ASデュエット乾・吉田組は無念の4位 ウクライナとの「銅」争いを青木愛が解説

C-NAPS編集部

乾・吉田組は日本勢2大会連続となるメダル獲得を目指すも、ウクライナに届かず4位となった 【写真は共同】

 東京五輪アーティスティックスイミング(AS)・デュエット決勝のフリールーティンが4日に行われ、日本からは乾友紀子(井村ク)・吉田萌(ザ・クラブピア88)組が出場。94.4667点で前日のテクニカルルーティンの得点(93.3499点)との合計が187.8166点の4位に。3位で189.4620点のウクライナとは1点差以上離される悔しい結果となった。

 乾・三井(梨紗子)組で銅メダルに輝いたリオデジャネイロ大会に続く、同種目2大会連続のメダル獲得を目指したが、近年躍進を続けるウクライナの後塵を拝した日本。試合後のインタビューでは乾が「チームに向けて、しっかり切り替えたい」と力強いコメントを残しつつ、ペアの吉田をフォローし、6日に行われるチーム・テクニカルルーティンに向けて雪辱を誓った。

 メダル獲得に向けて大きな期待が高まる中、なぜ日本の乾・吉田組はウクライナのペアとの「銅」争いに敗れたのか。元アーティスティックスイミング日本代表で、2008年北京五輪ではチーム種目で5位入賞を果たした青木愛さんに勝負の分かれ目を解説してもらった。

実力に加えて結果を大きく左右した“演技順”

メダルには届かずも、ロボットから人間への「進化」の過程を表現する美しい演技を披露した乾・吉田組 【写真は共同】

 日本はアーティスティックスイミングにおいて、伝統的に技術面が評価されている国です。2大会連続でメダルを獲得するためには、実力が抜けているROC(ロシアオリンピック委員会)と中国は仕方ないとして、テクニカルルーティンの時点でウクライナより上もしくは点数を縮めたかったのが本音ですね。テクニカルルーティンを3位で終えていたり、もう少し点差が縮まっていたりする状況でフリールーティンを迎えられていたら、異なる結果になったかもしれません。

 フリールーティンでは日本の前にウクライナが素晴らしい演技をして95.6000点の高得点をたたき出しましたね。アーティスティックスイミングには採点競技ならではの難しさがあります。陸上や競泳のように「機械」でタイムを計測するのとは異なり、あくまで「人」が採点しています。イメージや印象の部分に多少なりと採点が左右される部分はあるでしょう。

 そのため、採点にも演技順の影響はあったかと思います。前の組の出来と比較して点数をつけられることで、期待されていた点数がつかないこともあるのです。今回、演技順はウクライナが10番目、日本が11番目でした。ライバル同士であるこの2つの国が並んだことは、少なからず点数に影響は出ていたと思います。

 また、五輪初出場の吉田選手には、特に大きなプレッシャーがかかっていたのだと想像します。実際に表情も少し硬めでしたし、演技にも多少なりとその緊張感が表れていましたね。8人で演技するチームとは異なり、2人だけのデュエットではどうしても硬さがあると目立ってしまいがちです。実力、経験、実績のいずれも上の乾選手とペアを組み、偉大な先輩に食らいつくことは決して簡単なことではなかったでしょう。

 一方のウクライナは、今回のデュエットで銅メダルを獲得するまで、五輪のアーティスティックスイミングではメダル獲得経験のない国でした。以前までは演技にも粗が目立つ印象でしたが、近年は技術力を大幅に向上させています。特に両脚を水面から出した状態での演技は難易度が高いのですが、難なくこなしていましたね。実際に今回のフリールーティンでは日本と1点以上の差がありましたし、その実力は誰もが認めるところでしょう。

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ビジネスとユーザーを有意的な形で結びつける、“コンテキスト思考”のコンテンツマーケティングを提供するプロフェッショナル集団。“コンテンツ傾倒”によって情報が氾濫し、差別化不全が顕在化している昨今において、コンテンツの背景にあるストーリーやメッセージ、コンセプトを重視。前後関係や文脈を意味するコンテキストを意識したコンテンツの提供に本質的な価値を見いだしている。

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