王者メルセデスか、レッドブルか、フェラーリか? F1主要4メディアでも意見が分かれる今季のゆくえ
王者メルセデスには不安材料がいっぱい
昨年の最終戦アブダビGPで、マックス・フェルスタッペンを完璧な形で援護したセルジオ・ペレス。今年はシーズン序盤からフェルスタッペンと同等の位置で戦えるか? レッドブル×HRCがコンストラクターズ選手権を獲れるか否かは、すべてペレス次第といっても過言ではない 【Red Bull Content Pool】
コンストラクターズランキングも、レースペースの良さを考えれば、レッドブル優勢と見ていいのではないだろうか? 鍵となるのは、マックス・フェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスが、どれだけ近いパフォーマンスを発揮してくるかということになるだろう。
対抗馬はやはりフェラーリ。ドライバーは二人とも、昨シーズンから非常に高いレベルで拮抗しているため、安定してポイントを稼ぐことができるはず。信頼性も高そうであるし、非常に攻めたデザインのマシンがどんな威力を発揮するのか、楽しみなところだ。90年代を彷彿させるカラーリングのF1-75が大活躍すれば、例年以上に世界中のティフォシたちが興奮することだろう。
メルセデスは、現状のマシンの挙動を見ると、やはり心配。最終日の時点まで、ポーポイズ現象に悩まされ、マシンが激しく上下に動いているシーンが目についた。ロングランのペースも、秀でているとはとても言えない。
さらに気になるのが、新型のサイドポンツーンを投入した後の、ルーバーの塞ぎ方である。超小型のサイドポンツーンを導入したメルセデスだが、その後ろにあるルーバーを、ガムテープのようなモノで塞いでいるシーンがあった。そして強度が足りず、破れてしまっていた。これまでのメルセデスならば、しっかりと塞ぐためのパーツ/カバーも用意してくるはずだと思うのだが……。
全方位的に強いレッドブルがHRCとともに王座へ
各チームは新時代をリードできる大きなチャンスと捉えて、人と資金のリソースを2022年に振り向けて開発してきたが、6日間のテストでは、大きくなった18インチタイヤと、フロアで強大なダウンフォースを生み出すグランドエフェクトカーの副作用の対策に苦心した。
バウンシングを抑えるためにダウンフォースを抜くと速度が上がらない。しかし、バウンシングが酷いと安定しないので速く走れない。各チームはダウンフォースを得つつ、バウンシングを抑える最適解を探っている最中だ。
全チームが手の内を隠しているが、今年のコンストラクターズチャンピオンはどこが獲るのだろうか?
好調なフェラーリがその解に最も近づいていると言われているが、チーム力の面で2強と少し差があるように見える。
8年連続の王者メルセデスは革新的なデザインを投入したが、今年も本当のタイムは見せていない。不安要素も多そうだが、王者の実力は侮れない。
昨年ダブルチャンピオンを獲り逃したレッドブルは、テスト最終日を最速タイムで終え、開発にも満足している様子で、あらゆる点で強さを見せた。今年こそは、自信を取り戻したレッドブルがHRC(ホンダ・レーシング)の強力なサポートを得て、チャンピオンを獲るだろう。
(構成:オートスポーツ編集部)