【動画】若きファン・バステンが放った閃光 アヤックス時代の息を呑むビューティフル弾
第16節終了時点で首位と、今季のセリエAで好調なミラン。2010-11シーズン以来、久々のスクデット獲得に期待が高まりつつあるが、かつて1980年代後半から90年代初頭にかけてこの名門クラブに在籍し、チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)連覇など数々のタイトルをもたらしたストライカーが、マルコ・ファン・バステンだ。
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188センチという長身で、もちろんヘディンシュートも上手かったが、ファン・バステンが「20世紀最高のストライカー」と呼ばれるのは、足元の技術とボディバランスが一級品で、実に多彩なシュートパターンを持っていたからだ。
映像の冒頭にあるようなループシュートも得意技の1つだった。後方からのロングボールを強引に相手DFからもぎ取ると、飛び出してきたGKの頭上を悠然と抜いている。
25秒から収録されている2つのゴールのように、緩急をつけたテクニカルなドリブルで相手を1人、2人とかわしてシュートに持ち込むシーンも珍しくなかった。特に足の長さを生かしたまたぎフェイントでマーカーを腰砕けにし、最後は左足のループで沈めた2つ目のゴールは、まさにファン・バステンの真骨頂だろう。
86年11月9日のエールディビジ第15節、デン・ボス戦の71分だった。右サイドからヤン・ボウタースが送った柔らかいクロスを捉えたのは、ファーサイドで待ち構えていた背番号9の、お手本のような美しいオーバーヘッドだった。シュートはGKが一歩も動けない完璧なコースに飛んでいる。空間認識能力に秀でたファン・バステンは、こうした難易度の高いボレーシュートも十八番にしていた。
フィニッシュワークのみならず、ポストプレーや中盤に下がってのプレイメイクでも違いを見せつけたファン・バステン。まさに“ミスター・パーフェクト”と呼ぶべきストライカーは、このアヤックス時代に4年連続でエールディビジの得点王に輝き、ミランへと引き抜かれるのだ。
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