無敗馬は不在でこちらは混戦!? NHKマイルCを占う
【2020/12/20 阪神11R 朝日杯フューチュリティステークス(G1) 1着 2番 グレナディアガーズ】
過去10年のNHKマイルC好走馬
■表1 【過去10年のNHKマイルC好走馬】
一方、人気面は度外視して「3着以内が期待できる軸馬は何か」と考えた場合、注目したい実績がある。それは2歳の芝マイルG1での好走実績だ。朝日杯フューチュリティSか阪神ジュベナイルフィリーズで3着以内に入っていれば有力馬になる。11年はグランプリボスとリアルインパクト、12年はアルフレード、15年はクラリティスカイ、16年はメジャーエンブレム、17年はボンセルヴィーソ、19年はアドマイヤマーズ、20年はレシステンシアが該当。過去10年中7年でそうした馬が馬券に絡んでいる。基本的には上位人気に支持されて当然の実績馬だが、クラリティスカイは3番人気、ボンセルヴィーソは6番人気だった。G1・3着馬は意外と人気の盲点になるようだ。
2歳時の芝1600m重賞の実績はG1以外も軽視できない。15年ミュゼスルタンと16年ロードクエスト、19年ケイデンスコールは新潟2歳Sの勝ち馬だった。12年クラレントはデイリー杯2歳Sを勝っていた。また、この4頭は前走1800m以上の重賞を走っていたというのも大きなポイント。前走皐月賞路線のレースに出ていた場合は、多少前走着順が悪くても問題はなく、巻き返してくる可能性があるとみたい。
2歳時だけでなく3歳時の重賞実績ももちろん重要だ。具体的には芝1400〜1800mの重賞で連対実績があればチャンスはある。また近年ではレッドヴェイロン、カテドラル、ギルデッドミラーとアーリントンC3着以内馬がよく走っている。18年に同レースの施行時期が4月に移行し、本番との間隔が短くなったことが影響しているのかもしれない。16年以前はミッキーアイル、レインボーラインとアーリントンCの勝ち馬が好走している。
その他ではファルコンSやニュージーランドトロフィー、毎日杯などの連対馬が有力だ。これらの実績馬をすべて買うのは数が多くなりすぎて厳しいが、無敗や連勝中といった馬は必ずマークしたい。12年カレンブラックヒルと15年アルビアーノはデビューから無傷の3戦3勝で、13年インパルスヒーローは前走ファルコンSを含めて3連勝中、14年ミッキーアイルは重賞2勝を含め4連勝中だった。
最後に大穴を狙うのであれば、過去に芝1400〜1800mのオープン特別を勝っている馬に注意したい。13年のマイネルホウホウはジュニアC、フラムドグロワールはいちょうSを勝っていた。14年タガノブルグは前走橘Sを勝ち、20年ラウダシオンはクロッカスSともみじSを勝っていた。この4頭は8番人気以下ながら激走を果たしたのだ。
今年のNHKマイルC出走予定馬
■表2 【今年のNHKマイルC出走予定馬】
【結論】
今年のアーリントンCの上位馬はホウオウアマゾン、リッケンバッカー、レイモンドバローズ。どうしても勝ち馬にばかり目がいくが、近年は2〜3着馬が本番で馬券に絡んでいるので要警戒。
今年に入り芝1400〜1800mの重賞で連対した馬は、グレナディアガーズやアーリントンC連対馬以外ではタイムトゥヘヴン、バスラットレオン、ピクシーナイト、ルークズネストが該当。無敗や連勝中の馬はいないので強く推奨はできないが、シンザン記念2着→ファルコンS1着と続けて重賞で好走しているルークズネストを上位で取り上げてみたい。
ショックアクションは昨年の新潟2歳Sを勝っているが、前走ファルコンSで10着と敗れている点がどうか。それならば芝1400〜1800mのオープン特別で勝利実績があるアナザーリリックやソングライン、ヴェイルネビュラの一発を警戒してみたい。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