逆境をはねのけて達成したZOZO優勝 コメントから振り返るタイガーの偉業
昨年のタイガー・ウッズの優勝は、数々の逆境をはねのけて達成されたものだった 【Getty Images】
左膝手術後の初試合に心配の声
ところが開幕が近づくにつれて、有力な優勝候補としての見方は徐々に薄まっていった。7月の「全英オープン」ではカットラインに遠く及ばず予選落ち。腰痛が再発し、「もう若くはない」という弱気なコメントも発せられた。その1カ月後に出場した「ザ・ノーザントラスト」では、第2ラウンドのスタート前に脇腹の痛みを理由に棄権。翌週の「BMW選手権」では37位タイで4日間完走したが、その直後に左膝の手術を行ったと自身のツイッターで発表した。
本人は「10月の日本でのプレーは楽しみ」とコメントしたが、手術から約2カ月後に開催される「ZOZOチャンピオンシップ」に関しては、出場すら危ぶまれるのではというネガディブな報道も続出した。
初日第1打の池ポチャ、3連続ボギーからの巻き返し
初日から大ギャラリーがタイガー・ウッズのプレーを見守った 【Getty Images】
ところが、だった。5ホール目からの3連続バーディでスコアをイーブンパーに戻すと9ホール目でもバーディ。前半のうちにスコアをアンダーパーにしリーダーボードでも上位につけた。
後半の9ホールは全盛期のタイガーチャージを彷彿(ほうふつ)させる好プレーだった。「パットのフィーリングが良かった」と次々とパットを沈めバーディラッシュ。6アンダーまでスコアを伸ばし、初日をトップタイで終えた。
3連続ボギースタートから巻き返しについては、「あの悪い出だしから6アンダーまで伸ばせるとは思っていなかった」と本人も驚いた様子。「風が強かったので他の選手たちは2〜3アンダーでラウンドするだろうと思いアンダーパーで終われればと思っていたが、うまく波に乗りパットを決めていくことができた」と焦らずに立て直しを図った結果が初日の躍進につながった。心配されていた左膝に関しては、「今日はうまく回転もできていたし、何よりもしゃがんでラインを読むことができるようになって良かった」と振り返った。
慣れない無観客試合でも動じず、スコアを伸ばす
第2ラウンドは無観客での開催となった 【Getty Images】
この冷静さはプレーでも生かされていた。「風が強かった」フロントナインを2バーディ、1ボギーで折り返すと、バッグナインで5バーディ、ノーボギー。「アイアンの調子はいい。いつもピンの手前につけられたし、グリーンのスピードも良かった」と振り返ったタイガーは、12アンダーで単独トップに立った。