過去2年、3歳初戦の馬が連覇した皐月賞をデータから占う
【2021/2/14 東京11R 共同通信杯(G3) 1着 7番 エフフォーリア】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
デビュー月別成績
■表2 【デビュー月別成績】
キャリア別成績
■表3 【キャリア別成績】
前走距離別成績
■表4 【前走距離別成績】
前走着順別成績
■表5 【前走着順別成績】
4角通過順別成績
■表6 【4角通過順別成績】
予想をするうえでは、前走における4角通過順も参考になりそうだ。順に見ていくと、前走4角1番手の成績があまりよくなく、これは先に見た今走4角1〜2番手の不振という傾向にもリンクする部分。同様に、前走4角10番手以下も18頭で2着1回だけと苦しい。好走例が多く、好走率も高いのは、前走4角2番手、3〜4番手、7〜9番手といったところだ。
12〜19年の皐月賞1〜3着馬とその前走
■表7 【12〜19年の皐月賞1〜3着馬とその前走】
まず、18年までは前走が同年1800m(共同通信杯、スプリングS、毎日杯など)の馬が7連勝。そして、前走が同年2000m(弥生賞、若葉Sなど)の馬が2着に入るケースが多かった。この傾向に変化が見られたのは19年のことで、前年末のホープフルS以来となったサートゥルナーリアが史上初めて3歳初戦で皐月賞を勝利。翌20年にもコントレイルが同じローテーションで三冠への第一関門を突破し、2着にも朝日杯FS以来のサリオスが入った。年明け初戦で好走した3頭はいずれも2歳G1を制していることで共通する。ただ、今年は休み明けで出走する2歳G1馬はおらず、むしろ18年までの様相に近いとも考えられる。このあたりを踏まえて、今回のデータ分析の結論を述べたい。
【結論】
まず焦点となりそうなのが、3歳初戦で出走する馬の3連覇はなるか、ということ。前述したオーソクレースの回避により、今年該当するのは朝日杯FS以来のレッドベルオーブだけとなる。表4の項目で述べた通り、前走1600mは4頭で2着2回と悪くない臨戦。惜しむらくは前走3着という勝ち切れない条件に合致する点だが、好走の資格は持ち合わせているのではないか。
もし3歳初戦馬による3連覇がないとみれば、18年までのように前走1800m出走馬を重視する手は考えられる。そこで浮かび上がってくるのが、共同通信杯1着のエフフォーリアとスプリングS1着のヴィクティファルス。特にエフフォーリアは10月までにデビューを済ませ、キャリア3戦、前走4角3番手と好条件が揃う。
前走2000m出走馬で注目度が高いのは、やはりホープフルS1着のダノンザキッドだろう。今年は弥生賞ディープインパクト記念を使って3着。タラレバでいえば直行したほうが各種データで好材料が揃っていた感はあるのだが、とはいえ致命的なデータに抵触するわけではなく、巻き返しの可能性はあるだろう。むしろ、このレースを4角1番手から制したタイトルホルダーのほうが脚質面で不安かもしれない。ほかに、今年は2000mで行なわれたきさらぎ賞で1着のラーゴムと同2着のヨーホーレイク、若葉S1着のアドマイヤハダルの3頭も、明らかな弱点がない馬として名前を挙げておきたい。
一方、京成杯1着のグラティアスはキャリア2戦、昨年の朝日杯2着のステラヴェローチェは前走5着、すみれS1着のディープモンスターは前走2200mと、それぞれ好走例がない条件に合致。今回の分析結果からは推しづらいものの、いずれ劣らぬ実力の持ち主だけにデータを覆す走りを期待したい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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