F1 2022年シーズン開幕特集

F1専門メディアは2年目の角田裕毅に期待大「心身ともに大きく成長」「ビッグサプライズもありうる」

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ガスリーと並ぶ結果を目指せ

今季の角田は、昨年の反省を踏まえて「シーズン序盤でいかに良い流れに乗るか」が最大の勝負どころと言えそうだ 【Red Bull Content Pool】

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 日本人としてどうしても期待してしまうのは、F1参戦2年目となる角田裕毅がどこまでの成績を残してくれるのか、ということだ。

 昨年はルーキーということもあり「慣れる」年だった。角田自身もトレーニングが大嫌いなこともあり身体が作れていなかったことなど、F1ドライバーとしての自覚と習慣が身についていなかったことを反省点として明かしている。

 本来の自分の良さを取り戻した角田は、最終戦を自己最高の4位でフィニッシュした。マックス・フェルスタッペンの大逆転F1王者誕生という話題にかき消されてしまったが、F1最終年のホンダへ恩を返したかった角田は、初の表彰台に0.519秒まで迫っていた。

 角田にとって2年目のF1シーズン。バーレーンテスト前には、1年目の反省点を素直に認め、大嫌いなトレーニングも率先してやるようになり、チームとも積極的にコミュニケーションを取るなど走行時以外の習慣がかなり改善されたようで、精神的余裕が生まれて確実に成長している。

 角田への過度な期待はプレッシャーになるだけだが、悠長なことを言っていられるほどF1は甘くない。角田には速さがある。まずは評価の高いピエール・ガスリーと協力してチーム力を上げ、対等の結果を目指し、各チームが欲しがる真のF1ドライバーへと成長してもらいたい。

2年目のビッグサプライズもありうる

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 F1での2年目を迎えた角田裕毅にとっては、今シーズンがさまざまな面で勝負の年。デビューイヤーは一発の速さを示した一方で、無理な仕掛けで順位を落とし、ポイントを取りこぼす展開が散見された。それでも終盤戦へと近づくにつれ明確な成長を示し、最終戦アブダビGPではフリー走行から公式予選、決勝に至るまで、すべてのセッションで僚友ピエール・ガスリーを上回った。

 2年目を迎えた今シーズンの角田は、ガスリーとの差を大きく詰めることができるはず。ただし相棒のフランス人は、現在F1界にいる20代のドライバーで、トップクラスの評価を得ている俊英でもある。シーズンを通じてガスリーを上回ることができるのかと言ったら、そのハードルはとてつもなく高いと言わざるを得ない。

 それでも今季のAT03が角田選手にとってアジャストしやすいマシンに仕上がっていたら、日本人ドライバーが2年目でビッグサプライズを起こすことも充分にあるはず。昨季の決勝最高位はアブダビGPの4位だった。今季表彰台に上がることは現実的な目標であり、角田選手にとっては成し遂げなければいけないミッションとも言える。

 今季は上位チームと下位チームの戦力差が一気に詰まっている。それだけに、乱戦をものにした2020年イタリアGPのガスリー、2021年ハンガリーGPエステバン・オコンのように、F1キャリア初優勝を達成するドライバーが、例年以上に現れるのではないかと期待している。

 2年目の角田選手がそのなかに加わることを心底望んでいる。もし、F1の表彰式で流れる「君が代」を耳にしたら、一生分の涙があふれ出てしまうかもしれない。その期待感を胸にF1レースを楽しむことは、日本のモータースポーツファンとして、至上の喜びと言えるのではないだろうか。

(構成:オートスポーツ編集部)

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