WSLロングボードツアーディレクターのデヴォン・ハワードが辞任

チーム・協会

【© WSL/ Mike Ito】

2018年にWSL(ワールドサーフリーグ)ロングボードツアーのディレクターに就任したデヴォン・ハワードが辞任することになった。

デヴォンはツアーのイベント数を増やし、2021年にはロガー(ロングボードのライダー)の聖地であるマリブでのイベント開催にも成功。
何より一番の功績はカリフォルニアの一般的なロガーが興味を持っている伝統的なスタイルを重視するジャッジ基準に変更して、3度の世界王者テイラー・ジェンセン(USA)のようなパフォーマンス系からジョエル・チューダーのダクトテープに招待されていたジャスティン・クインタル(USA)、ハリソン・ローチ(AUS)のようなクラシック系が勝てるようにツアーを改革したことだろう。

ロングボードにショートボードのような縦のリップやラウンドハウスカットバックは必要ないと示し、重いシングルフィンでのクリティカルゾーンでのノーズライドが尊重されるようになり、会場からはスラスターや軽いEPSのボードがほぼ消えることになった。

デヴォン・ハワードのメッセージ

デヴォン・ハワードの辞任は、WSLからは正式公表されていないが、4月に開催されたメキシコでの「Mexi Log Fest」の最中にツアーの公式動画を制作しているLog Rapが情報を得たそうだ。

「今、ロングボードは本当に素晴らしい状態にある。私の仕事で最も困難だった部分はWSLが伝統的なロングボードのジャッジクライテリアを導入することの手助けだった。みんなは私がそのジャッジクライテリアを定めたと思っているけど、実は数年前にすでに存在していたのさ。しかし、それは実際に適用されていなくて、選手とジャッジの両方に混乱を生じさせていた。私はそれを解決するために呼ばれたんだ。ジャッジのトレーニングには多くの時間を費やした。簡単ではなかったね。伝統的なロングボードサーフィンを私たちが期待するレベルでジャッジ出来る人はそれほど多くないんだ。彼らには世界で最も経験豊富なショートボードのジャッジのニュアンスが頭にこびりついているから、伝統的なロングボードサーフィンを正しく理解するのに時間がかかったのさ。そのために私は全てを詳細に説明する文章を書いたんだ。その文章には、'WSLがこのドキュメントに忠実に従い、それを続ければ今後何年にも渡ってツアーの指標になるだろう'と記した。私の仕事は非常に有意義であり、現状を打破するための橋渡しをしたと思っている。WSLがここからどう発展していくのか、サーファーたちがどう進化していくのか、楽しみにしているよ」

Log Rapのインタビューでこのようなメッセージを残したデヴォン。

問題を解決したから去るというお手本のような答えをしたデヴォンだが、内部の憶測では WSLのコミッショナー、ジェシー・マイリー・ダイヤとジョエル・チューダーとのトラブルが辞任の理由では?と囁かれている。
また、自身のInstagramで父親がアルツハイマー病であることを最近告白した。

デヴォンの後任はジェシー・マイリー・ダイヤとWSLのツアー&コンテスト代表を務めるウィル・ヘイデン・スミスが就任する。

2022年のWLTスケジュールは以下。
開幕戦が進行中だ。

●5月16日〜24日
オーストラリア・マンリービーチ
『Sydney Surf Pro WLT』

●8月3日〜7日
カリフォルニア・ハンティントンビーチ
『Vans Duct Tape Invitational』

●10月3日〜13日
カリフォルニア・マリブ
『WSL Longboard Championships』

(黒本人志)
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