【マッチプレビュー】2021年JFL第34節 いわきFC対F.C.大阪

いわきFC
チーム・協会

【©︎IWAKI FC】

第23回日本フットボールリーグ(JFL)第34節。いわきFCは12月5日(日)、いわきグリーンフィールドに5位のF.C.大阪を迎える。

11月25日のJFA理事会でJ3昇格が正式決定。そして27日の第33節でアウェーの鈴鹿ポイントゲッターズに勝利し、自力でのJFL優勝を決めたいわきFC。最終戦はホームゲーム。ファンの目の前で難敵に勝利し、シーズンを締めくくりたい。

対戦相手のF.C.大阪は東大阪市をホームタウンとするクラブ。「Challenging for the j-League」というビジョンのもと、大阪から3チーム目のJリーグ入りを目指す。

もともと、設立母体の広告代理店の社員中心の草サッカーチームとして1996年に創設。徐々に強化を進め、2011年に大阪府社会人サッカーリーグ1部で3年連続優勝、関西サッカーリーグ2部へ昇格。翌年には関西サッカーリーグ1部に昇格を果たす。

2013年にリーグを制すも、第37回全国地域サッカーリーグ決勝大会は1次ラウンドで敗退。翌2014年、第50回全国社会人サッカー選手権大会で優勝。第38回全国地域サッカーリーグ決勝大会で準優勝し、JFLに昇格する。

2018年に運営法人「一般社団法人FC大阪スポーツクラブ」を設立してJリーグ参入方針を明確にし、過去最高となるJFL2位に入った。2020年にはJリーグ百年構想クラブとして承認を受け、2021年9月にはJ3ライセンス交付を受けている。

また今年1月1日付けで、クラブ名及び運営法人名を「FC大阪」から「F.C.大阪」に変更している。これは「FC」をフットボールクラブの意味にとどめず、「Field(さまざまな領域)」「Foundation(基礎・基板)」「For people(人々のため)」の頭文字Fと「Community contribution(地域貢献)」「Cooperation(協調)」「Confidence(信頼)」「Creation(創造)」の頭文字Cを組み合わせ、新たな造語としての意味を持たせたことが理由。早期からの女子クラブ、U-18、シニアチームの運営や海外クラブとの業務提携など、先進的なクラブ経営の新たな象徴ともいえる。

2021年スローガンは「絶対勝利」。今季はここまで13勝9分け9敗の5位。J3昇格要件であるJリーグ百年構想クラブ上位2チーム以内入りはかなわず、目標は来季に持ち越しとなった。

いわきFCとはこれまで2度対戦。JFLでの初対決は2020年9月27日。試合はそれぞれが激しいプレースタイルと攻撃力を示す展開となった。

【©︎IWAKI FC】

前半7分、右サイドを抜け出したMF金大生のクロスをFW岩渕弘人が決め、いわきが先制。62分にも岩渕が決め2対0に。大阪は77分にFKからのゴールで1点を返すも85分、FW鈴木翔大が頭で決め、いわきが突き放した。終了間際に1点を返されるも、試合は3対2で終了。互いが持ち味を示す好勝負だった。

二度目の対戦は今年4月24日のアウェー。開始2分、大阪がロングボールでDFの背後を取って、先制。いわきは攻守を立て直し、ベンチに温存していた日高大を後半から投入。積極的に大阪ゴールに迫り、61分にMF山下優人のゴールで同点。試合は1対1でタイムアップとなった。

そんなF.C.大阪を今節、いわきFCはいかに攻略するのか。田村雄三監督、村上佑太アナリストのコメントを紹介する。

■「1年の集大成として勝ちに行く」田村雄三監督

「メンバーは前節がベースになりますが、フォーメーションを3-4-3にするか4-3-3にするか決めかねています。いずれにせよ最終戦。選手達は試合に出たくて仕方ないでしょうし、点も決めたいはず。特別なことを言わなくてもやってくれるでしょう。全員で、ここまで取り組んできたことを出したい。

