優勝候補が多い中、夏の全国は不出場だった福岡第一が不気味な存在 【ウインターカップ男子展望】

夏のインターハイ決勝は中部大学第一(白)と帝京長岡(青)が対戦。中部大学第一が念願の全国初制覇を達成した 【写真:伊藤大充/バスケットボールキング】

「ウインターカップ2021」の男子は、予想をするのが難しいほど、優勝候補がひしめいている。

 その中で第1シードとなったのはインターハイで悲願の初優勝を遂げた中部大学第一(愛知)。パワーフォワードの田中流嘉洲やセンターのアブドゥレイ トラオレ(いずれも3年)らがインサイドでしっかりと構え、リバウンドで優位に立つ。アウトサイドではオールラウンドな動きを見せる福田健人(3年)にシューターの坂本康生(2年)、そしてオフェンスをつかさどるスピード自慢の司令塔・下山瑛司(2年)と、攻撃的な布陣。鍛え上げられた走力でオフェンスだけでなくディフェンスでも相手をしのぐ運動力を誇る。チーム史上初となった全国優勝を夏に達成した経験と勢いを冬にもつなげたいところだ。

 スタミナでいえば、インターハイ準優勝の帝京長岡(新潟)も負けてはいない。地元開催となった夏の全国大会では、攻防において40分間タフに戦うスタイルで躍動。スコアラーの島倉欧佑(3年)をはじめ、コートに立った選手たちが役割をしっかりと果たして銀メダルを獲得した。

 また、インターハイではともに準決勝で敗れた福岡大学附属大濠(福岡)と仙台大学附属明成(宮城)は確実にパワーアップしてウインターカップを迎えるだろう。インターハイでは、福岡大学大濠はリーダーの岩下准平(3年)と1年生の川嶋悠翔が、仙台大明成は山崎一渉と菅野ブルース(いずれも3年)の2本柱がラトビア開催の「FIBA U19ワールドカップ2021」に出場。帰国後の隔離期間で、大会には準々決勝からの合流だったため万全とは言えなかった。それだけに冬はベストな状態で臨みたいところ。勝負強くシュートをねじ込む岩下、圧倒的な攻撃力を持つ山崎&菅野らは高校集大成となるプレーを見せてくれるに違いない。

インターハイのリベンジとウインターカップ連覇を目指す仙台大学附属明成のエース、山崎一渉 【写真:伊藤大充/バスケットボールキング】

 そして、不気味な存在なのが福岡第一(福岡)。インターハイは県予選で福大大濠に1点差で敗退し、インターハイへの切符をつかむことはできなかったが、11月のウインターカップ県予選決勝ではその福大大濠に圧勝。ウインターカップへと弾みを付けた。佐藤涼成(3年)と轟琉維(2年)のガードコンビは2年前に優勝した河村勇輝(現・東海大学)と小川麻斗(現・日本体育大学)をほうふつとさせるほどのスピードとコンビネーションを兼ね備える。チームの真骨頂である走力を前面に出したバスケットのけん引役だ。

伝統の攻防の速さが武器の福岡第一(緑)。インターハイは不出場だっただけに不気味な存在だ 【写真:佐々木啓次/バスケットボールキング】

 他にも近畿チャンピオンの洛南(京都)や介川アンソニー翔を擁する開志国際(新潟)に夏はベスト8の東海大学附属諏訪(長野)など、上位進出の可能性を秘めるチームはたくさん。勝負の行方は、大会初日から最終日までもつることとなりそうだ。

文=バスケットボールキング編集部
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