連載:Bリーグ特別対談

田臥勇太×中澤佑二のレジェンド対談 焼き肉屋での挨拶から刺激しあう関係に

ダブドリ編集部

田臥選手の引退、僕は絶対に反対しようと思っています(中澤)

ここ2シーズン怪我に悩まされている田臥選手だが、その闘志は衰えていない 【(C)TOCHIGI BREX】

田臥 サッカーはやりたくなりますか? 

中澤 いや、ボールがあれば蹴りたくなるぐらいですね。

田臥 体は動かしたくなるんですか?

中澤 なりますね。引退して2年目なんですけど、ここから身体能力を上げられるかなと思って、NBAの選手がやっているトレーニングとか、アメフトの選手がトレーニングしている動画を見て、コロナ自粛期間中にずっと追い込んでトレーニングしていたんです。それで身体能力が上がったかどうか試そうと思って、こないだ子供と50m走したら裏ももを肉離れしました(笑)。

一同 (笑)

田臥 トレーニングのときに使う筋肉が違うんですか? 

中澤 動画ではお尻とももを使って走ると言ってました。バスケのトレーニング動画ではジャンプ系のトレーニングもあって「今からジャンプ力上がるかな?」と思って、それも週3でやっていたんですよ。

――現役のときもジャンプ力すごかったですけどね(笑)。

中澤 あのときは膝が痛かったんで、膝を考えたメニューだったんですけど、今は膝が痛くても関係無いのでガンガンやりました。他のスポーツのトレーニングは刺激的だし面白いですよね。実は田臥選手のチームとテレビで対決したことがあるんです。僕のチームは芸人チームで、田臥選手率いるプロの方々を相手にバスケをしたんです。

――芸人チーム(笑)。

田臥 楽しかったですね。中澤さんは動きが一人だけ全然違いました。一人だけ活躍していましたよね。

中澤 いや、全然ですよ。でもその試合をやりながら「サッカーだけやっていてもしょうがないんだな」って思ったんです。サッカーのトレーニングも大事だけど、体を動かすというのは、バスケ、アメフト、ラグビーも基本は一緒なんですよね。サッカー界ってサッカー界のトレーニングしかやらないんですけど、もう少し幅をを広げていってもいいんじゃないかなと思ったんですよ。それをまずは自分で体感してみようと思って、自粛期間に追い込んだんです。

互いに影響を受けていると語る2人。写真からも仲の良さが伝わってくる 【写真:三浦雄司】

田臥 僕は今年40歳なんですけど、中澤さんが引退されたのはいくつのときですか?

中澤 2年前、41歳になる年ですね。

田臥 38歳ぐらいから40歳の頃、体はいかがでした?

中澤 体はもう35歳を越えてからはかなりしんどかったです。もともと膝が悪くて、ごまかしながらやっていたんです。現代サッカーってものすごくスピードと体力を求められるサッカーになってきたので、それに順応するのが大変でした。自分が他の選手と「ヨーイドン」でやっても勝てないところをどうごまかしていくかという5年間でしたね。それに新しい監督が来ると新しいやり方になるので、それにトライしていくとより負荷がかかるんですよ。

田臥 対応しなければいけないんですね。そのぐらいの時期って、1年1年が大事でした?

中澤 大事でしたね。1カ月1カ月ぐらいが大事でした。下手したら1週間1週間だったかもしれません。いろいろな調整方法や食事、筋トレを考えました。「絞り過ぎるとケガをする」と言われたので、絞りすぎず適度な状態を保ちながら、でも自分のキレを出さなきゃいけないというのが難しかったですね。

――田臥さんは2シーズン連続でケガが続いてしまいました。

田臥 そうなんですよ。フルで戦えず、前半戦しか戦えない年が続いたので、次は1シーズン通して戦いたいです。気持ちはむしろ増してく一方なんですよね。

中澤 わかります。「全然やれるぞ、俺は」という感じで気持ちは出てくるんですよ。

田臥 「やりたいなあ」「バスケをしたいなあ」と思うんですよね。楽しさも変わってきて、経験を積んだからこその見え方があったりするので、これからまたやり方も変わってくるのかなと感じているんです。でもまずは体をちゃんと整えるところからですね。

――心は全然折れていないという感じですね。

田臥 そうですね。心は折れないですね。今回の膝は大きいケガになるので、3カ月とか4カ月かかってしまうのですが、むしろ「しっかり直してまたやろう」という気持ちになっています。みんなとまたバスケをやりたいと思いますし、ファンの方が声をかけてくださるので、それが励みになっていますね。

――これを聞いたらファンのみなさんも喜びますね。まだまだやってほしいですよね、田臥さんには。

中澤 やらないとダメな存在ですから。そういう宿命ですから。絶対に引退させないって決めてるんです。田臥選手から「引退します」って連絡がきたら、僕は絶対に反対しようと思っています。

田臥 ありがとうございます(笑)。そう言っていただけるのがモチベーションになります。

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著者プロフィール

異例の超ロングインタビューで選手や関係者の本音に迫るバスケ本シリーズ『ダブドリ』。「バスケで『より道』しませんか?」のキャッチコピー通り、プロからストリート、選手からコレクターまでバスケに関わる全ての人がインタビュー対象。TOKYO DIMEオーナーで現役Bリーガーの岡田優介氏による人生相談『ちょっと聞いてよ岡田先生』など、コラムも多数収載。

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