川崎ブレイブサンダースがSDGsを通して描くバスケットボールの未来
【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】
そして川崎ブレイブサンダースは、新たなプロジェクト「&ONE KAWASAKI BRAVE THUNDERS SDGs CHALLENGE」を通して今シーズンからSDGsに積極的に取り組んでいきます。SDGs未来都市に選定されているホームタウン川崎市とも施策の一部について協定を結びました。そこで今回は、同プロジェクトのアドバイザー就任が決まった蟹江憲史氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授/ジャパンSDGsアクション推進協議会 会長)と、元沢伸夫(株式会社DeNA川崎ブレイブサンダース代表取締役社長)による対談を通して、この取り組みへの思いを紹介します。
元沢:今シーズンからSDGsの活動を本格的に行っていく背景として、まず川崎ブレイブサンダースは『MAKE THE FUTURE OF BASKETBALL』という、バスケットボールを文化にしたい、ステータスを上げたいというミッションを掲げています。それを実現するためには、チームが強くなければいけない、ファンやスポンサーに応援してもらうことで財政基盤が整っていなければならない。ただ、そこに加え、なにかもう1つアクションが必要と考えていた中で、SDGsがすんなり自分の中ではまりました。社会課題について、自ら積極的に飛び込んで解決へ向けてチャレンジしていく。それをやってこそ、地元の方々に「川崎ブレイブサンダース は自分たちの誇りだよね」と思ってもらえる存在になれる。ただ、強いし、財政基盤が整っているだけでは、そういう存在にはなれない。今から最後のピースを埋めにいきたいと思ったことがきっかけです。
まだ、参入から3年目で事業基盤が盤石ではないので、まずはそっちを頑張りなさい、というお声もあるとは思っています。ただ、大変ありがたいことにスポンサー数増加を中心とした事業拡大はコロナ禍でもできており、だからこそしっかり腰を据えてSDGsについても本格的に活動していこうとなっています。そして、蟹江先生は日本のSDGsの第一人者と確信を持っており、今回ご協力をお願いいたしました。
【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】
SDGsとは社会貢献でありつつ、それだけではありません。この取り組みをみんながやらないと地球の将来は危ういという段階に来ていて、コロナの問題もそういう面を表しています。みんながマスクをして、手洗いをすることが社会全体でのコロナ対策につながっていくように、SDGsもひとり1人が少しずつ何かをやることで、世界と人類のあり方を変えていけます。
【Maruka Ichimura】
蟹江:国連が決めたものなので皆さん、何となく構えがちになってしまいますが、その必要はないです。まずはやってみる、ことが大切。「よくわからないからやめてみよう」ではなく、とにかく動いてもらいたいです。まずはブレイブサンダース がお勧めする中で1つずつ、できることを取り組む。実際に行動することで、SDGsによって何をできるかを知っていただきたいです。そしてファンと非常に近いところにいて、影響力を持っているのがプロスポーツクラブです。クラブの活動を通して、ファンの方の行動が変わっていく成功事例を作っていきたいと思っています。
SDGsを成長にうまく活用した世界で最初のクラブに
元沢:スポンサー企業様とも、SDGsを通した活動をどんどん推し進めていきたいです。先日、グローバルパートナー契約を結んだミツトヨ さんとは、地域の人々にバスケットボールを通して英語や海外を身近に感じることができる企画を検討中で、これもSDGsの掲げる「質の高い教育をみんなに」に該当するものと考えています。
すでにSDGsで先端を走るスポンサー様には、実施されている取り組みを川崎ブレイブサンダース版に応用させていただく。例えば使わなくなった衣服を回収し、それをバスケットボールウェアで再利用する取組みなどができたらいいです。また、これからSDGsに取り組もうとしているスポンサー様とは、街中で子供達にバスケを教えるイベントをやる際に運営スタッフとして一緒に汗を流していただくなど、ともに推進していけたらと思います。
【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】
元沢:まず、短期的な目標の1つ目は、バスケを通じて健康と福祉でお役に立ちたい。僕らがやるスクール、大会、イベントなどを通じて、バスケを実際にプレイすることでスポーツに興味を持つ人数を増やしていく。2つ目の目標は、ホームゲームをアウトプットの場として提供していく。具体的には今、障がいのある方や引きこもりの方、シニア世代の方たちにホームゲーム運営の一部を手伝っていただいており、今シーズンからはコロナの状況にもよりますが、小学生、中学生、高校生にも就労体験をしてもらうことで、お客さんに喜んでもらう仕事はこういうことだと学んでもらえる機会を提供する。川崎ブレイブサンダース で一緒に「働きがい」を感じてもらえる人数を増やしていきたいです。
【©NPO法人ピープルデザイン研究所】
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