金丸、月間MVPと3Pコンテスト“W受賞” 今年はリーグV「狙えるんじゃないかな」

大島和人

アヴィにシュートを「みられているのかな?(笑)」

日本郵便のキャラクター「ぽすくま」のぬいぐるみを持って笑顔でインタビューに答えてくれた 【スポーツナビ】

――今季の三河は桜木ジェイアール選手が引退して、先ほど名前の出たコリンズワース選手、シェーン・ウィティングトン選手、シェーファー アヴィ幸樹選手などが加入して主力になっています。金丸選手との連携はどうですか?

 アヴィに関していえば、スクリーンでボクのところに飛んできていますし、その後のダイブ(ゴール下に飛び込む動き)が彼はいいんです。スクリーンをかけたらそれで終わりじゃなくて、その後しっかりダイブする。ボクにボールが入ったあと彼に落としたり、逆にボクに2人ディフェンスが来たらアヴィがフリーになったり、そういうプレーを多く出せています。ディフェンスはダイブされると、そっちもケアしないといけないですから。いいところはスクリーンよりダイブだと思っています。

――アヴィ選手は高校2年生からバスケを始めて、しかもまだ22歳(※インタビュー時の年齢、1月28日に23歳になった)です。だから荒削りな選手という印象でした。でも三河に加入して得点が増えて、3ポイントの成功率もここまで40%を超えています。金丸選手がシュートを教えることもあるんですか?

 教えてはいないですけれど、彼はシュートがうまいですよ。ディフェンスがダバンテのヘルプに行ったりするので、結構ノーマークで打てますよね。あれを打たなくなるとオフェンスが重くなるので、打ち続けてほしいです。

 あと見て感じるのは、キャッチしてボールをあまり下げていないですね。キャッチして一回ボールを下ろして持ち上げてシュートを打つ選手もいるじゃなないですか。でも彼はキャッチしてそのまま上げてシュートを打てている。下げてまた上げる時間はもったいないし、下から上げるとブレる。ボクもそれは気をつけてやっているので、見られているのかな?と思うんですけど(笑)
――12月の10試合を振り返って、金丸選手のベストゲームはどれですか?

(12月6日の)滋賀戦ですかね。プレータイムもそこまで多くないです。コスパがいいですよね(笑)(※出場22分で30点)
「ただシュートが決まった」といえば、それで終わりですけど、あの試合は我慢していたんです。前半はちょいちょい決まっていましたけれど、そこまでボールが集まっていなかった。我慢して後半を迎えて、立て続けにボールをもらって決めて、そこから波に乗って、気づいたら30点入っていました。(※12月6日の金丸選手は第3クォーターに16得点)

――釣りと一緒で、待つ時間もあって、でも当たり来たら一気に……という流れですね。

我慢強さは、釣りから学んだものです!(※金丸選手は釣り愛好家でおなじみ)

――逆に26日の宇都宮戦はわずか4点にとどまっています。どういう展開だったんですか?

 あのゲームはボクがマークマンのディフェンスを剥がしても、次のヘルプがまだいたんです。ディフェンスが全員、スクリーンを使わせないようにトップロック(※ベースライン側からトップ方向への動きを制限する対応)をしていた。そうするとボクはバックカット(ゴール下に飛び込む動き)をするじゃないですか。今度はインサイドの選手がヘルプに来ているんです。いつもだったらそこでパスが入るけれど、それも封じられた状態でした。行きたいところに全部ディフェンスがいるんです。

 スクリーンを使うオフェンスは対策されていたので、瞬時に違う方法に切り替えないといけなかった。だから次の試合は比較的ドライブの回数を増やしたんです。まずボールをもらわないと始まらないので、ドライブを仕掛けた。一応二桁(の得点)は取れて勝てましたけれど、その日に切り替えたかったですね。

――過去2シーズンは苦しんでいただけに、今季はプレーしていて楽しいのではないですか?

 去年おととしは、結構いろいろなことをやっていました。ポストアップもそうだし、ピックも使ったり、1オン1を使ったりしていました。今は3ポイントが大半なので、言い方はあれですけれど少し楽です。今までボクがやっていたことをやる人がいて、役割分担がされています。

――武器のある選手が5人コートに立って、ボールもシェアできているイメージですね。

まず何よりも、自分の武器にフォーカスできる。それだけに集中していれば、精度のいいものが出てきます。5人全員が違うものを持って、5人全員が違うことをやっている。それが一番いいのかなと思います。

――三河の優勝は当然チャンピオンシップ制覇だと思いますが、今季の抱負をお願いします。

 今シーズンは狙えるんじゃないかなと感じています。行けるかなと思っていますけど、でもレギュラーシーズンとプレーオフは全く違う。プレーオフになるとディフェンスの強度が上がってきます。それも対応しなければいけないので、準備をレギュラーシーズン中にしておかなければいけません。

 今まではプレーオフに行くことをまず考えていて、今もそれは考えなければいけないけれど、でももっと先を狙う実力がある。目の前の試合を軽く考えてはいけないですけど、先の優勝を見据えて戦っていこうかなと思います。

――最後にバスケファン、Bリーグのファンへのメッセージをお願いします。

 今はコロナで会場が満員というわけにいきません。皆さんも映像越しに見るほうが多いと思うんですけれど、でもそれでも映像越しでも応援してくれるのは選手としてもありがたいことです。ボクたちのプレーを見て皆さんが元気になってくれるのが一番嬉しいことなので、見ている人がそうなってくれるように、頑張っていきたいです。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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