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Jリーグ再開企画「THIS IS MY CLUB」
村井チェアマンが明かす横断幕禁止の裏側
「サポーターの思いは100%正しい」

27年前のような喜びあふれた熱いプレーを

Jリーグ創設期のような、サッカーができる喜びにあふれた熱いプレーを見せてほしい
Jリーグ創設期のような、サッカーができる喜びにあふれた熱いプレーを見せてほしい【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――Jリーグより先にプロ野球が開幕しました。どんな風に感じましたか。


 この間、NPBとJリーグの連絡会議を10回にわたって重ねてきましたから、私の方からの一方的な思いですけれど、盟友ですよね。「本当におめでとうございます」と伝えたいし、よくここまで頑張ってこられたなという風にも思います。野球界の苦労も間接的に見聞きしていましたので、お祝いを申し上げたいと思います。


――ただ、ファンがスタジアムまで来てしまうこともあったようです。


 すべてを読んで手を打ち、完全に制御できるものではありません。相手は未知のウイルス。状況が刻々と変わり、解釈や解決策も変わっていく状況ですので、多少の試行錯誤はあるだろうと思っています。大事なのは、そうした事象が発生したときにしっかり対応できるかどうか。そういうことが起こらないのが一番望ましいんですけれど、起こったときに適正な対処ができるかどうか。そちらの方が求められるんじゃないかと思います。


――降格のない今シーズンに、どんなサッカー、どんな戦いを期待されていますか?


 降格がない=消化試合みたいなものが増えて面白くない、と思われる方もいるかもしれません。しかし、サッカーができる喜びに満ちた選手たちが、出場機会を得た若手選手たちが、躍動感あふれるサッカーを見せてくれると僕は信じています。最初はリモートマッチになりますが、だからこそ選手の表情をよく見てほしいですね。本気でやれているか、サッカーができる喜びにあふれているか、困難な状況を乗り越えようとしているか、その表情を見ていただければ、きっと何かが伝わると思うんです。


 先ほども選手たちに語りかけるVTRを収録したんですけれど、全力を尽くすこと、そこだけは約束してほしいと伝えました。27年前にJリーグが創設された頃、選手全員がプロリーグでサッカーができる喜びにあふれたプレーを見せてくれましたよね。あんな風に熱いプレーを見せてくれたらいいな、と思っています。


――再開の初日は、チェアマンはどのスタジアムに行かれる予定でしょうか?


 いや、どこにも行きません。今回のガイドラインには「用がない人は一切、スタジアムに来てはいけない」と書かれています。表彰式も何もないので、私は用のない人間ですからね(笑)。


――そのお答えを待っていました(笑)。


 ファン、サポーターの皆さんと同じように家で見るか、あるいは、Jリーグのオフィスで見るか。いずれにしてもリモート観戦です。原さん(原博実Jリーグ副理事長)もそうだと思いますよ。


――さすがの原さんも今回は(笑)。ちなみに、中断期間はどう過ごされていたんですか?


 皆さんと同じで、ずっと家にいました。「アナ雪」の衣装を着た孫と一緒に遊んだりすることもありました(笑)。家から会見をやったり、会議をしたり。数えてみたら、この4カ月でメディア会見を30回やりました。定例の理事会も普段は月1回なんですけど、倍以上やっています。この間、クラブ経営者の皆さんや理事の皆さんとすごく緊密な関係を築けたと思います。


――では、あらためてJリーグ再開を控えた今のお気持ちを聞かせてください。


 やっと始まるな、という安堵感がある一方で、まだ何も解決していないですよね。ウイルスに対するワクチンや特効薬もありませんし、世界にはまだまだ感染が拡大しているエリアもあります。第2波、第3波が来るかもしれない不安な状況。だから、複雑ですね。安堵感もあるし、気が休まらない思いもある。ただ、サッカーが早く見たいという思いは、こらえきれないくらいあります。


――最後に、ファン、サポーターへのメッセージをお願いします。


 長い間、待たせてしまいましたが、ようやくスポーツのある週末が戻ってきます。皆さんのおかげで、ここまで来ることができました。当面はまだ不自由をおかけしたり、皆さんの思いを踏みにじったりするようなことが起きてしまうかもしれませんが、Jリーグは皆さんに育ててもらいながら、一緒に歩んでいきたいと考えています。これからもよろしくお願いいたします。

村井満(むらい・みつる)

1959年8月2日、埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。同社執行役員、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)社長などを歴任。2008年よりJリーグ理事を務め、14年1月31日に第5代チェアマンに就任。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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