バド杉野明子、大ケガ乗り越えつかんだ銅 メダルが最高の回復薬 最終日もう1個へ

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パラ初採用となったバドミントンで銅メダルを獲得した杉野 【写真は共同】

「しっかりと勝ち切ってメダルを取れたということに、うれしいという気持ちとホッとした気持ちがあります」

 東京パラリンピックで初採用されたバドミントンでメダルを取る。杉野明子(ヤフー)はその目標を掲げ、女子シングルス(上肢障害SU5)の3位決定戦に挑み、1次リーグでも対戦した亀山楓(高速)との日本人対決をゲームカウント2-1で制し銅メダルを獲得した。

 パラリンピック出場が内定した時も「ホッとした」とコメントしていた杉野。その背景には、この舞台、そして表彰台にたどり着くまでに多くの困難があったからだろう。

混合ダブルスは“ほぼぶっつけ本番”

 生まれつき左腕に障がいがあり自由に動かすことができない杉野は、中学時代にバドミントンを始めた。最初は健常者とプレーをしていたが、大学時代にパラバドミントンに出会う。

 その後は数々の大会で実績を残し、2017年世界選手権では女子ダブルスで金メダルを獲得した。東京パラリンピックでも活躍が期待されたが、18年11月に左膝のじん帯を断裂する大ケガを負い、半年以上コートを離れたことで、日本代表の選考レースにも影響が出た。

 復帰後は、パラリンピック出場のレギュレーションも加味して20年1月に混合ダブルスのペアを変更。延期前の東京パラリンピック開催半年前というタイミングでの変更で、その後はコロナ禍で大会も少なく、藤原大輔(ダイハツ工業)と組む混合ダブルスに関しては、ほぼぶっつけ本番で挑んだと言っても過言ではない。大会前に混合ダブルスについて尋ねると、「パラリンピック前の合宿で詰めていくようなイメージです」と語っていた。

 このような困難を乗り越えてのメダル獲得だからこそ、「ホッとした」という言葉がまず出てきたのだろう。

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