オスカル&アリアドナ、ミンゲサ兄妹が成し遂げた偉業

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【(C)FC Barcelona】

フットボールの世界において、一つの家系が複数のプロ選手を輩出する例は珍しいものではない。有名なところでは、ヘント=ジョレンテ家やクライフェルト家などがそうだ。兄弟選手の共演もしかり。今季のラ・リーガ・サンタンデールでもナチョ(レアル・マドリー)とアレックス(カディス)のフェルナンデス兄弟が同じピッチに立っている。過去にはチアゴとラフィーニャのアルカンタラ兄弟、ジオバニとジョナタンのドスサントス兄弟、フランクとロナルドのデブール兄弟らもいた。

だが男と女の兄妹(もしくは姉弟)が同じ時期にトップリーグで、それも同じクラブでプレーすることは滅多にない。その点、オスカルとアリアドナのミンゲサ兄妹が実現した偉業は、極めて稀な例だと言える。男女共に国内外でタイトルを狙えるビッグクラブのバルセロナにて、2人は恐れることなく人生最大のチャンスを掴み、同じシーズンにトップチームデビューを果たしただけでなく、それぞれの監督の信頼を勝ち取ることに成功している。

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先に頂上にたどり着いたのは兄のオスカルだ。DFラインに離脱者が相次いだ際、トップチームのロナルド・クーマン監督はBチームに目を向け、21歳のディフェンダーにチャンスを与えた。プレベンハミン(8歳以下)のカテゴリーからバルセロナでプレーしてきた彼のデビュー戦は昨年11月24日、4ー0で大勝したチャンピオンズリーグのディナモ・キエフ戦だった。

この試合後クーマンが「彼は我々の戦力になり得ることを証明してくれた」と言っていた通り、その後オスカルは30試合以上も起用されてきた。さらに3月15日のウエスカ戦では初ゴールを記録し、4月10日のエル・クラシコでもチーム唯一のゴールを挙げている。

オスカルが初ゴールを記録する9日前、アリこと妹のアリアドナは、わずか17歳にしてバルセロナ・フェメニーナのトップチームデビューを果たした。バルセロナの下部組織生え抜きの彼女は、兄と同様にサンタテレサとのデビュー戦を勝利で飾っている。兄妹で男女のトップチームに上り詰めたのはバルセロナ史上初の出来事であり、スペインフットボール界全体においても数少ない快挙だった。

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ミンゲサ兄妹の成功は極めて稀ながら、唯一のケースではない。数年前にはマルクとマルタのトレホン兄妹が共にエスパニョールのトップチームでプレーしている。その後マルタはスペイン代表に定着し、現在はバルセロナの一員としてエスパニョール時代と同様に多くのタイトルを手にしている。

現在はフロリアンとユリアネのヴィルツ姉弟がレバークーゼンのトップチームに所属。2014年にはラジャ・ナインゴランが双子の姉リアナと共にローマに入団している。またイタリアではマノロとメラニアのガッビアディーニ姉弟が揃ってフル代表でプレーしているが、2人は同じクラブに所属することはなかった。オーストリアのルイス&キアラ・シャウブ兄妹、ナイジェリア出身のエニオラ&ソネ・アルコ姉弟、ドイツのルーカス&リサ・クロスターマン兄妹も同様のケースに当たる。

長いフットボール史においても、男女の兄妹が揃ってトップカテゴリーでプレーした例は数えるほどしかない。その事実は、ミンゲサ兄妹がいかに難しい成功を成し遂げたかを物語っているといえよう。

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