知らずにストレスを溜めている?仕事における感情労働とは|臨床心理士が解説

ヨガジャーナルオンライン

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身体を使って働く肉体労働、データや情報を扱う頭脳労働など社会には様々な働き方がありますが、感情労働という働き方が近年注目されているのをご存知ですか?

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感情労働とは?

最近日本では、【感情労働】という働き方が注目されるようになってきました。感情労働とは、アメリカの心理学者であるA.R.ホックシールド氏が作った考え方で、自分の感情をコントロールすることで顧客への満足度を高め賃金を得る働き方のことです。感情労働を求められる職種の代表的なものとして、看護師や客室乗務員(CA)、接客業、営業職、医療従事者などが挙げられますが、これ以外にも人とコミュニケーションをとることが求められる職種であれば全て感情労働に当てはまります。

感情労働をする中で注意したいこととは?

◆ストレスが溜まる
感情労働が平気な人もいれば、反対に負担を感じる人もいます。それは、顧客に嫌なことを言われても自分の感情を抑えて一定でいなくてはならない場面が多く求められるから。性格的にまじめで誠実な人ほど感情労働での負担を感じやすいので注意が必要です。
◆バーンアウト(燃え尽き症候群)
自分の感情をコントロールするのに、人によっては膨大なエネルギーを費やさなければいけないこともあります。それによってストレスが溜まっていくと、バーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こすことも。それまで精力的に仕事に打ち込んでいたのに、感情労働によって溜まりすぎたストレスによって意欲が低下してしまうかもしれません。
◆回復しにくい
感情労働の特徴は、【疲れが目に見えない、体感しづらい】ということです。そのため他の労働スタイルに比べて対処方法が持ちづらいので、知らず知らずにストレスを溜めてしまうのでしょう。

感情労働とうまく付き合っていくには?

ストレスが溜まりやすい感情労働ですが、うまく付き合っていくためのポイントがあります。

メンタルに不調が現れた時の特徴を知る

メンタルの不調の初期症状は、身体面・精神面・行動面に現れていますが、実は気づいていないという人が多いようです。こういった症状が現れることを知っておくと、早期にケアをすることができます。
□身体面
肩こり/頭痛/睡眠のこと(眠つけない、起きづらい)/食事のこと(食欲不振・過食)/だるさ/依存傾向(アルコール・タバコなど)
□精神面
集中力が続かない/無気力感/自分を責める/ネガティブな感情(イライラ、不安など)
□行動面
遅刻や欠勤が増える/ミスが増える/人付き合いを避けたくなる

セルフケアの方法を知っておく

職種や職場の環境を自力で変えるのはなかなか難しいことですが、ストレスが重症化しないうちに自分で自分をケアすることはできます。それが【セルフケア】です。セルフケアにもいろいろな種類がありますが、その一例を紹介します。
□呼吸法
□ヨガ
□ストレッチ
□エクササイズなど適度な運動
□アロマテラピー
□旅行などのアクティビティ 
他にも、十分な睡眠を取ることや、周囲の相談しやすい人に話してみるなどもセルフケアに当てはまります。働くことを続けていくには、日々自分の心と身体をメンテナンスすることが不可欠です。セルフケアをするにあたり、自分がやっていて楽しめる、義務にならないなどやりやすいことを選んでやってみましょう。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
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著者プロフィール

世界のヨガ情報を発信するニュースメディア。ボディメイクに役立つポーズや不調を解消するメソッドのほか、ファッション、ヘルシーフード、ヨガを愛する著名人へのインタビューなど、ビューティ&ヘルス系の最旬トピックスを配信します。

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