開幕から1カ月、新助っ人たちの成績は? 阪神・ボーアは好調チームを支える原動力

ベースボール・タイムズ

プロ野球開幕から1カ月、新助っ人たちの成績は? 【写真は共同】

 プロ野球開幕から1カ月。今年も多くの新外国人選手が各チームに加わった。今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、外国人選手の一軍登録枠を5人に拡大する特別ルールが採用されるなど、例年以上にその役割は重要なものとなっている。

注目の大物助っ人たちは?

 今季は野手で「大物」と言われる元メジャーリーガーが数名いる。メジャー通算1939安打、282本塁打と歴代でも最高クラスの前評判だったオリックスのジョーンズは、7月19日現在(以下全て同じ)、打率.240、4本塁打、11打点と本領発揮にはまだ遠い。16日のソフトバンク戦では、京セラドームの左翼上段席まで届く特大の一発を放つなど、その片鱗(へんりん)は見せているが、米国では評価の高かった外野手守備も緩慢な動きが目立ち、指名打者での起用が増えるなど、モチベーションと状態面での上昇がカギを握りそうだ。

 巨人ではメジャー通算1312安打のパーラが入団。高い守備力でライトの定位置を確保し、打順は6番もしくは7番を任されているが、勝負強い打撃で打率.329、3本塁打、11打点と好調なチームをけん引する活躍を見せている。

 阪神にはメジャーでシーズン20本塁打を3度記録したボーアが加入した。過去に何人もいた「バース2世」の期待は開幕から18打席連続無安打で虎党を失望させかけたが、7月に入ってようやく来日1号本塁打を放つと、そこから急浮上。ここまで打率.278で、5本塁打と13打点はいずれもチームトップ。苦手と言われた左投手からも3本塁打を記録するなど、好調チームを支える原動力となっている。

 さらにヤクルトに入団したエスコバーは、メジャー通算1367安打の打撃に、遊撃でゴールドグラブ賞の受賞歴もある守備の名手。ここまで評判通りの守備を披露していることに加え、長打は少ないがしぶとい打撃で打率.333をマーク。13打点と勝負強さもある。コロナ禍で開幕を待たされた「大物助っ人」たちだが、まずまずの滑り出しを見せていると言えるだろう。

期待以上!大化けの助っ人は?

オリックスのA・ロドリゲスは開幕から全試合でスタメン出場し、打率.255、4本塁打、14打点の成績を残している 【写真は共同】

 メジャー実績は少ないが、チームの軸になりそうな選手も存在する。DeNAのオースティン は、ここまで打率.327、3本塁打、13打点の活躍で、メジャー移籍した筒香嘉智の穴を埋める活躍を見せている。ラミレス監督が「これまで見た外国人選手の中で最高レベル」と高く評価する打撃だが、故障が多く、体調管理が成功の条件となりそうだ。

 阪神のサンズは、マイナー通算180本塁打の長打力に、昨季は韓国リーグで打点王の実績。不振で開幕は二軍スタートとなったが、一軍昇格した6月27日のDeNA戦では、9回2死から起死回生の逆転本塁打を放つ鮮烈デビューを果たした。その後は6番に定着し、打率.269、3本塁打、10打点と成績を残し、3番でも起用されている。

 広島のピレラは、開幕から1番で起用されて7試合連続安打を記録するなど、安定した成績を残したが、7月に入って無安打の試合が増え、打率が.257まで下降した。3本塁打、8打点で3番や6番でも起用されたが、7月18日のヤクルト戦からスタメンを外れている。

 野手の新外国人が少ないパ・リーグだが、オープン戦などの活躍で一躍注目を浴びたのが埼玉西武のスパンジェンバーグだ。スパンジーの愛称で「恐怖の1番打者」と期待されたが、打率.235、3本塁打、12打点とここまではやや期待外れの成績。37三振と粗い打撃も気になるところだが、ここからの巻き返しはあるか。



 オリックスのロドリゲスは開幕から全試合でスタメン出場し、打率.255、4本塁打、14打点と、鳴り物入りで入団したジョーンズを上回る成績を残している。マイナー通算174本塁打の大砲候補は28歳とまだ若く、日本での大化けも期待できそうだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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