F.C.大阪さんのフォーメーションは4-4-2とも4-2-3-1ともいえますが、あまり意識していません。むしろ球際の競り合いやセカンドボールの奪い合い、攻守の素早い切り替えといった、ベース部分の主導権争いになる。大阪さんは来季に向け、高いモチベーションで来るはず。ストロングがぶつかり合う試合になるでしょう。

おそらく左サイドに外国人選手を入れてくるので、どう対応するかが一つのポイント。まだ決めていませんが、対人の強さがあるDF江川慶城を起用するのはプランとして面白いかなと思います。また、MF嵯峨理久を前で使うことも一つのオプションです。

【©︎IWAKI FC】

前節で優勝を決め、昇格もすでに決まっている。そんな状況で最終節をホームで迎えられるのは素晴らしいこと。1年の集大成としてこの試合に取り組み、しっかりプレーしたい。大事なのは、ファンの皆さんがこの試合から何を感じてくれるか。クラブも試合後のセレモニーを考えてくれており、そのためにもしっかりと勝ちに行きます。

監督として迎える最後の試合になりましたが、特にこれといった感情はありません。試合が終わって実感するかもしれませんが、今はこの最終戦に集中しています」

■「球際と切り替えの戦い」村上佑太アナリスト

「F.C.大阪さんは、JFLで常に上位に入ってくるチーム。プレースタイルはアグレッシブ。ウチと同じように前線からボールを奪いにきます。ポゼッションで崩すというより、個々の能力を最大限に生かし、少ないパス本数でゴールを陥れるチームです。

フォーメーションは4バック。2トップが縦に並ぶので、4-4-2とも4-2-3-1とも解釈できます。昇格争いで一番のライバルと予測していましたが、前半戦の途中から引き分けが多く、優勝・昇格争いに今一つ絡めなかった印象があります。

シーズンを通じて失点は少ないものの、得点力が足りなかった。そういった事情からか今シーズン、ブラジル人選手を二人補強しています。今節そのうちの一人、FWエジウソン選手が左サイドハーフで出てくると思われるので、要注意です。

他にも今年MIOびわこ滋賀からやって来たFW久保吏久斗選手、セレッソ大阪出身の大山武蔵選手、国士舘大でウチのMF宮本英治と同期だった澁谷雅也選手など、サイドにスピードのある選手をそろえており、脅威になるでしょう。こちらとしては『彼らをどう抑えるか』ではなく『攻撃で相手のサイドをどれだけ押し込めるか』がカギになります。

【©︎IWAKI FC】

アグレッシブな戦い方はいわきFCと似ている部分もあります。そういう意味でも負けられませんし、昨年のような熱い試合になるでしょう。いい締めくくりを期待します」

■ホームで迎えるJFL最終戦。ファンの目前で今年最後の勝利を。

チームは今季、J3昇格とリーグ優勝に加え、勝ち点70獲得と70得点/30失点を目指してきた。昇格と優勝はすでに達成し、ここまで62得点28失点。この試合で70得点を達成するのは難しいものの、1点以内に抑えて勝利できれば、勝ち点と失点は目標をクリアする。

また現在、FW古川大悟が11得点でランキングで6位。4選手が12点で2位に並んでおり、複数得点で単独2位の可能性を残しているのも注目ポイントだ。

ここまで20勝8分け3敗の勝ち点68。2021年シーズン最終戦。いわきFCはファンの皆様の前で最後の勝ち点3を積み、有終の美を飾れるのか。

【©︎IWAKI FC】

熱き戦いは12月5日(日)13時より、いわきグリーンフィールドにてキックオフ。試合の模様はYouTubeのJFLオフィシャルチャンネルにてライブ配信される。ぜひ会場にて観戦ルール順守の上、気持ちのこもった拍手で、選手達を後押しいただきたい。

なお、いわきFCの最新情報は現在、"魂の息吹く"noteにて配信中。

今シーズン最後の熱き戦いに、ぜひご注目を!

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著者プロフィール

「いわき市を東北一の都市にする」ことをミッションに掲げ、東北社会人サッカーリーグ1部を戦う「いわきFC」の公式アカウントです。

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