母国での五輪を戦う優勝候補ペア、スイ/ハン 会場の熱い期待を受け、ショート首位で金メダルに向かう

沢田聡子

地元の期待を一身に背負うスイ/ハン

18日のペアSPでウェンジン・スイ/ツォン・ハン(中国)は84.41の高得点で1位になった 【写真は共同】

 北京五輪の中心地といえるメインメディアセンターには、公式グッズのオフィシャルショップがあり、連日長蛇の列ができている。そのオフィシャルショップの紙袋に大きく写真があしらわれているのが、地元の期待を一身に集める中国ペア、ウェンジン・スイ/ツォン・ハンだ。通常はフィギュアスケートの最後を飾る種目は女子シングルだが、今大会においてはペアになっている日程にも、この北京五輪を最後に盛り上げたいという意図が感じられる。

 スイ/ハンについては、2019年にさいたまスーパーアリーナで行われた世界選手権で観た演技が忘れられない。ショート2位発進で迎えたフリーで滑ったのは世界的に有名なローリー・ニコルの振り付けによる『Rain, In Your Black Eyes』で、すべての要素が流れるようにつながり、フィギュアスケートの真髄をみせてもらったと感じる圧巻の演技だった。このフリーでスイ/ハンは逆転の優勝を果たしている。

 そして、その2019年世界選手権で2位となったのがロシアのペア、エフゲニア・タラソワ/ウラジミール・モロゾフだった。これら二組のペアは、約3年後のこの世界選手権でも頂点を目指して競っている。

スイ/ハンは、好敵手と僅差での首位発進

84.41で首位に立ったスイ/ハン(中国)ペアだが、2位のタラソワ/モロゾフ(ROC)ペアとはわずか0.16差と僅差だ 【Photo by Justin Setterfield/Getty Images】

 フィギュアスケートで最後に行われるペアに対しては、会場である首都体育館の招待客や関係者も熱の入れ方が違うことがひしひしと感じられる。18日に行われたショートでも、最終グループの一つ前となる第4グループで登場したチャン・ペン/ヤン・ジンが登場すると、ひときわ大きな拍手が送られている。

 フィギュアスケートの団体戦は五輪期間の最初に行われており、最後に行われるペアの選手たちは選手村で長い時間を過ごして個人戦を迎えていることになる。通常よりも短い時間での練習しか行えない中で大一番を戦うわけで、その状況は他の試合にはないものだといえる。この日のペア・ショートではミスが相次ぎ、特殊な試合である五輪の難しさが感じられた。

 しかし、ペン/ジンは会場の期待に応えるように、ミスのないいい演技を見せた。ジンは演技後ガッツポーズを見せ、中国国旗が振られる会場に向かってペンとともにハートマークを作って応えている。会場からの応援が背中を押していることが感じられ、地元開催の五輪を戦う選手の強さを感じさせるシーンだった。ペン/ジンは76.10というスコアを獲得し、ショート5位発進となっている。

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著者プロフィール

沢田聡子

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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