連載:Bリーグ特別対談

田渡凌×藤田慶和(セブンズ日本代表) 同い年で仲良しな2人の共通点は?

ダブドリ編集部

テラハの人からエアロビの人になりました(田渡)

2万件以上のいいねを獲得した田渡選手のエアロビチャレンジ 【写真提供:横浜ビー・コルセアーズ】

――お2人ともSNSなどを通じて世の中にすごく発信されていますよね。もともと結構やられていました? それともコロナの影響もありますか?

藤田 もともと結構発信する方でした。ただ、コロナが始まって世の中が暗いじゃないですか。そうなると人って暗くなっていくと思うんですよ。それを僕たちの発信で、ちょっと明るくなってくれたらいいなとか、1日のやる気の元になってくれたらいいなという思いで、よりいろんなものを発信するようになりましたね。あと、先日はオンラインキッズラグビースクールをやりましたね。

――反響はいかがですか?

藤田 家の中でできるラグビーボールを使ったトレーニングを教えたのですが、子供たちの喜んでいる顔を見ることができました。あとは凌から回ってきたエアロビチャレンジはすごかったですね。

田渡 俺ら、めっちゃテレビに出たよね。

藤田 いや、びっくりした(笑)。でも、本当はやりたくなかったんですよ。

田渡 そうなんです。もう1人ラグビーをやっている高校の同級生がいて(木村貴大選手)、あまりにもつまらなかったから尻拭いをするはめに(笑)。

――滑った分をラグビー界として取り戻せと(笑)。

藤田 木村選手が絶対に滑らないと言ってたんです。だから、当時所属の横浜ビー・コルセアーズの広報の方がツイッターで僕に圧をかけてきたときに「木村選手が滑ったら僕もやります」というテイで逃げていたんですね。これでやらなくていいやと思っていたんですが……ダダ滑りやったね。

田渡 すごかったよね(笑)。

藤田 最初ラインで「あげた。拡散よろしく」「これは世界を動かせるかもしれない」と入ってきたんです。でも見てみたらすごく面白くなくて。「(面白いと思えないのは)僕だけなのかな」と思って1時間放置したんですよ。そしたら1時間後にもう1回ラインがきて「俺、ヤッた?」って入ってきたんですよ。「うん、ヤッてる」って返信して、僕が尻拭いすることになりました。

――木村選手のはどんな感じだったんでしたっけ?

藤田 空手の道着を着て、空手の型をずっとやっている動画でしたね。せめて道着でエアロビをやればよかったんですけど。しかもかなり長い動画で、オチがどこなのか全然わからなくて。

田渡 僕はエアロビをやってくれた人たちには「ありがとう」とリプライしたり、リツイートしたりしていたんですけど、あまりにもつまんなすぎて木村選手のツイートは無視しました。

一同 (笑)。

藤田 あれはマジでヤバかったね。それで「僕は絶対に滑れない」と思って、最初わざわざドンキまで行ったんですよ。とんねるずのもじもじ君みたいなのが売っていたので、それを着てやろうかなとか思ったりしたんですけど。

――追い詰められていますね(笑)。

藤田 はい。でもいろんな人に相談した結果、ラグビー選手だからラグビーでいった方がいいだろうということであれになりました(藤田選手は父上のユニフォームを借りてクラシックなラガーマンスタイルでエアロビチャレンジに挑んだ)。

大成功だったエアロビチャレンジを振り返る両選手 【写真:三浦雄司】

――田渡選手はどうやってあれを思いついたのですか?

田渡 昔エアロビがアメリカではやったときに、YouTubeで大会の動画を見たんです。もちろんその人たちは真剣にやっているんですけど、僕にはその動画がめちゃくちゃ面白かったんです。さらにその後、アメリカのコメディアンがエアロビを弄ったパロディーを作っているのをみつけて「これめっちゃ面白い。いつかやりたいな」と思っていたらコロナになって「家でできるエクササイズと言ったらこれしかない」と思ってやりました。

――反響の大きさは予想していましたか?

田渡 内心「これ、絶対ウケるだろう」とは思っていたんですが、テレビでたくさん取り上げられたこともあって、だんだん街中で「あれ、テラハの人じゃない?」じゃなくて「エアロビのあの人じゃない?」みたいな会話を耳にするようになりました。ご飯を食べにいって「エアロビ見ました」と言われたこともあります。「やべえ、馬鹿だってバレてるわ」と思いましたね。

一同 (笑)。

――藤田選手は世の中を明るくしたいとおっしゃっていましたが、田渡選手もそういう思いがあって発信されているんですか?

田渡 そうですね。僕たちアスリートは、人から与えてもらうことが多いじゃないですか。小学校、中学校、高校と強い学校にいたら支援してもらえることが多いと思うんですけど、プロになった以上は還元しなきゃいけないとずっと思っていたんです。コロナになって試合がなくなった。楽しみにしてくれてた人が来れなくなった。僕たちがどうにかして、ファンの方の目に入るようなことをしなきゃいけないなと思って、SNSを頻繁に更新するようになりました。今となっては皆やっていますが、最初の頃は躊躇(ちゅうちょ)していた部分があったと思います。ラグビー界も、そんなに皆やっていたわけではなかったもんね。

藤田 そうね。

田渡 だから、積極的に皆の目に止まるようなことをしようかなとは思っていました。

――そういう意味では大成功でしたね。

田渡 フフフ。良かったです(笑)。

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著者プロフィール

異例の超ロングインタビューで選手や関係者の本音に迫るバスケ本シリーズ『ダブドリ』。「バスケで『より道』しませんか?」のキャッチコピー通り、プロからストリート、選手からコレクターまでバスケに関わる全ての人がインタビュー対象。TOKYO DIMEオーナーで現役Bリーガーの岡田優介氏による人生相談『ちょっと聞いてよ岡田先生』など、コラムも多数収載。

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