連載:壁を乗り越える女子プロゴルファーたち

新生・比嘉真美子が誕生した軽井沢の舞台 自信を持ってティーショットを振り抜く

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2013年にルーキーとして活躍を見せるも、その後は3年もの苦しい時期を過ごした比嘉。苦難を乗り越え彼女が目指す次なる目標とは 【Getty Images】

 2017年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で優勝を果たした比嘉真美子。3年ぶりの勝利の美酒を味わった。2013年のルーキーイヤーに2勝を挙げたものの、その後徐々に自分のゴルフを見失い、15年にはシード落ちの屈辱も味わった。だが、その「どん底の3年間」を味わったからこそ、今の彼女がいる。苦しい時も自分を支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを胸に、比嘉は、思い出の地・軽井沢72のティーグラウンドに立つ。

“ないものねだり”をしていたルーキーイヤー

――比嘉プロは、日本女子アマを連覇した2012年にプロテストに合格、ルーキーイヤーの13年には早くもツアー初優勝と2勝目を飾りました。当時はイメージ通りのゴルフができていたのでしょうね。

 うーん、あの年は良いプレーをしようという意識はなくて、毎週試合があって、それも初めてプレーするコースばかりだったので、その大変な状況をいかに乗り切るかということばかり考えていたのを覚えています。なので、勢いだけでプレーしていた感じで、それがいいプレーにつながって、いつのまにか優勝もしてしまった感覚ですね。

――翌2014年はシード権をキープしたものの、15年には不調(注:出場32試合中17試合連続を含む24試合で予選落ち。賞金ランキング95位でシード陥落)に陥ってしまいました。予兆のようなものはあったのですか?

 2014年の夏から秋にかけてでしたが、なんだか自分の身体の感覚と、球を打つ感覚がマッチしないなと感じるようになりました。それで2015年に入ると、不調という次元を超えて、ティーショットを平常心で打てなくなってしまって……。2打目以降は普通に打てるのに、ティーショットはドライバーもアイアンもまともに打てなくて、特にドライバーはOBばかりで(苦笑)。「ホールアウトできるのかな?」と思ったこともありました。今、振り返れば“イップス”だったと思うんですけど、かなり大変でした。

――ゴルフをするのがつらかった?
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著者プロフィール

早稲田大学卒業後、ゴルフ用品メーカー、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスのゴルフライターとして活動。これまでに男子の世界4大メジャーすべてを取材。著書に『スタイリッシュゴルフマナー&ルール読本』(PHP研究所)、訳書に『超一流ゴルファーに学ぶスランプからの脱出法』(日本経済新聞出版社)がある。オフィス・プレーゴ所属。

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