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【動画】フリーキック? コーナーキック? 元アイルランド代表の驚愕ロングスロー

YOJI-GEN

 ローリー・デラップは超一流のフットボーラーだったわけではない。イングランドの3部リーグでキャリアをスタートし、21歳で当時プレミアリーグのダービーに移籍したが、2013年に37歳で引退するまで一貫して中小クラブでプレーした。またアイルランド代表として11試合に出場。だが、そのうちスタメンは2試合だけで、チャンスがあった2002年ワールドカップのメンバー入りも叶わなかった。

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 運動量が多く、攻守にわたって泥臭い仕事をこなすハードワーカーだったが、技術面は凡庸で、プレミアリーグの平均的なMFだった。しかし彼は、唯一無二と言える強力な武器を持っていた。このアイルランド代表MFを特別な存在にしたのは、ロングスローという飛び道具を備えていたからだ。敵陣深めの位置で相手のボールがタッチを割れば、チームにとっては大きなチャンス。フリーキックやコーナーキックをもらったも同然だった。

 元槍投げ選手という経歴を持つデラップのフリースローは、実に40メートル前後のレンジを誇った。しかも山なりではなく、強くて速いボールを投げることができた。そのスピードは時速60キロとも言われる。まるで足で蹴ったような勢いでゴール前にボールが飛んでくるのだから、相手にとってみればたまらない。

 デラップのフリースローが猛威を振るったのが、約6年間プレーしたストーク時代だ。トニー・ピューリス監督がその驚異的な遠投力を最大限に活かそうと、ロングスロー用の戦術を導入したのだ。

 当時2部のサンダーランドから06-07シーズン途中に同じ2部のストークに移籍したデラップは、新天地でのホームデビュー戦で足を骨折し、シーズンの残り半年余りを棒に振ってしまう。だが、翌07-08シーズンに戦列に復帰すると、自慢の飛び道具で貴重なゴールをいくつも生み出し、23年ぶりとなるストークのトップリーグ昇格に貢献。そして08-09シーズン、自身にとって3年ぶりとなるプレミアの舞台でも対戦相手に脅威を与えることになる。

 第2節のアストン・ビラ戦で早速見せ場がやってくる。2-2の後半アディショナルタイム、左サイドからのロングスローでママディ・シディベのヘディングでのゴールを演出(オープニング&1分12秒〜収録)。ホーム初戦でチームにプレミア初勝利をもたらす、劇的な決勝ゴールだった。

デラップのロングスローが注目を浴びたのが、30歳で入団したストーク時代。ピューリス監督にその特殊能力を見出された 【DUGOUT】

 さらに第11節のアーセナル戦では先制ゴールを演出し(1分22秒〜収録)、強豪相手の勝利の立役者に。残留を巡って争うミドルスブラと対戦した第30節には、両軍スコアレスの84分に値千金のゴールをもたらした(1分36秒〜収録)。このシーズンのデラップは6アシストを記録したが、そのうち5つはロングスローによるものだった。
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