
第10回

2015年夏、スタンダールを退団して次の所属クラブが見つからなかったことで、7年ぶりに日本代表から外れた。
このタイミングでスタンダールを離れることは、1年前から頭の中にあった。でも、代表から離れることは考えていなかった。移籍して、新たなチャレンジをして、そのチャレンジを通してまた代表に何か還元できるものがあるのではないか。そんなイメージだけを持って日々のトレーニングに取り組んできた。
焦る気持ちは、時間の経過とともに強くなっていった。9月にはアジア2次予選が控えていたし、遅くとも7月には新天地を決めていたいとも思っていた。移籍先が決まらずにイタリアのノヴァーラで練習をさせてもらっていた時も、コンディションをしっかり作っていられるように毎日2部練、時には3部練まで一緒にやっていた。心の中では、「自分のチームじゃないのに2部練やるのか!」なんて笑いながら。
でも、結局、僕自身の準備が整わなかった。移籍先が決まらなければ所属クラブがない。所属クラブがなければ、試合もできないし、コンディションが良くないと思われるのは当然のことで、代表に呼ばれないことも受け入れるしかなかった。
監督の決断に対する失望はなかった
2015年9月、W杯アジア2次予選のカンボジア戦とアフガニスタン戦に臨む日本代表のメンバーリストに、僕の名前はなかった。
7年ぶりに自分がいない日本代表を見ることよりも、そこに自分がいられたかもしれないと思う自分が嫌だった。その状況を作ったのが紛れもなく自分自身であるということが、やはりやるせなかった。直面する状況を受け入れているとはいえ、心の中はそんな気持ちだった。
ただ、日本代表はそういう場所であるべきだと思う。代表に入りたいからといってチームを選択することがいつでも正しいとは限らないし、たとえ所属チームで試合に出ていても、パフォーマンスが良くなければ呼ばれるチームでもない。どれだけ力があっても、いることが保証される場所でもない。
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