鉄道系YouTuberが考える1年後の五輪輸送 夜より朝がヤバイ! 臨海部では裏技もアリ

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新国立競技場の最寄り駅、千駄ヶ谷に乗り入れるJR総武線 【写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート】

 史上初の1年順延が決まった東京五輪開幕まで再び1年となった。新型コロナウイルスの流行に伴い、ソーシャルディスタンスをとり、三密を回避する流れは日本全国で当たり前のものとなり、公共交通機関を使ったスポーツ観戦などにも大きな影響を与えるだろう。観客は会場までどのように密を避けて移動すればよいのか? 日本や世界各地の鉄道を使った旅を紹介しているYouTuber・スーツさんに東京五輪・パラリンピックの交通事情について話を聞いた。(インタビュー日:7月10日)

新宿を回避するには…

――(取材時点で)プロ野球やJリーグの観客動員が再開され、都内でも鉄道を利用してスポーツ観戦をされる方々が増えてくると思います。五輪の前に現時点のスポーツ観戦についてどう思われますか?

 現在の5000人、今後の収容定員50%(編注)くらいであれば東京都周辺の交通機関では十分な余力があると思います。そこを通ったりする人が局所的に集まるという状況をうまく避けるようにすれば、少なくとも交通の面では大きな支障にならないでしょう。

 たとえば日産スタジアムであれば、最寄り駅のJR小机駅だけでなく、地下鉄なども乗り入れる新横浜駅まで歩くようにして、密集を避けるということができればいいのかなと思いました。

※編注:取材時点では8月1日以降に収容人数の50%程度まで観客動員数を引き上げることが想定されていました。

――では五輪・パラリンピック本番の懸念などはいかがでしょう?

 それぞれの駅で人が集まることが懸念だと思います。危険な日をリストアップしたのですが、8月2日から4日までですね。やはり平日朝、競技場に向かう人が増えると思います。

 特にこの3日間は新国立競技場、東京体育館、代々木競技場の3カ所で同時に、午前中、競技が行われる予定です。東京の鉄道は午後の時間帯に関しては十分な輸送力があると思うので心配はしていないのですが、やはり朝の時間帯だけは通勤する人が集中すると思います。そうすると、観戦客とかぶりやすいでしょう。

――新国立競技場で陸上、隣接する東京体育館で卓球、代々木競技場でハンドボールが行われますね。

 密集もありますが、交通機関がパンクして、長時間人々が1カ所に抑え込まれることが懸念されます。場合によっては急病人や、熱中症なども起きる時期だと思います。おそらく乗換の新宿駅や代々木駅などがひどい混雑を見せるのかなと思います。

――ただでさえ新宿駅は世界一の混雑駅と言われていますが、回避案としてはいかがでしょう?

 会場と直接接していない、少し離れた並行する路線の駅から歩いて行ったほうが早いかなと思います。たとえば新宿駅と直接接していない東京メトロ銀座線の外苑前駅を使ったり、東京駅の方から来る場合でも大手町駅や、東京メトロ千代田線の二重橋前駅から表参道駅を経由するなどして、混雑が集中しそうなJR総武線と接さないような路線を使うことで、ある程度混雑を避けられるんじゃないかなと思いますね。

 JR中央線快速を利用する人でしたら、新宿駅ではなく中野駅で乗り換えるなど、乗換駅での密集を避けるということは効果があるのかなと思いますね。結構駅のほうが人は喋りやすいような環境にあると思いますし。

 また、東京の特徴として線路が網の目のようにあるので、最寄り駅がたくさんあると考えることができると思います。一番大事なのは最寄り駅を一つだと思わないで、少し離れた駅を使うということをもっと積極的に検討することでしょう。

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