アイアンショットでのフックはなぜ起こる?原因と対策はコレ!

Gridge(グリッジ)

【photo-ac】

前回の記事のスライスに続いて、フックも解説したいと思います。
アイアンショットでのフックもスライスと同じ、ゴルファーにとって日常の悩みの一つと言えます。
「真っすぐ飛ばしたいけど、上手く打てない」
闇雲に練習をしても、解決はしません。フックが出るにはちゃんとした理由があるんです。
アイアンショットでフックが出てしまう、原因と対策を押さえておきましょう。

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アイアンショットでフックはなぜ起こる?

ゴルフが上達してくると、なぜか発生してしまうフック。
一度、クセが付いてしまうと、改善するまで時間がかかってしまいます。
でも、原因と対策を知ることで改善できる症状なので、気を落とさないでください。
フックが出やすい人の特徴としては、大きく3つがあります。
・インパクト時、クラブフェースが左に向いている
・グリップの握りが間違っている
・手首の返しが強くなり過ぎている
みなさんはいかがですか?
心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

「フック」と「引っ掛け」の違いとは?

フックと引っ掛け、同じような場面で使われる言葉ですが、それぞれ少し意味合いが違います。
まずフックから見ていきましょう。
フックとはボールが飛んで行った方向から、左に曲がっていくボールを言います。急激に左に曲がっていくボールが麻雀牌の七筒のようだとして、「チーピン」とも呼ばれています。
対して引っ掛けは、最初からボールが左方向へ飛び出していくボールです。その後曲がっても曲がらなくても「引っ掛け」と呼ばれます。
この引っ掛けが出る原因はフェースの被り過ぎ。フェースが被り過ぎればヘッド軌道も飛球線方向に対してインサイドアウトになるので、引っ掛けながらも左へ大きく曲がっていくフックが出る弾道になります。

クラブフェースが左に向くとフックする理由とは

アイアンショットでフックが起きるのは、インパクト時にクラブフェースが(スイング軌道に対して)左に向いている(閉じている)のが、最大の原因と言えます。
クラブフェースが左に向いていると、打球はフェース面が向いている方向へ飛び出します。
このとき、フェース面の方向がスイング軌道より左を向いていると、ボールにフック回転がかかります。
自分では意識していなくても、クラブフェースが左に向いてしまう方がいます。ゆっくりスイングをしてみて、フェースの向きを確かめてみましょう。
インパクト時のフェースの矯正が必要な方は、グリップの握りや手首の返しが原因かもしれません。

クラブフェースが左を向く原因1 ダフっている

クラブフェースが左を向いてしまう原因に、ダフっているケースがあります。ダフってソールが地面に接触してしまうと、クラブが芝に引っ掛かります。
するとクラブヘッドが抵抗を受けて、無意識の打ちに「振り切ろう」としてしまうんですね。
芝にヘッドが接触して、クラブにブレーキがかかり、手首でついついヘッドを前に出そうとしてしまうんです。
するとフェースが強く左を向いて、フックボールが出る原因となっています。
また、自分でフェースを返さなくても、クラブがボールに当たる前に地面に当たるとヘッドが反時計回りに回転しやすくなります。
余談ですが、このような理由で練習場や人工芝のティーグラウンドなどでは、ダフった時に引っ掛けのフックが出やすくなります。

クラブフェースが左を向く原因2 アドレスよりも右手が返り過ぎている

アドレスしたときに、右手を下から握り込み過ぎているゴルファーに多く見られるミステイクです。
アドレスではしっかりフェースを合わせたのにも関わらず、インパクトでフェースが被ってしまうというゴルファーは、右手に原因があることが少なくありません。
右手をグリップの下から握り込んでしまうような強いフックグリップでは、インパクトのポイントでは右手が返り過ぎてしまいます。
これでは自然とフェースは左を向いてしまいますので、フックと引っ掛けが併発してしまう可能性がグンと高くなります。

