【日本一曲がらない男】稲森佑貴ドライバーレッスン【第2回 バックスイング(後編)】

スポニチアネックス

【スポニチ】

日本オープン王者・稲森佑貴プロによる曲がらないドライバーショットのレッスン。今回のテーマはバックスイングの後編です。

飛んで曲らないボールを打つには、バックスイングが大きな役割を果たします。悪い動きを排除し、スイングアークの大きなトップ・オブ・スイングを目指しましょう。

進行役を日大ゴルフOGのフリーアナウンサー・萩原菜乃花さんが務めます。

◆曲がらないドライバーショットのカギは“遠心力”??

 萩原 前回は左肩を顎の下に入れるイメージでクラブを上げるというお話でしたが、その他に大切なポイントはありますか?

 稲森 これは男性ゴルファーによく見られることですが、腕に力があるために1Wを手だけで上げようとしがちです。その結果、体から近いところにクラブが上がり、スイングアークが小さなスイングになってしまいます。

しかも、窮屈なトップ・オブ・スイングになった反動で、ダウンスイングでは両腕を振り下ろすスペースが消え、腕を伸ばすことができません。そのままだとクラブを下ろせないので、無理に腕を伸ばすスペースを作ろうとして、体が伸び上がってしまうのです。

当然、アドレスの位置にクラブヘッドが戻らないので曲がりますよね。

手だけでバックスイングを行うと体から近いところにクラブが上がってしまう 【スポニチ】

ダウンスイングで腕を伸ばすために、インパクトでは体が伸び上がった形になる 【スポニチ】

 萩原 何かいい対処法はありますか?

 稲森 ドリルとしては、本来はアドレスで左腕よりも右腕が低い位置にくるのが正解ですが、あえて両腕をピンと伸ばして同じ高さになるように構えます

手首のコックを使わずに、その形のままバックスイングを行うと、自動的にクラブが体から遠いところへ上がります

しかも上体がしっかりと捻転されるので、左肩が顎の下にも入ってきます

 萩原 なるほどいろんなメリットがありますね。

両腕を伸ばした形でクラブを上げると、自然と体から遠い位置に上がる 【スポニチ】

 稲森 ポイントはボールに近づき過ぎないように構えることです。

ボールとの距離があまり離れていないと、どうしても手首をヒョイと使って、体から近いところにクラブを上げてしまいますからね。ただ、腕を伸ばし過ぎても体が回りにくくなるので、軽く伸ばした状態で構えましょう。

体から遠い位置にクラブを上げ、ダウンスイングでも同じルートでクラブを下ろせば、遠心力を使えます

最近のデカヘッドの1Wはダウンスイングでフェースの向きを操作しにくい分、フェースをスクエアに保てます。しかもヘッドスピードが上がるので飛距離アップも期待できるというわけです。

 萩原 飛んで曲らないドライバーショットを打てるわけですね。ちなみに、遠心力をもっとつけるための練習法を教えて下さい。

 稲森 アベレージゴルファーのスイングを見ると、どうしても下半身の動きが硬いですよね。もっとフットワークを使ってもいいと思います

バックスイングでは左足踵を浮かせて打つ練習もいいでしょうし、両足を足踏みしながらリズムを取る練習もいいでしょう。

その場合、右足に体重が乗ったら、すぐにクラブを上げていきます。ショットにおいて、下半身は車のエンジンに相当します。エンジンを動かさなければパワーは生まれません。

バックスイングでは右足股関節に、ダウンスイング以降は左足股関節の上に上体を乗せるイメージでスイングすると、ウエートシフトもスムーズにでき、下半身にキレのある動きが出てきますよ。

左足をヒールアップしてもいいから右足股関節の上に上体を乗せてみよう 【スポニチ】

右足股関節の上に上体を乗せたら、ダウン以降で左足股関節の上に上体を乗せる 【スポニチ】

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか)1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の24歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。 
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポニチは紙面を通して、毎日、感動や興奮をお届けしています。スクープ連発の芸能&スポーツニュース、中央競馬をはじめとするギャンブル情報、生活者の視点に立った政治・社会報道などで多くの読者から支持を得ています。また、紙面と連動しながら情報をいち早く提供するWEBサイト「スポニチアネックス」は、昨年のページビュー(PV)で年間約20億PVをマーク。本紙以外でも中央競馬G1レースや宝塚歌劇の特集号、スポーツのあの時を掘り下げる「スポニチアーカイブス」、日本初の子供向けスポーツ紙となる「スポニチジュニア」、業界初の週刊漫画タブロイド「マンガアルチーボ」などを制作発行しています。明るく楽しい総合メディア企業へ。スポーツ、エンターテインメントなど多種多彩な情報を発信しています。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント