侍ジャパン、投打の布陣を予想 ポイントは「1番」と「山本由伸の起用法」

中島大輔

「金メダルを獲得できるメンバー」

東京五輪に挑む24人のメンバーを発表した侍ジャパン・稲葉監督 【写真は共同】

 野球日本代表「侍ジャパン」の“集大成”と位置付けてきた東京五輪の内定選手24人が6月16日、稲葉篤紀監督から発表された。

「このメンバーなら金メダルを獲得できるというメンバーをみんなで考えました」

 五輪の野球では2008年北京五輪以来となる開催で、悲願の金メダルに向けて稲葉監督がポイントに挙げたのは「スピード&パワー」だ。

「監督就任時から掲げてきたスピード&パワーに変わりはありません。それを具現化してくれる選手たちだと思います」

 24選手のうち14人が2019年プレミア12の優勝メンバーで、初選出は6人。森下暢仁、栗林良吏(ともに広島)、栗原陵矢(福岡ソフトバンク)はアンダーカテゴリーで日の丸を背負った経験がある。東京五輪では3チームによる1次リーグ、変則方式の決勝トーナメントは負ければ日程的に厳しくなり、目の前の一戦を確実にとっていくことが金メダルへの道のりだ。

上位・下位も切れ目のない打線の完成

 今回選ばれた24人には菅野智之、坂本勇人(ともに巨人)、源田壮亮(埼玉西武)など今季戦線離脱していたメンバーも含まれるが、選出理由について稲葉監督はこう説明した。

「オリンピック本番で勝つために選手の状態を含めて熟慮しました。最適な組み合わせだと私は思っています。状態に関してはまだ1カ月ありますから、今、状態が良くない選手でも必ず上げてくれると信じています。これまで監督になって選手の姿をいろいろ見てきた中で、『この選手とオリンピックを戦いたい』と強い思いを持った選手たちです。信じてオリンピックを迎えていきたい」

 果たして、本番で稲葉監督はどういうメンバーで戦うのか。基本となる先発メンバーを予想してみた。

1(中)柳田悠岐(福岡ソフトバンク)
2(二)菊池涼介(広島)
3(指)吉田正尚(オリックス)
4(右)鈴木誠也(広島)
5(三)村上宗隆(東京ヤクルト)
6(一)浅村栄斗(東北楽天)
7(左)近藤健介(北海道日本ハム)
8(遊)坂本勇人(巨人)
9(捕)甲斐拓也(福岡ソフトバンク)

2015年にトリプルスリーを達成するなど、攻撃力・走力ともに高い能力を有する柳田が1番に座ることで、相手ピッチャーへのプレッシャーも高くなるだろう 【Getty Images】

 打線のポイントは、けん引役となる1番に誰を置くかだ。2019年プレミア12の開幕直前に故障で離脱するまでは秋山翔吾(現シンシナティ・レッズ)が起用されることが多かったが、これ以上ない“核弾頭”が柳田だろう。柳田を1番に据える可能性について稲葉監督は過去にインタビューで明かしており、この日の会見では「スピード&パワーを具現化してくれる中心選手」と話した。さらに「1番から4番を任せられる力を持っている」と評したが、長打と足を兼ね備える柳田をリードオフマンにすることで、今季好調の2番・菊池、3番・吉田の持ち味もより発揮されやすくなる。

 4番には「プレミア12でも勝負強さを発揮してくれた」という鈴木が座り、21歳の長距離砲・村上が5番に入る。下位打線も切れ目がなく、上位打線にまるで引けを取らない破壊力だ。山田哲人(東京ヤクルト)が控えに回るが、菊池や浅村の状態によっては入れ替えこともあるだろう。2019年プレミア12の決勝・韓国戦では決勝点となる逆転本塁打を放つなど、勝負強さを備える山田の起用法もポイントになりそうだ。

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著者プロフィール

中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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