「オレンジの挑戦」NTTリーグワン2022 第2節 試合前コラム
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
オレンジの挑戦がいよいよ始まる
夏から秋と四季を重ね、熱い冬が戻ってきた。
チーム名も、リーグ名も変わったが縦100M・横70Mで行われる80分超の戦いの熱量は変わらない。
戦う準備はできている。
チームとして17週、だがシーズンが終わったその瞬間から次の戦いに挑む準備を続けてきた選手たち。
シーズン終了直後の初夏。
クラブハウスで自主トレをする大熊選手に「頑張ってるね!」と声をかけると
「今がチャンスなんで」
と返ってきた。
後日、今度は同じく自主トレする中田選手に声をかけると、またもや
「今がチャンスなんで」
と返ってきた。
共に近畿大学出身の両選手。
一瞬、近畿大学ラグビー部の部訓が「今がチャンス」なのかと思ったが、きっとどの選手も同じ思いのはずだ。
試合にでるチャンス。
自分を成長させるチャンス。
様々な努力をチャンスと捉え、前向きに成長してきた選手たちは、秋に集結し、新シーズンがスタートした。
スローガンはNEXTLEVEL〜不撓不屈〜
新しい舞台で、次のステージに挑む前向きな「NEXTLEVEL」。それに添えたのは、チームの覚悟と決意を示したような「不撓不屈」
驚いたのは、チーム方針だ。
「オレンジアーミーの代表として戦う。」
これまでスピアーズファンの呼称としてきた「オレンジアーミー」を「私たちもオレンジアーミーなんだ」と言い切り、「そのオレンジアーミーの代表として戦う。」と続けた。
明日、秩父宮でプレーするのはフィールドに立つ15人だけではない。
努力をチャンスと捉えたあの選手、オレンジを着て見守る観客席、チームを応援し貢献するすべての人。
背負うものは大ききれば大きいほどいい。
戦う理由はあればあるほど強くなる。
オレンジの挑戦がいよいよ始まる。
チーム全体としての練習開始は2021年9月20日。それから17週に渡り、走り続けてきた。 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
試合後のロッカールームに期待
静かで、悔しそうで、うつむいていた。
ただスコアは34対24。
確かに勝ったはずだ。
この試合でゲームキャプテンを務めていたピーター“ラピース”ラブスカフニ選手は、
「顔を上げよう。自分たちがプロセスに則ってやってきたことを誇りに思おう。」
とチームを勇気づけた。
これは2021年3月6日のトップリーグ2021第3節 シャイニングアークス戦での光景だ。
シャイニングアークスとの前回の試合トップリーグ2021第3節の試合後ロッカールームの様子 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
それはつまり、この対戦は結果を通り越した思いがある、ということ。
この試合は、キックオフ直後からのトライで先制したスピアーズが終始リードし続けた。
試合終了間際に、自チーム選手の退場により残り10分近くを14人で戦ったが、それでもボーナスポイントを獲得するために、まさにトライし続けた。
それを以てしても、この選手たちの表情だった。
この試合の記者会見でのラピース選手のコメントは
「(シャイニングアークスとは)いつもハードな試合になるが、今回も特にフォワード面でハードなバトルがありました。私たちはセットプレーにプライドをもっています。今日もハードな戦いでした。」
「千葉ダービー〜東京ベイマッチ〜」として行われる本節。
同じ千葉県でも隣接したホストエリアを持つ者同士のこの一戦は、いつも以上にプライドが火花を散らす一戦となる。
過去両者の対戦は、いずれも接戦。
プロセスを重視するスピアーズだとしても、ただならぬ思いがある。
ゴール前スクラムでのフォワード8人がプライドを結集する緊張感。
キックしたボールの競り合いから、刹那的に流れがかわるあの瞬間。
フェーズというプロセスを踏みながら、互いの半歩を奪い合うあの攻防。
どの瞬間をとっても、ソフトなオプションはない。
近い存在だからこそ、譲りたくたくはない。
そうしたプライドが垣間見る一つ一つのプレーは、スコアボードではわからない。
スピアーズのリーグワン初戦は、「東京ベイ」のプライドをかけた大一番。
場所は聖地・秩父宮ラグビー場。
試合後の出し切った、充実の表情の選手たちを期待したい。
文:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ広報 岩爪航
写真:チームカメラマン 福島宏治
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