年間34ゴールでバイエルン・ミュンヘンを8連覇に導いたレヴァンドフスキ

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自身5度目の得点王、ブンデスリーガ年間最優秀選手賞受賞

2019/20シーズンのブンデスリーガ年間最優秀選手賞に輝いたのは、歴代4位タイの34ゴールを叩き出したロベルト・レヴァンドフスキ。バイエルン・ミュンヘンを前人未到の8連覇に導いた稀代のストライカーは、31歳にしてキャリアの絶頂期を迎えている。

「世界最高のストライカー」。現役時代に“ミスター・ヨーロッパ”の異名をとったバイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲCEOは、レヴァンドフスキをそう評した。チームを8連覇に導いた功労者に対する身贔屓の気持ちなど微塵もないだろう。偽りのない本音に違いない。

実際、2019/20シーズンのレヴァンドフスキはレジェンドを唸らせるだけの働きを見せた。ブンデスリーガ31試合に出場し、34ゴール。2位以下をまるで寄せ付けない“完勝”で、自身5度目となる得点王に輝いた。GKとの一対一を制する冷静極まりないフィニッシュ、点取り屋の神髄が詰まった反転シュート、打点の高いヘディングなど、多彩なパターンからゴールを量産。開幕から11試合連発というリーグ新記録も樹立した。

無得点に終わったのはわずかに5試合だ。第24、25節を負傷欠場していなければ、ゴール数はもっと増えていた。そう断言したくなるほど、今季のレヴァンドフスキは神懸かっていた。バロンドール級と言っても差し支えないその輝きはチャンピオンズリーグの舞台でも色褪せることはなく、グループステージで歴代2位の10得点を記録。ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)戦では15分間で4ゴールという離れ業もやってのけている。

何より素晴らしいのは、チーム状態に左右されずにネットを揺らしつづけたことだろう。チームパフォーマンスが芳しくなかったニコ・コヴァチ前体制のときから、ひとり涼しい顔でゴール数を伸ばしていき、昨年11月に発足したハンス・ディーター・フリック新体制下でも変わらずに最大の得点源でありつづけた。

スルーパスを呼び込むライン裏への絶妙な走り出し、ここぞというタイミングでゴール前の完璧な場所に入り込む感覚など、フィニッシュに至る前の準備も非の打ち所がなかった。また、屈強なディフェンダーのマークをモノともしないポストプレー、サイドに流れてのチャンスメイクおよびスペースメイクが冴えていた点も記しておくべきだろう。

ブンデスリーガの長い歴史の中で、年間34ゴール以上を記録した選手はゲルト・ミュラーとディーター・ミュラーの2人しかいない。レヴァンドフスキにとってはキャリアハイの数字だ。31歳にしてキャリアの絶頂期を迎えているポーランド代表FWは来季以降も、自身が保持する外国人最多得点記録(236得点)を伸ばしていくはずだ。

文=遠藤孝輔
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