クラブフェースが左を向く原因3 スイングで腰が止まっている

インパクト付近で腰が止まってしまう人も、フックのミスが出やすいタイプです。自分の体を動かしてみるとわかりやすいのですが、インパクトの位置にヘッドを置いて、そのまま腰を開いてみてください。
するとフェースがどんどん右を向いていく(開く)のがわかりますでしょうか。
逆に腰を戻してみてください。フェースが閉じていきますよね。普段ストレートに近いボールが出ている人が、フックが出てしまう原因になっている現象がこれです。
インパクトで体が止まってしまうと、体はフェースが開く方向に動きません。体は開かないのですが逆にフェースはどんどん左を向いてしまうんですね。
強いスライサーの方には逆の現象が起きていて、体を回し過ぎてしまうためにフェースが強く右を向いて、インパクトでフェースがオープンになってしまっているのです。

クラブフェースを左に向かせない練習はハーフショットで修正

クラブフェースを左に向かせないためには、フェース面を意識したショット練習をするのが地道ですが一番効果的です。
ボールだけをクリーンにインパクトするように意識しましょう。
これでボールの飛び出す方向を調整しながら、体の動きと弾道のイメージをすり合わせていくんです。この練習はフェース面の意識だけでなく、ボールをクリーンに打つことでヘッドの上下ブレも抑制してくれる効果が期待できます。
フェース面も意識できるようになりますし、ダフりによるフェースの返り過ぎも防いでくれる練習です。

クラブフェースを左に向かせないためには頭を残して体を回す

フェースを左に向かせないように、意識したいポイントもチェックしておきましょう。フックが出てしまう方は、フェースを強く戻し過ぎています。
体の回転不足が原因となっているゴルファーも多いんです。
そこでフックが出そうで怖いんですが、体を思い切って使って回していきましょう。この時、頭も一緒についていってしまうと、スライスしか出なくなります。
体はしっかり回しつつも、頭は右に残すように心がけるようにしましょう。フックにびびって体が止まってしまうと、フェースが閉じてフックを助長する結果になりかねません。

グリップが間違っているとフックする理由とは

グリップの段階で、フックが発生しやすい握り方をしている方がいます。ポイントはそれぞれの手の角度です。
実はアマチュアゴルファーでは、正しいグリップができていない人が数多くいるんですね。フックに悩まされているあなたも、もしかしたらグリップを修正するだけでフックがぴたりと治まる可能性もあるんですよ。
グリップの修正って、ものすごく違和感があります。しかしそのグリップに慣れるまで、練習場で慣らしてみてください。

NGグリップの原因1 手で押す意識が強過ぎて下から握り込んでしまう

【(c)Gridge】

まずは右手に注目してみたいと思います。右手をグリップの下から握り込んでしまうのです。先ほども少し触れましたが、これによってフェースがアドレスの位置よりも返り過ぎてインパクトしてしまうんです。
特に野球部出身者でフックがひどい方は、このグリップが多いように思います。
ポイントは右手の親指と人差し指のシワが、右肩を指しているくらいで握るようにしてみましょう。これだけでフェースの返り過ぎが大きく改善されてきます。

NGグリップの原因2 決まった位置でグリップができていない

ストレートボールが出たり、フックが出たり、何かと安定しないけれどもなぜかミスの方向はフックに偏っているというゴルファー。
こうした人は感覚的にはちょっとグリップが被り気味で、毎回決まった位置で固定されていない可能性があります。毎回グリップの位置が固定されていないので、ちょっとフェースが被っていればそれをアドレスで戻して合わせているのかもしれません。
そんな方はバックラインのあるグリップに交換して、毎回握る位置を固定するか、毎回同じグリップができるように、自分なりの目印を決めておくかしてみましょう。

