バスケ界に新たな旋風を巻き起こす アルティーリ千葉の壮大な決意と挑戦

ホームタウン、JR千葉駅改札前にロゴを露出。新クラブの誕生をアピールした 【©アルティーリ千葉】

 これまでB1やB2においてクラブのビジネス規模を拡大すべく、さまざまな有名大手企業がBリーグのオーナーとして、または経営権を取得して経営参画を果たしてきた。今シーズン、その風がB3にも流れ込んできた。積極的な選手獲得でも話題になったアルティーリ千葉のクラブ創設の経緯から将来の構想も含めて、代表を務める新居佳英氏に話をうかがった。

バスケ界へのポテンシャルを感じてクラブ創設を決意

クラブ始動記者会見で挨拶する新居佳英代表 【©アルティーリ千葉】

 アルティーリ千葉は、東証一部上場企業である株式会社アトラエの子会社として創設された。そのアトラエといえば、IT業界では知名度の高い企業の一つであり、業績自体も右肩上がり。また、2019年にはサッカーJ2に所属する水戸ホーリーホックと資本業務提携を結ぶなど、スポーツ事業にも参入してきた経緯がある。では、なぜ今バスケットボールだったのか。さまざまな面でのポテンシャルがキーワードだったと新居氏は話す。
「(バスケ界への参入は)2019年あたりに実はお話をいただいてから検討を始めていました。その後、さまざまなご縁とタイミングにより、2020年には創設を決断した形です。興行、そしてエンターテインメントとしてもBリーグというものに相当な成長のポテンシャルを感じています。さらにバスケは競技人口の男女比率が5:5であり、年齢的な部分も20代以下が7割以上など、ビジネスという側面から見ても成長の余地が大きいと考えています。実は既存クラブに参画するという検討もありましたが、自分たちの信じるやり方と、自分たちが実現したいビジョンをもとに『0』からクラブ運営をしたいという思いから新規クラブ設立に至りました」
 近年では同業種からスポーツ界参入が多く見受けられる。「今回のクラブ創設にあたり、バスケットボール業界への参入は、特段意識をしていなかった」と話す新居氏。しかし、実はアトラエのウェブサイト内にある代表メッセージの中で「アスリートやアーティストといった人たちに対しての一種の憧れ」や「ビジネスの世界において、スラムダンクの湘北高校バスケ部のようなチームを創りあげたい」というスポーツやバスケに関連する言葉がつづられている。
「プロ野球やJリーグをはじめ、現在はBリーグでも多くのIT企業の参入に注目が集まっています。われわれも、IT企業の強みであるテクノロジーの積極活用も含め、今後スポーツ界の発展に貢献すべく取り組んで参りたいと思います。またアトラエを設立する上で、根幹となる組織に対する考え方はスポーツにおけるチームのあり方からもインスピレーションを受けていました。今回のクラブ創設はそういったスポーツにおけるチームのあり方への共感が一つのきっかけとなったことは間違いありません」
『0』からスタートする、その場所として彼らが選んだのが千葉県千葉市だ。決定するまでにさまざまな縁があった中で、ホームタウンとして最終的に決断した理由にはバスケットボール、さらにはBリーグの持つポテンシャルが大きく起因しているという。また、千葉市の人口の多さを鑑みても、ビジネス展開でも大きなチャンスが潜んでいるのだ。
「千葉県は18歳以下のバスケ人口が神奈川県に次いで2位であり、人口比率で考えると全国1位というバスケに慣れ親しんでいる県です。その中でも、100万人規模の都市であったにもかかわらずプロバスケクラブがなかったのが千葉市です。新B1のライセンス要件にも関わる平均観客動員数の部分を考慮しても、千葉市は十分なポテンシャルを秘めており、この場所でのクラブ創設を決断しました」

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