連載:壁を乗り越える女子プロゴルファーたち

香妻琴乃が痛感する「あと1打」の重み ゴルフ場に寝泊まりして練習の日々

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「あと1打」を追い求め続ける香妻琴乃。今季のツアー出場数は限られるが、復活への準備は整っている 【Getty Images】

 2018年に「マンシングウェアレディース東海クラシック」で念願のツアー初優勝を飾った香妻琴乃。2019年はさらなる飛躍を期待されたが、「あと1打」を追い求め続けた結果、体が悲鳴を上げた。それでも「あと1打」を縮める努力を惜しまない香妻は、新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間、地元・宮崎のゴルフ場に寝泊まりし、アプローチショットなど基本練習を黙々と繰り返した。今季のツアー出場数は限られるが、心も体も復活への準備は整っている。

2014年の飛躍から暗転、何があったのか

2014年に初のシード権獲得。苦手意識のあったパットで、ランキング1位に輝き、飛躍のシーズンとなったが…… 【Getty Images】

――香妻プロは、プロ入り3年目の2014年に賞金ランキング19位となり、初めてシード権を獲得しました。ご自分でも一段ステップを上がったと実感できたのではないですか?

 はい。あの年は、優勝こそできませんでしたが、2試合で首位タイでホールアウトしてプレーオフを戦いました。2試合とも、数字の上ではあと1打縮めることができれば優勝できていたわけですよね? だから、優勝へのハードルが低くなったというか、優勝に近づいた感覚は確かにありました。

――その2014年は、平均パット数(パーオンホール)で見事ランキング1位に輝きました。

 でも、実はそれまで一番パットが苦手だったんです(笑)。だから、ランキングの上位にいるのも、最終戦が終わるまで知りませんでした。最終戦で逆転して1位になったと聞いた時には、「え? 私、そんなにパットうまいの?」と自分でもびっくりしました(笑)。それほどパットには自信がなかったんです。

――ただ、翌2015年はシード権をキープしましたが、16年からの2年間はシード権を手放してしまいました。何があったのでしょう?
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著者プロフィール

早稲田大学卒業後、ゴルフ用品メーカー、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスのゴルフライターとして活動。これまでに男子の世界4大メジャーすべてを取材。著書に『スタイリッシュゴルフマナー&ルール読本』(PHP研究所)、訳書に『超一流ゴルファーに学ぶスランプからの脱出法』(日本経済新聞出版社)がある。オフィス・プレーゴ所属。

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