連載:海外サッカー動画アーカイブ

【動画】敵も味方も出し抜く天才グティ 想像の斜め上を行くバックヒール・アシスト

YOJI-GEN


“銀河系”と呼ばれた2000年代前半〜中盤にかけてのレアル・マドリーにおいて、生え抜きのMFとして異彩を放ったのがグティだ。

 感情の起伏が激しく、また練習嫌いでも知られた天才肌。グティを重用した名将ビセンテ・デル・ボスケは、「彼にラウール・ゴンサレスのような謙虚さがあれば、フットボールの歴史に名を残すほどの選手になっただろう」と評している。

 文字通りのセンスの塊は、フェルナンド・モリエンテスの長期離脱でFW起用された00-01シーズンにキャリアハイの14ゴールを挙げるなど得点感覚も備えていたが、なんといっても一番の魅力は、その左足から繰り出す発想力に富んだラストパスだろう。

 なかでも想像の斜め上を行くのが、ここに収録されている2本のバックヒール・アシストだ。

 ひとつ目は冒頭にある、05-06シーズンのホームでのセビージャ戦。相手DFのクリアボールを胸でトラップしたグティは、ゴールに背を向け、プレーを組み立て直す素振りを一瞬見せながら、ノールックでジネディーヌ・ジダンに球足の長いヒールパスを通している。

 足をクロスさせてパスを出した瞬間の顔の向きを見れば、彼が初めからこれを狙っていたことがよく分かるだろう。敵も味方も出し抜いて、してやったりのグティが、歓喜の輪とは反対方向に走って喜びを爆発させているのが印象的だ。

 もう1本が、マドリーでのラストシーズンとなる09-10シーズンの20節・デポルティボ・ラ・コルーニャ戦で、入団1年目のカリム・ベンゼマのゴールをお膳立てしたヒールパスだ(30秒〜収録)。

 1点リードで迎えた40分、左サイドからボールを持ち上がったカカが、ゴール前中央でフリーのグティに絶好のパスを送る。しかし、誰もがシュートと思った瞬間──GKのダニエル・アランスビアも尻もちをついている──、背番号14が選択したのはヒールパス。直後、後方からフォローしていたベンゼマが、なんなく無人のゴールにシュートを流し込んだ。

ジダンにも匹敵するパスセンスで、タレント軍団のマドリーにおいて貴重な存在であり続けたグティ。後ろに目があるとしか思えない2本のバックヒールは必見だ 【DUGOUT】

 これから2年半後の12年7月、トルコのベジクタシュでのプレーを経て現役生活に終止符を打ったグティ。引退後は指導者となり、マドリーの下部チームや19-20シーズンにはラ・リーガ2部アルメリアの監督を務めている。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着コラム

コラム一覧を見る

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(スポーツナビDo)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント