連載:コロナ禍が高校・大学・Jクラブに与える影響

高校サッカー有力3選手に思いを聞く インハイ中止をどう受けとめたのか?

吉田太郎

選手権連覇とプロに認められるために

選手権連覇を目指す静岡学園の田邊には、まだJクラブからの具体的な入団の打診はない。大学進学も視野に入れるが、あくまで望みはプロになることだ 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

●田邊秀斗 (たなべ・しゅうと)
(静岡学園高3年/DF)
[出身地]京都府
[生年月日]2002年5月5日
[身長・体重]180cm・68kg
[経歴]奈良YMCAジュニアユース→静岡学園高
[代表歴]U-18

 昨年度の全国高校選手権で24年ぶりに優勝した静岡学園高校(静岡)にも、プロ入りが有力視されている選手がいる。それは、DF田邉秀斗(3年)だ。もともとセンターバックだったが、昨春にサイドバックへコンバートされ、選手権でブレーク。180センチの長身と50メートルを5秒台で走る快足の持ち主は、絶対の自信を持つ対人守備の強さや高さを印象づけた。選手権後にはU-18日本代表、日本高校選抜候補に初選出。複数のJクラブが関心を寄せている大器だ。

 田邉はコロナ禍が長期化したことで、寮のある静岡市から地元の関西へ戻り、中学時代の友人たちとともにボールを蹴ったり、チームから指示されている体幹メニューなどの自主練習に取り組む毎日。「どれだけボールを触っていても、ゲームをやっていないと感覚を失ってしまう。試合感覚がなくなってしまうことが怖い」と語る。1月にU-18日本代表のスペイン遠征に参加し、国際経験も積んで成長を実感していた時期にぽっかりと3カ月間もの穴が空いてしまった。将来性豊かな成長株が、思い切りサッカーをできない状況はとても残念だ。

 また、「去年、県大会決勝で負けていたので借りを返したかった。いろいろなJクラブや強い大学の方に目をつけてもらおうと自分もモチベーションを上げていた」インターハイも中止。チームメイトからは「悔しい」「どこにモチベーションを持って行けばいいのか分からない」という声もあるという。選手権王者として、各校からターゲットにされる中での戦いは成長、アピールのチャンスだったはず。それでも、今の情勢を受け入れるしかない。コーチ陣からの「今は耐える時期」という言葉を胸に、選手権開催を信じて努力を続けている。

 田邉はプロ志望だが、まだJクラブからの具体的な打診はない。その中で田邉は、「自分はもしプロに行かせてもらったとしても、引退した後のことを考えて勉強は人並み以上にはしています。一応大学は行ける準備はしています」。大学進学の可能性を考えながら、プロへのアピールを目指していく。

 連覇の懸かる選手権は、何としても仲間たちとともに戦いたいという思いがある。

「そこまでにコロナが終息してもらうことを願って、そこにしっかりと照準を合わせて、モチベーションを持っていきたいです」

 静岡学園は6月から学校活動を再開予定。選手権で連覇するチームになるために、またプロに認めてもらう選手になるために、再開後の一日一日を大事にして目標達成を目指す。

(企画構成:YOJI-GEN)

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