【第9回】藤田寛之の”急がば回れ!”上達講座【グリーン周りからのアプローチ】

スポニチアネックス

【スポニチ】

今回のテーマはグリーン周りからのアプローチです。

藤田寛之プロによれば、1本のクラブで打ち方を変えるよりも、同じ打ち方でクラブを替えたほうが、ミスが少なく、ピンに寄る確率も高いと言います。

また、ピッチエンドランをきちんと打てれば、グリーン周りからのアプローチの7〜8割はカバーできるそうです。

ティーチングプロのジミー常住氏が藤田式アプローチのコツを聞きました。

◆同じ打ち方でクラブを替えたほうが、ミスが少なくピンに寄る確率があがる…?

常住 藤田プロがピッチエンドランを重視している理由は何ですか?

藤田 成功率ですね。例えば、SW1本でアプローチを行う場合、振り幅だけでなく、キャリーとスピン量をコントロールしなければいけません。クラブヘッドの入り方がわずかにずれるだけで、同じ振り幅でもキャリーとスピン量は変わります。

しかし、ロフトの小さいクラブを使ってのピッチエンドランでは、グリーンにさえボールを乗せてしまえば、あとは転がってピンに寄ってくれるため、ミスの確率が低くなります。

常住 スピン量を計算する必要がないのは大きいですね。ただ、アベレージゴルファーにはロフトが立ったクラブでのアプローチを行いたくない傾向があります。

藤田 ボールが飛びすぎる意識があるからでしょう。これは練習量と経験の少なさからくるものです。実際に試してみれば、すぐに簡単だと気がつくと思いますよ。

実際、グリーン手前の花道からアプローチする場合、SWとパターではどちらが簡単に寄せられると思いますか?

常住 間違いなく転がせるパターですね。

藤田 つまり、ロフトが立っている方が転がしやすく簡単だということなんです。クラブフェースの上でボールが滑る心配もないし、フェースの芯で捉える確率も高い分、確実性があります。

常住 それでは具体的な打ち方を教えて下さい。

藤田 まず、ボールを体の中央から右足の前までの範囲内にセットします。両手を左足太ももの前にセットし、ハンドファーストの形をつくりましょう。体重は左足に6割ぐらい乗せておきます。ハンドファーストの形を崩さずにクラブを上げて下ろすだけです。

インパクトまではハンドファーストをキープするようにしましょう。この打ち方は、どのクラブでも同じです。

注意点は、インパクトでヘッドが先行するハンドレートの形にならないこと。ボールの手前をダフる原因となります。

常住 クラブ選択はどうなりますか?

藤田 基本的にボールをグリーン上に落とすことが鉄則です。

なぜなら、手前のラフに落とすとどれだけ芝の影響を受けるか分からないからです。ピンとは違った方向に跳ねるかもしれないし、ボールの勢いが衰えるかもしれません。

さらに、できるだけグリーンエッジから近いところにボールを落とします。振り幅が小さくなる分、正確なインパクトを迎えられるからです。

あとは、ボールからエッジまでの距離に応じてクラブを選択します。例えば、ボールがエッジから近ければロフトの小さいクラブを、遠ければロフトの大きいクラブで打ちます。8IからSWの間で選びましょう。

アドレスでは両手を左足太ももの前にセットし、ハンドファーストの形をつくる 【スポニチ】

ハンドファーストの形を崩さずにクラブを上げる 【スポニチ】

インパクトまでハンドファーストの形を崩さない 【スポニチ】

振り幅は打つ前にボールの落としどころを見ながらの素振りで決める 【スポニチ】

常住 ピンに寄せるコツはありますか?

藤田 ボールを打つ前に、落としどころを見ながら素振りをすることです。

あとは、ピッタリ寄せようとは考えず、直径2〜3メートルの円内に入れることを目標にしましょう

アプローチとパットとの共同作業で寄せワンを目指すと、結果的にピンに寄るようになります。(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)
 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポニチは紙面を通して、毎日、感動や興奮をお届けしています。スクープ連発の芸能&スポーツニュース、中央競馬をはじめとするギャンブル情報、生活者の視点に立った政治・社会報道などで多くの読者から支持を得ています。また、紙面と連動しながら情報をいち早く提供するWEBサイト「スポニチアネックス」は、昨年のページビュー(PV)で年間約20億PVをマーク。本紙以外でも中央競馬G1レースや宝塚歌劇の特集号、スポーツのあの時を掘り下げる「スポニチアーカイブス」、日本初の子供向けスポーツ紙となる「スポニチジュニア」、業界初の週刊漫画タブロイド「マンガアルチーボ」などを制作発行しています。明るく楽しい総合メディア企業へ。スポーツ、エンターテインメントなど多種多彩な情報を発信しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント