女子団体追い抜き、連覇目前で乱れた隊列 「攻めた末の銀」を勅使川原郁恵が分析
美しい隊列とチームワークを世界にアピールした日本
日本の一糸乱れぬ隊列は世界から称賛を浴びた。血のにじむような練習を重ねてきた努力の結晶だ 【写真は共同】
隊列の美しさは練習の賜物です。選手それぞれのタイミングを合わせるのはもちろんのこと、メンタルや体調も整っていないとあれだけ綺麗に動きがそろうことはありません。3選手全員が以心伝心で、お互いの動きを理解していましたし、お互いを高め合いながら切磋琢磨して練習してきたのが見て取れました。
個人戦での自分の速さだけを追求する滑りとは異なり、味方と息を合わせて滑るのは体力、精神の両面でより消耗が激しいと言えます。より頭も使わなければいけませんし、スピード上げたいところで味方の選手と噛み合わないと精神的なダメージを受けることもあります。そうした繊細な種目である団体追い抜きで、これほどまでに高い完成度を見せてくれたことにももっと注目してほしいと思っています。
1000mやマススタートなど残りの種目での活躍に期待
団体追い抜きのメンバーからは、1000mに高木美帆(中)、マススタートには高木菜那(右)が出場する 【写真は共同】
500メートルで不本意な結果になってしまった小平選手にも注目です。1000メートルではメダルの有無にかかわらず、悔いを残さない全力の滑りを期待しています。
今回、転倒してしまった高木菜那選手もマススタートがあります。連覇が期待される種目なのでプレッシャーもかかるとは思いますが、気持ちを切り替えてスタートラインに立ち、最後は笑顔で大会を終えてほしいですね。
勅使川原郁恵(てしがわらいくえ)
【写真:スポーツビズ】