コロナ禍での東京パラリンピックが閉幕 ボランティアも感染対策に尽力
13日間にわたる熱戦に幕。東京パラリンピック閉会式は「Harmonious Cacophony(ハーモニアス カコフォニー)」のコンセプトのもと進んだ 【写真:ロイター/アフロ】
大会期間中、何度も訪れた国立競技場の目の前にあるのに、ホープ軒のラーメンを一杯も食べられなかったな、と。
コロナ禍で行われた前例のない東京パラリンピック。東京五輪同様、バブル下で行われた今大会は、メディアも基本的には会場とホテルの往復のみの行動で、食事も各会場内のフードサービスか、テイクアウトが基本だ。特に、海外からの選手・関係者には、東京パラリンピックだけでなく、観光(そんな余裕はないか)や、東京の食事も楽しんでほしかったが、それもかなわなかった。もちろん、医療体制がひっ迫している中、医療従事者の方々や、まず開催できたことに感謝をし、それ以上を望んではいけないだろう。
ただ、海外の選手・関係者に、1964年の東京五輪・パラリンピック以前から営業している(※当時は別の場所で営業)ホープ軒の背脂醤油味のラーメンを食べてほしかったなと、やはりモニターを見ながら思ってしまった。
メダルは目標に達せずも、リオから躍進
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日本勢前回リオパラリンピックから大きく躍進。五輪同様、メダルラッシュで日本を沸かせた 【写真:ロイター/アフロ】
コロナ禍の開催においては、スポーツの側面だけでなく、東京五輪も含め、大きなクラスターを発生させず、まずは無事に開催できたことをたたえるべきだろう。一方で、東京都では連日3000人前後の新規感染者を記録し、重症患者も300人に迫っている。そんな状況で開催された「東京パラリンピックは本当に成功だったのか?」という疑問も付いて回る。その答えはすぐに出ないかもしれない。ただ、それでもスポーツの結果だけでなく「多様性とは何か?」「共存社会とは何か?」を考える良いきっかけになったことは間違いないと思う。
多様性を考える上で、パラリンピックが果たす役割は大きい。大会期間中、パラスポーツを長年取材し続けている、スポーツライターの宮崎恵理さんにインタビューを行った。そこで聞いたのは「パラリンピックこそスポーツの本質が見える」という話だ。
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アンドリュー・パーソンズIPC(国際パラリンピック委員会)会長が閉会式のスピーチで発した「スポーツは私たちに多様性の中の調和を見せてくれた」というコメントにもあるように、スポーツを通じたメッセージが少しでも世界に伝わったなら、コロナ禍での東京パラリンピック開催の意義はあったのかもしれない。