NGグリップの原因3 パームグリップになっている

【(c)Gridge】

手のどこでグリップをしているのかもチェックしてみましょう。
もしかしたらフックが強く出る人は、パームグリップになっていませんか? パームグリップとは、手のひらでグリップすることを言います。
パームグリップでフックが出やすくなる理由は、フィンガーグリップよりも腕とクラブの角度が強くなるためです。
もしあなたがパームグリップになっているのならば、フィンガーグリップをおすすめしたいと思います。ポイントは親指と人差し指で、グリップをつまむような意識でグリップすると自然にフィンガーグリップになってくれますよ。

NGグリップの原因4 極端過ぎるストロンググリップ

【(c)Gridge】

極端過ぎるストロンググリップも、強いフックボールが出てしまう可能性があります。
アドレスしたときに、左手の拳が全て見えている状態です。これではハンドファーストが強くなり過ぎて、フェースが強く左を向いてしまう原因になります。
極端なストロンググリップは、一時的にボールをつかまえるためには有効かもしれません。しかしある程度上達して、基本的なスイングが身についてくると強いフックが顔を出し始めます。
一度強いストロンググリップに慣れてしまうと、これを矯正するのは非常に気持ち悪い感覚がつきまといます。
アドレス時に正面から見て拳が2個から3個見えている程度がストロンググリップの適正範囲と覚えておきましょう。

グリップ矯正器具でニュートラルなグリップに

グリップが間違っていると、いくら正しいスイングをしてもミスショットばかり出てしまう可能性が高まります。
そんなときオススメしたいのが、グリップ矯正器具です。ゴルフショップで見かけたことがある人も多いかと思いますが、握るだけで適正なグリップを教えてくれるアイテムですね。
自分のグリップと、グリップ矯正器具のグリップ。どれくらい違いがあるのか見てみましょう。間違ったグリップでは、ゴルフの上達も難しくなってしまいます。

手首の返しが強くなり過ぎているとフックする理由とは

手首の返し(リストターン)が強くなり過ぎて、左に引っ張ってしまうのも、フックボールが発生してしまう原因と言えます。
リストターンが強くなる方は、身体の重心が左に突っ込み過ぎているかもしれません。
この対策としては、スイング時に左に壁があるイメージを持つことです。
左足が壁にくっついているイメージのまま、身体の重心をキープすることで、自然と手首の返りのバランスが良くなっていきます。

手首の返しが強くなる原因1 フィニッシュで左に引き過ぎている

インパクトで手首の返しが強くなってしまう原因は、フィニッシュでクラブを左に引き過ぎています。
ボールをつかまえたいという意識の表れだと思いますが、これではボールがつかまり過ぎてしまいます。
フィニッシュの方向は、リストターンと密接な関係があります。フィニッシュを左へ左へ! という意識でスイングをしてしまうと、自然とインパクトではフェースが左を向いてしまうんです。
フィニッシュで自然な位置にヘッドを動かせば、自然に手首の返しが強くなり過ぎるのを防いでくれます。
フィニッシュで左に引き過ぎる方は、フィニッシュを左ではなく前へ持っていくイメージにするといいでしょう。

手首の返しが強くなる原因2 テークバックを外に引き過ぎている

手首の返しが強くなる原因の1つが、テークバックに隠れているケースもあります。
それは外にテークバックを引いて、トップでヘッドがループして降りてきます。するとインサイドアウトの軌道になるんですね。
この度合が強過ぎると、急激に手首が返ってきてしまいます。強いボールは出るようになる可能性もありますが、インパクトでなかなか安定しないんです。
練習をしても結局手首でなんとか調整しようとするんですが、スナッピーに手首を使うようになってしまうと、毎回同じインパクトを目指すのが非常に難しくなってしまいます。
何事もやり過ぎは禁物なんですね。

