているので、他大から見たら早稲田のヨンパーはお家芸みたいな感じになっているので、しっかりヨンパー勢が組織の総合得点に貢献できないと総合優勝も絶対できないと思うので、まず、ヨンパー勢が引っ張っていくのと、短長ブロックに関しても去年小竹さんなどの上の先輩がいたのですが今年は新しいチーム体制でいい雰囲気で練習できているので短長のメンバーはリレーだけでなく個人でも結果を残せるように頑張ってほしいなと思います。
――最後に関カレとラストイヤーに向けての意気込みをお願いします
 関カレのいい思い出がなくて僕。
三浦  なさそうだな。
 1年生の時は出てなくて、2年生の時はコロナで変な大会になりましたよね? 3年生の時もケガして出れてなくて、いい思い出がないので、4年目こそはっていう想いはあります。僕が尊敬する先輩からラストイヤーは自分の陸上を楽しめっていうのを言われていて、小学校から続けている陸上競技、好きで始めた陸上競技を好きで終わりたいし、楽しんで終わりたいので。それには結果を出して好きなまま終わりたいなという気持ちがあります。僕が1番大事にしているのは全日本インカレなので、そこで思い描いた結果を出せるようにこれからやっていきたいなと思います。
後藤 僕も1年目は出場したのですが予選落ち、2年目は主力選手が出てない中での3位という結果で、3年目もケガで出場できないっていうような状況がありました。4年目はまずブロック長として組織に貢献して、他大に黒川(法大)や出口(順大)とかといった強い選手がいるのですが、その選手に負けないように今は練習やって、田中や新井と関東インカレ決勝残れるようにしたいですし、また女子も出場する選手全員で決勝残りたいと思います。ラストイヤーに関してはさっき僕が言った目標どれか一つは絶対達成して終わりたいと感じるのと、日本インカレ総合優勝は組織で目標立ててきたのでそれには貢献したいですし、去年は失格という形で貢献できなかったので3位以内に入って得点稼ぎたいです。そして、最高学年としてリレーも出て点数取りたいと思います。陸上を引退した時、悔いなく終わることはできないと思うのですが、今できることを毎日精一杯やっていけばいいかなと思います。
三浦 陸上人生のラストイヤーで、10年間やっていよいよそれが最後の年ってことなので、つらかった10年間が報われるような1年間にしたいと思います。成果は欲しいし、ただ、成果を出すことがやりきることかって言われたら別にそうではない気はしますし、なんか最後の年にしかない複雑な気持ちなのですが、主将としてチームを作ることもそうだし、任された仕事をやること、やりきること、結果をだすことも、いろいろその他に自分のやりたいこともあるし、調整して失敗しても成功してもやりたいようにやって、終わった時に楽しかったなと言って終われるようなのが今の時点ではいいかなと思いますね。
――やはり、今までつらい事のほうが多かったですか
三浦 僕は各カテゴリーで失敗していて、高校2年の冬にこれ以上いい冬季練習したやつこの世にいんのかよって思いながらシーズン入ったんですけど、春先に20秒9っていう結構速い記録出してそれっきりでした。南関東大会も6位ギリギリ通過、インターハイ4継バトン落として失格、200メートル準決勝敗退。マイルはまあ、周りに強い選手がいて優勝することができたんですけど。なんか、やっぱり報われない努力の存在を1年間考えたこともあったし、なんだかんだ僕、高校3年生の記録を超すのに3年間かかりましたしね。大学3年の春にようやくベスト更新することができて、その一瞬に対してやっぱり報われない時間の方が長い競技だと自分の中で考えていました。つらい時期はありましたよ。
 練習している時はつらいのですが、それも含めておもろいなとも思います。まあ、次またスポーツやれって言われたら陸上はしないですかね。絶対に。
一同 笑。
後藤 僕は絶対そうですね。
三浦 いやー、僕はするかもしれないな。
後藤 まあ、陸上競技は自分と向き合える競技かなという感じがします。やった分だけかえってくる、自分を追いこんだ分、その分だけ顕著に結果に表れてくる、たまにそれが報われない時もあって。
三浦  そうなんですよ。
後藤 そう、その時にやっぱり自分と向き合えるんじゃないかなと思います。人として成長できるスポーツじゃないかなと。けど、まあ、僕は絶対次スポーツやれと言われたらバスケをします。
一同  笑。

――ありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆三浦励央奈主将(みうら・れおな)(※写真左)
2000(平12)年5月10日生まれ。181センチ、81キロ。神奈川・法政二出身。スポーツ科学部4年。自己記録:100メートル10秒38、200メートル20秒77。他の選手も、「言葉から信念と覚悟が伝わってくる」とおっしゃっていた通り、対談中の言葉もひとつひとつに重みが感じられ、我々早スポも心を動かされました!
◆後藤颯汰(ごとう・はやた)(※写真中央)
2000(平12)年8月9日生まれ。175センチ、70キロ。長崎・五島出身。スポーツ科学部4年。自己記録:400メートル障害50秒80。「陸上競技は自分と向き合える競技」だという言葉が印象的だった後藤選手。対談中、他の選手が話している時にカメラに向かってキメ顔をするなどお茶目な一面も見せてくださいました!
◆澤大地(さわ・だいち)
2000(平12)年6月29日生まれ。177センチ、64キロ。滋賀・草津東出身。スポーツ科学部4年。自己記録:200メートル20秒80。色紙に書いた『GOAT』はGreatest Of All Timeの略で、NBAの解説でよく使われるスラングとのこと。推しのNBAチームはシャーロットホーネッツだそうです!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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