「99試合の歴史」 クボタスピアーズ トップリーグ2021 第5節 マッチプレビュー

チーム・協会

【【クボタスピアーズ(ラグビー)】トップリーグ2021第5節 マッチプレビュー】

入団9年目となる立川主将は今節100試合目

クボタスピアーズのクラブハウスを、一歩中に入ると、そこには歴史と現在が交差する。

活気よく選手やスタッフが挨拶を交わすエントランスには、歴代ユニフォームが飾られ、各シーズンの体制と入団・退団選手が記された40年以上に渡るクラブの歴史が刻まれている。

エントランスを抜けて、二階に上る階段には、これまでにチームが戦ってきた試合写真がいくつも飾られている。

2階にはミーティングルーム。

選手たちは、次の戦いの策を練るこのミーティングルームを目指す過程で、自然とチームの歴史に触れながら階段を上がる。

その階段の中腹あたりに懐かしい写真があった。

クボタスピアーズクラブハウスに飾られた写真 【【クボタスピアーズ(ラグビー)】トップリーグ2021第5節 マッチプレビュー】

試合後の嬉しそうな選手を写した一枚。

写真の中には現スピアーズコーチのソアカイコーチや高野コーチの姿も。
この写真で、現在もスピアーズで続けているのは、左側上部に写る杉本選手、そして立川選手だ。

この光景は、2013年1月20日、クボタスピアーズがトップリーグ昇格を決めた試合後の一枚だ。
相手は本節と同じ相手、三菱重工相模原ダイナボアーズ。

クボタスピアーズは2011-12シーズンから2012-13シーズンを下部リーグで過ごした。
その下部リーグ時代に入団したのが、杉本選手と立川選手だ。

この写真の試合から8年2か月が過ぎた。

ルーキーだった立川選手は31歳となり、あと1試合でクボタスピアーズ公式戦出場回数100試合を迎える。

トップリーグに昇格したくて必死だったスピアーズは、優勝を目指して最後のトップリーグを戦っている。

クボタスピアーズという歴史において、立川選手の戦った99試合は大きな変化点にあったといえる。

そして今シーズン、チームはこれまでのなかでもっとも躍進しているシーズンとなっている。

そんな状況においても、当の立川選手は、
「一戦一戦戦うこと」
「チーム全員で戦うこと」
に重きを置く。

そう発言するさまざまな要因の一つに、チームの歴史を築いてきた99試合の経験によるものもあるのかもしれない。

決して順風満帆ばかりではなかったはずだ。
勝てる試合もあったが負ける試合もあった。
常に第一線で戦い続け、期待されるが故の苦労もあったはずだ。
だからこそ、先を見ず目の前の一戦一戦を戦うことの重要性や、チーム一丸となって試合に挑む大切さがわかるのではないか。

そうして戦い続けてきた99試合があるこそ、現在の立川選手、そしてクボタスピアーズがある。






熟練と勢いのバランスが絶妙なアメージングなラグビーに期待

そんな下部リーグ時代では、よく対戦もあったvs三菱重工相模原ダイナボアーズ戦だが、今回のスピアーズのメンバーは、どんな試合になるのか楽しみなメンバー構成になっている。

スクラム・ラインアウトが強みのひとつでもあるクボタスピアーズ。
そこで活躍する熟練のフォワード主力選手をそのままに、タイトヘッドプロップ(3番)にルーキーの山本選手が大抜擢。外国人負けしないサイズと体の強さ、そしてランプレーで、特に中盤からゴール前にかけての連続攻撃において、勢いを生み、これまでとは違った展開を与えてくれるはずだ。

そして、6番のマキシ選手にも注目。
ディフェンスやブレイクダウンの攻防、モールでの地味なプレーなど若いながら、スマートでなんでもこなす選手だが、この試合では彼の突破力を期待したい。
レギュラー争いが熾烈な、今シーズンの第3列(フランカー、No.8)において、自らをアピールするパフォーマンを見せてくるはずだ。

また、バックスでは岸岡選手が10番に入り、どのような展開を見せるかも注目したい。
もし雨が降った場合はフォワードによる接近戦が定跡となるが、岸岡選手のクボタスピアーズデビュー戦となったプレーシーズンマッチvs釜石シーウェイブス戦では、雨天のなかグラウンドを大きく使い、相手の隙をつくプレーでトライを奪った。また岸岡選手と同期の11番山崎選手、15番金選手のルーキー3人が9番井上選手、12番クロッティ選手、13番テアウパ選手選手、14番ゲラード選手など世界でもプレー経験のある熟練選手たちとどのような勢いを作りだし、スコアを生むかも楽しみ。特に11番山崎選手は前節デビューとなったが、本来の彼の持ち味を出せていなかった印象。今節での爆発に期待したい。

そして、リザーブメンバーにはインパクトも与えることも、ゲームのペースを作ることもできる経験豊富なメンバーが入っている。22番フォーリー選手、23番立川選手がリザーブにいるのは心強い。

そんな80分を通して楽しめるクボタスピアーズvs三菱重工相模原ダイナボアーズは3月28日(日)12時キックオフ。

今シーズンから新たにクボタスピアーズのホストスタジアムとなった江戸川区陸上競技場で開催。

これからのクボタスピアーズの軌跡となる1試合1試合をお見逃しなく。



文:クボタスピアーズ広報 岩爪航
写真:チームカメラマン 福島宏治

ボールを持って突破する山本選手 【【クボタスピアーズ(ラグビー)】トップリーグ2021第5節 マッチプレビュー】

岸岡選手のクボタスピアーズデビュー戦は雨中のプレシーズンマッチvs釜石シーウェイブス戦 【【クボタスピアーズ(ラグビー)】トップリーグ2021第5節 マッチプレビュー】

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著者プロフィール

〈クボタスピアーズ船橋・東京ベイについて〉 1978年創部。1990年、クボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市のクボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備。2003年、ジャパンラグビートップリーグ発足時からトップリーグの常連として戦ってきた。 「Proud Billboard」のビジョンの元、強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っている。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23では、創部以来初の決勝に進出。激戦の末に勝利し、優勝という結果でシーズンを終えた。 また、チーム強化だけでなく、SDGsの推進やラグビーを通じた普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進している。スピアーズではファンのことを「共にオレンジを着て戦う仲間」という意図から「オレンジアーミー」と呼んでいる。

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