日本シリーズの次は都市対抗野球! 補強制度や応援合戦など見どころ満載
負けたチームから補強できる「独自ルール」
補強先のチームで2年連続Vの橘朋晃。今年は自チームで優勝なるか 【写真は共同】
現在は1チーム最大3名まで補強することができ、北海道、北信越、四国以外の本大会に複数の代表チームが出場している地区では第1代表から順に選手を指名する仕組みとなっている。実力のある選手は所属チームが予選で敗退しても補強選手として本大会に出場するケースが多く、日本製鉄かずさマジック(君津市)の橘朋晃が一昨年はJFE東日本(千葉市)、昨年はHondaと異なるチームから補強選手に選ばれ、いずれも優勝に大きく貢献している。今年も前述した日本生命、東芝など予選で敗退した強豪に所属している選手が多く補強選手に選ばれており、彼らの活躍が優勝の行方に大きく影響してくる可能性も高い。
大きな見どころの一つ「応援合戦」
都市対抗野球ではバラエティーに富んだ応援を見ることができる。なまはげが登場した年も 【写真は共同】
優勝候補筆頭は昨年VのHondaではなく…
三菱重工East(横浜市)、三菱重工West(神戸市・高砂市)もチーム統合によって選手層が一気に厚くなった印象だ。両チームとも経験豊かな投手を複数そろえているのが大きな強みと言える。1回戦屈指の好カードと言えるのが日本通運(さいたま市)とパナソニック(門真市)、NTT東日本(東京都)とトヨタ自動車(豊田市)の対戦だ。どのチームも全国大会では上位進出の常連であり、今年も安定した強さで予選を勝ち抜いてきた。1回戦の勝者が優勝争いに絡む可能性は高い。昨年優勝のHondaは、1年を通じて打線に元気がないのが気がかり。投手ではルーキーの片山皓心がエース格となっているが、昨年本大会で活躍した朝山広憲も故障からの復活途上であり、連覇への道は険しい印象を受ける。
中にはプロよりも高い技術を感じさせる選手も確かに存在しており、そんな高いレベルの選手たちが負けたら終わりの一発勝負で全力プレーを見せるというのが都市対抗野球の醍醐味である。今年も初冬の寒さを忘れさせるような大人の本気がぶつかり合う熱戦に期待したい。