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【動画】これぞ究極のワンタッチゴーラー!
リネカーがクラシコで決めたハットトリック


 1986年のメキシコ・ワールドカップ(W杯)で6ゴールを挙げ、大会得点王に輝いたイングランド代表FW、ガリー・リネカー。一躍世界に名を轟かせたストライカーを、その夏にエバートンから引き抜いたのが、スペインのバルセロナだった。


 前シーズン(85-86シーズン)のチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)決勝でルーマニアのステアウア・ブカレストに苦杯を舐めたバルサは、悲願の欧州制覇のために絶対的なエースを必要としていた。W杯での栄光以前に、レスターとエバートンで2年連続イングランド・リーグ得点王に輝いていたリネカーは、その意味で申し分のないタレントだったのだ。


 しかし結局、バルサ在籍3シーズンで、リネカーは欧州制覇どころか、国内リーグ優勝さえ一度ももたらせなかった。最終年の88-89シーズンは、新監督に就任したヨハン・クライフにセンターフォワードではなくウイングで使われ、リーグ戦わずか6ゴール。バルサ時代の印象は、決してポジティブなものではないだろう。

 それでも、当時20代半ばとプレーヤーとして脂の乗り切っていたリネカーは、ピッチに立てば「ザ・ストライカー」というべき抜群の決定力を見せつけた。


 とりわけ印象深いのが、1年目のエル・クラシコ(87年1月31日)でやってのけたハットトリックだ。その3つのゴールは、いずれも点取り屋としての天性のセンスを感じさせるものだった。


 とりわけ、リネカーらしさが凝縮されていたのが、最初の2つのゴールだ。開始わずか2分、ビクトル・ムニョスの右からのクロスに、スライディングしながら右足で合わせた1点目、その3分後、相手GK が弾いたシュートのこぼれ球を押し込んだ2点目(25秒〜収録)は、まさに“究極のワンタッチゴーラー”の真骨頂だろう。


 仕上げの3点目は、47分。GKアンドニ・スビサレータのパントキックに鋭く反応し、相手DFのクリアミスを突いて、まんまとゴールを陥れている(52秒〜収録)。この抜け目のなさ、そしてチップキックでGKをかわした冷静なフィニッシュも特筆に値する。


 その後、マドリーに2点を返されたが、3-2でなんとか逃げ切ったバルサ。エミリオ・ブトラゲーニョ、ウーゴ・サンチェスら豪華タレントを擁し、このシーズンもリーガを制することになる宿敵に、一矢を報いている。

バルサ加入1年目のエル・クラシコでハットトリックの快挙。巧みなポジショニングから抜け目なくゴールを奪うセンスはさすがだった
バルサ加入1年目のエル・クラシコでハットトリックの快挙。巧みなポジショニングから抜け目なくゴールを奪うセンスはさすがだった【DUGOUT】

 結局リネカーのバルサ1年目は、H・サンチェスに次ぐ得点ランク2位の20ゴール。最後は不本意な形でスペインを去ることになったが、母国に戻った89-90シーズンには、トッテナムで自身3度目のリーグ得点王を獲得するなど、彼の全盛期はもうしばらく続くことになる。


 残念ながら、92年に当時のJリーグ最高年俸(約3億円)で移籍した名古屋グランパスでは、思うような活躍はできなかった。それでも、もし長引く故障がなければ、そしてもし、名古屋にこの世界屈指のワンタッチゴーラーを生かせる人材がいれば、おそらくその晩年は、もう少し輝かしいものになっていたはずだ。

YOJI-GEN

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