札幌芝1500m戦の傾向は?
【2020/9/5 札幌5R 2歳新馬 1着 9番 シュネルマイスター(1番人気)】
馬番別成績(14頭立て)
■表1 【馬番別成績(14頭立て)】
そこで、同コースのフルゲート14頭立てで行われたレースについて馬番別の成績を調べたものが表1である。馬番2番が群を抜く連対率22.8%をマークするなど内の1〜4番の好走確率が高く、一見するとやはり外よりは内のほうが良さそうにも見える。しかし一方で、外の13番が勝率・連対率で3位タイ、そして12〜14番はいずれも複勝率20%以上。また、上位5番人気以内にかぎった成績でも13番や14番の複勝率が高く出ているように外枠も決して悪くはないため、コース形態に惑わされないよう注意したい。
人気別成績(13〜14頭立て)
■表2 【人気別成績(13〜14頭立て)】
そして4〜7番人気は好走確率に大差がなくほぼ横並び。そのため4〜7番人気の中では平均配当が低くなる4番人気の回収率が低く、平均配当が高い7番人気は単複とも回収率100%以上。6番人気も単複回収率84%とまずまずの結果を出しており、1〜2番人気以外ならこの6〜7番人気あたりの穴馬を狙うのがおもしろそうだ。
種牡馬成績(着別度数順)
■表3 【種牡馬成績(着別度数順)】
そして、続く4位に食い込んだのがハーツクライ。ロジクライ(富士S)などマイル以下を主戦場にする馬もいるとはいえ、産駒全体としては1500m向きという印象は受けない種牡馬である。しかしこの表3では3着内率トップの40.4%。そして単複の回収率も164%・127%と優秀だ。ただ牡・セン馬【0.5.3.13】、牝馬【6.3.6.21】と、牝馬しか勝っていない点には注意したい(3着内率はともに40%前後)。
騎手成績(着別度数順)
■表4 【騎手成績(着別度数順)】
ほかに福永祐一騎手や横山典弘騎手も好走確率が高く、特に横山典弘騎手は単複回収率100%以上。その横山典弘騎手の成績を単勝オッズ別にみると、1倍台【4.1.1.0】複勝回収率111%、2〜6倍台【1.1.1.10】同40%、7倍以上【5.2.3.14】同129%。断然人気馬以外なら、やや穴っぽい馬で狙いたい。
ただ冒頭にも触れたように今年は変則開催のため、1回札幌(6月27日まで)に参戦するジョッキーの顔ぶれも例年とは違ってくるだろう。そこで今年の開幕週に騎乗していた騎手の中から、団野大成騎手を挙げたい。2019年デビューで2年間の参戦ながら3勝、2着5回。連対率34.8%は上位騎手に引けを取らず、10番人気馬で勝利を挙げるなど単複の回収率も非常に高くなっている。今年も要注目の存在となりそうだ。
以上、札幌芝1500m戦についていくつかデータを拾ってみた。まず覚えておきたいのは、外枠を引いた馬でもコース形態から受ける印象ほどは不利にならないこと。人気別では3〜5番人気の回収率が低いため、1〜2番人気を軸にしつつ6〜7番人気あたりの穴っぽい馬を拾っていくのが良さそうだ。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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