選手の思いが詰まった夢の給食。創立30周年記念企画・アントラーズ給食実施!【未来へのキセキ-EPISODE 9】
【©KASHIMA ANTLERS】
「俺も行ってみたいなあ!」
童心にかえったように声を上げたのは遠藤康、土居聖真、荒木遼太郎の3選手だ。鹿島アントラーズ創設30周年記念としてホームタウン5市(茨城県鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市)の小中学校と市立の幼稚園、茨城県立鹿島高等学校附属中にて「アントラーズ給食」を実施することになり、今年6月、子どもたちに提供する給食メニューの企画会議を行なった。
遠藤 せっかくだから、普段はあまり給食で出ないメニューが出たらうれしいじゃん。
土居 たしかに。初めて給食で出るメニューなんて最高! もうイタリアンとかにします?(笑)
荒木 イタリアン、あり(笑)。
遠藤 ホームタウンはしらすが有名だからしらすパスタなんかいいよね。あとはスープ系?
荒木 ん? ミネス……?
遠藤 ミネストローネな(笑)。あと、ビビンバとかできないの?
土居 ビビンバ、給食で食べた気がする。
荒木 僕もビビンバを食べていましたよ。
遠藤 マジで?!
土居 じゃあ、イタリアンと、韓国料理と、中華。国で攻めればいいんじゃないですか?
こんな会話で盛り上がりながら企画会議は進み、ホームタウン5市それぞれの「アントラーズ給食」メニューが完成した。
鹿嶋市:チーズバーガー(丸パン、ハンバーグ、スライスチーズ)、牛乳、マカロニサラダ、コーンスープ
神栖市:ミルクパン、チキンソテー、しらすパスタ、さつまいもスープ、牛乳(ミルメーク)
潮来市:ごはん(潮来産)、ハンバーグきのこソース、カレーサラダ、コーンスープ
行方市:ビビンバ丼、海鮮チヂミ、ナムル、牛乳
鉾田市:ごはん、揚げ餃子、チンジャオロース、ワンタンスープ、牛乳(ミルメーク)
メニューを考案した3選手は、年代も出身地もバラバラ。東北出身の遠藤選手(宮城県)と土居選手(山形県)は牛乳と混ぜて飲む「ミルメーク」を推すも、熊本県で生まれ育った19歳の荒木選手にとっては未知の飲み物だったようだ。
土居 これこれこれ! ミルメークだ! 牛乳に入れるやつ。
遠藤 これ、おいしかった!
土居 ビンでちょっと飲んで減らして、スプーンみたいなので粉をよく入れていたなあ。
遠藤 うちの子は牛乳が嫌いなんだけど、ミルメークを入れると飲めるんだよね。だからこそ、うちらの考えるアントラーズ給食では牛乳にミルメークを入れたい!
土居 それ、いいっすね!
遠藤 あれ、おいしいよな!
荒木 えー、飲んでみたいなあ。
それぞれの“心の給食メニュー”を出し合い、ホームタウンの特産物も融合させたメニューを考案できるのもアントラーズ給食ならでは。学校では新型コロナウイルス感染症拡大により黙食などの感染対策が講じられているが、ホームタウンの子どもたちへ特別なメニューを用意した。
遠藤 アントラーズの選手企画だからね。特別な感じがしていい! 結構、選手は子どもが好きなメニューは大好きだから(笑)。ハンバーグとか、みんな好きだよね。
遠藤選手の言葉のように、3選手によって考案されたメニューは、どれも子どもが好きそうなものばかり。まさに、選手の思いも詰まった“夢の給食”となった。
10月4日、鹿嶋市立鉢形小学校で提供されたアントラーズ給食の様子。配布されたパンフレットと荒木選手の動画とともに記念撮影。 【©KASHIMA ANTLERS】
元来、アントラーズとホームタウンの小中学校と市立の幼稚園の交流は盛んに行なわれてきた。選手がシーズン中にホームタウンの学校を訪問し、スポーツ教室などを開催していた。しかし、依然として終息の見えない新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年から直接的な交流ができない状況となっている。
これまで30年間にわたる地域との関係、そのなかで貴重な接点となってきた施策を実施することができず、クラブも“リスタート”を余儀なくされた。この状況下でも、ホームタウンの子どもたちのために何かできないか。クラブ創設30周年に実現したアントラーズ給食は、そんなクラブの思いが一つの形となったものだ。
日常の生活にアントラーズを感じ、子どもたちが笑顔になる。この先の10年、20年、そして30年と、ホームタウンに夢と希望を与え続けるために、アントラーズは地域とともに歩み続けていく。
10月4日、鹿嶋市立鉢形小学校で提供されたアントラーズ給食の様子。黙食を守りながら、選手考案メニューを食べる子どもたち 【©KASHIMA ANTLERS】
10月4日、鹿嶋市立鉢形小学校で提供されたアントラーズ給食の様子。しかおと荒木選手による給食動画も上映された 【©KASHIMA ANTLERS】
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