手首の返しが強くなる原因3 ダウンスイングで腰が引ける

ダウンスイングで腰が後ろに引けてしまうのも、フックが出てしまう原因です。体が止まるとフェースが返ってくる現象と同じことが起きてしまうんです。
腰が引けると軸が前に傾きます。
すると本来スクエアでインパクトできていたものが、フェースがどんどん被ってきます。軸が傾いてしまうので結果的に手首返り過ぎてしまっているんですね。

手首の返り過ぎを防ぐには右股関節を意識

この軸の傾き、いわゆる「突っ込み」と言われています。この突っ込みを解消するには、スイングでは右股関節を強く意識してみるのをおすすめしたいと思います。
バックスイングはもちろん、インパクト、フォローでも常に右股関節に体重を乗せてスイングしているイメージです。
これをすると、体重が後ろに残って軸も傾きにくくなります。
軸が傾かなければ手首が返り過ぎるのを防いでくれるため、フックボール改善には効果的です。

手首の返り過ぎを防ぐにはテークバックをストレートに

【(c)Gridge】

バックスイングのイメージも大切です。
スライスばかり出る人にとってはアウトに引いてループさせる打ち方でも問題ありません。しかし、フックに悩む方は、テークバックをストレートに引いてみるように意識してみてください。
これならば、手首を強く使い過ぎないスイングができます。特に始動で手首を強く動かしてしまう人は、動き出しの20センチで大丈夫なので肩でストロークする意識を持ってみましょう。

手首の返り過ぎを防ぐにはフィニッシュまで前傾を意識

アドレスでは皆さん前傾姿勢を意識していると思います。この前傾姿勢をフィニッシュまで維持してみましょう。
前傾姿勢が起き上がってしまうと、フィニッシュでフェースが左に傾いてしまうからです。
軸が起き上がれば、その影響をフェース面はモロに受けます。軸の傾きはフェース面の傾きも左へ向けてしまうんです。
つま先上がりの斜面からのショットを思い出してもらうと、軸が起き上がってフェースが左に傾く原因が分かりますよね。

ゴルフでフックのミスは大けがにつながる理由とは?

ゴルフではフックのミスが大きくスコアを浪費する可能性があるんです。
それはスライスとフックでは、ボールの性質が違うからです。
スライスはスピン量が多く、ボールが吹け上がっていきます。ボールは上へ上へ行こうとするんです。またボールが落ちてからもランがあまり出ないんです。
逆にフックはスピン量が少なく、前に進もうとする力が強いのが特徴です。それゆえ飛距離も出るんですが、方向がズレてしまえばOBの方向へグングンとボールが伸びていってしまいます。
またラフになんとか着弾したとしても、低い弾道でボールの勢いも強くなるので、そのまま転がってしまいます。
フックボールはOBの確率が高くなるんですね。だからこそフックボールを修正してショットを安定させていきたいのです。

フックが出る原因はアイアンもドライバーも一緒

ここまで数多く紹介してきたフックが出る原因ですが、アイアンだけでなくドライバーも原理は同じです。
フックが出ている原因が1つだけかもしれませんし、いろいろな要因が組み合わさって強いフックボールが出ているのかもしれません。
「ドライバーは大丈夫なのに、アイアンはフックが出る」という方は、もしかしてそれぞれのクラブで、スイングを大きく変えてしまっているかもしれませんね。

フックの原因を突き止めてショット全体のレベルアップをしよう

フックの原因を突き止められれば、フックが出たとしても対処がしやすくなります。練習で直すべき方向も見えてきますよね。
アイアンショットでのフックはなぜ起こるのか、原因と対策についてご紹介してきました。
フックが発生する原因を把握して、1つずつ対策していきましょう。原因さえ分かって、適正に対処すれば、フックのミスは少しずつ減っていくはずです。
みなさんも対策法を試してみてください。
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『ゴルフの楽しさをすべての人に』をコンセプトにしたゴルフ情報サイト。 ビギナーゴルファーにも読みやすいマナーやルールの記事や女性ゴルファーに向けたレッスン記事など幅広い情報を発信中。

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