唐沢と和田、伴走者との信頼でWメダル 泣いた給水も“神業”で打開

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唐沢を鼓舞し続けた伴走者

唐沢の伴走者、茂木さんは「ラスト、勝負行こう!」と鼓舞し続けた 【写真は共同】

 銀メダルを獲得した唐沢も、目標の金には届かなかったが、自分の納得できるレースをできた。レース後には「何日も前から緊張していて、けっこうヤバかった(笑)」と明かしたが、そんな素振りはみじんも感じさせず、堂々と走りきった。記者に率直な感想を聞かれると、「悔しい気持ちはありますが、いま出せる力を全て出しきっての2位なのでうれしいです」と笑顔で答えた。

 伴走者の小林光二さんも「3、4番手に楽につかせてあげることしか考えていなかった。位置取りは良かった。接触が怖かったのと、割込みに気を付けて、唐沢さんに伝えながらレースを進めた」と、想定通りのレース展開で進められたとに充実感を持っていた。

 もう一人の伴走者の茂木洋晃さんも「小林さんがガイドをしている4000メートルまで(他の選手の)様子をうかがっていた。前の選手が(ペースが)落ちていて、苦しそうだったので、ラスト400メートルで仕掛けられると思った」と語り、「ラスト、勝負行こう!」「トップ行けるぞ」とレース中に声を掛けたという。

 和田と唐沢、それぞれが納得のいくレースで、陸上競技でのメダル1号・2号を獲得した。金メダルはこのあとの種目で目指すことになる。しかし、金メダルを獲得したエウツィン・ジャケス(ブラジル)は1500メートルとマラソンにも出場し、同2種目に出場する和田と、1500メートルに出場する唐沢のライバルとして、また立ちはだかるだろう。その壁を乗り越えて、表彰台で金メダルを掲げる姿を見せてほしい。

(取材・文:細谷和憲/スポーツナビ)

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