新馬戦で1秒差以上の圧勝を飾った馬の次走を分析する
【2021/11/20 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G2) 1着 1番 イクイノックス】
全体成績および年齢別・牡牝別成績
■表1 【全体成績および年齢別・牡牝別成績】
まず、全体成績は【25.9.8.27】、勝率36.2%、複勝率60.9%、単勝回収率91%、複勝回収率93%。ただ、優秀そうな数値ではあるが、これだけでは判断がつきかねるところもある。そこで比較材料として、同期間のすべての新馬戦1着馬の次走成績を記すと、【259.217.173.1231】、勝率13.8%、複勝率34.5%、単勝回収率72%、複勝回収率71%。これを標準とみなして比べると、1秒0差以上で勝った馬の好走率はかなり高いことがわかる。加えて、単複の回収率も90%台と水準を上回っており、基本的には優秀な成績を収めていると考えていいだろう。
年齢別成績では、2歳と3歳でそこまで大きな差は見られない。ただし、単勝回収率のみ、2歳の116%に対して3歳では62%と差がついている。3歳新馬戦を1秒0差以上で勝った馬の次走では、単勝が人気を集めやすい傾向があるようだ。
牡牝別成績では牡馬の成績が優秀。一方の牝馬は、勝率では牡馬と差がないものの、2、3着が少ない傾向が見られる。単複の回収率が50%前後にとどまることを考えても、新馬戦を圧勝した牝馬の次走に関しては慎重な判断が求められそうだ。
クラス別成績
■表2 【クラス別成績】
継続騎乗・乗り替わりの成績比較
■表3 【継続騎乗・乗り替わりの成績比較】
芝・ダートの馬場比較
■表4 【芝・ダートの馬場比較】
基本的には新馬戦と同じ馬場を走る馬が多く、「新馬戦、次走ともに芝」「新馬戦、次走ともにダート」の好走率はどちらも非常に高い。しかし、「新馬戦:ダート→次走:芝」の場合は6戦で2着1回のみ。新馬戦を圧勝した馬であっても、異なる馬場で前走同様の走りを見せるのはなかなか難しいようだ。
前走との距離比較
■表5 【前走との距離比較】
人気別成績
■表6 【人気別成績】
前走人気別成績
■表7 【前走人気別成績】
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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