三刀屋高がオンライン練習で見いだす活路 かつてない逆境も、一握りの可能性を信じる
「ブレずに甲子園で通用するチームになろう」
中々先の見通しがつかない状況だが、「何とか早く野球をやらせてあげたい気持ち」と國分監督(写真は2019年12月のもの) 【写真提供:三刀屋高野球部】
「何とか早く野球をやらせてあげたい気持ちはずっと同じです。でも、ブレずに甲子園で通用するチームになろうと常に言ってきましたし、そういう意識はずっと持ちながらやれていることは分かりました」と指揮官は振り返る。
ちなみに、今は時世を考慮して活動できていないが、普段のオフシーズンはグラウンドから出れば地元の保育園で野球教室を開催するなど、目線を下げて野球に触れあう機会も設けている。インターハイの常連である女子ソフトボール部とともに、地元の保育園や小学校のスポーツ少年団などでボール遊びなどを通じて野球の楽しさを教えている。一昨冬から行うようになった取り組みで、選手たちも野球の原点に返ることができるという。
「スポーツ少年団の高学年の子は技術がついているので、そのあたりを見ながら地元の子たちと触れ合うことになりますが、とてもいい機会です。保育園の方でもすごく喜んでいただいています。子どもの数が少なく、地元の中学校でも単独で野球チームを組めるところが減っている中、こういったこともどんどんやっていきたいですね」と、國分監督も力を込める。
島根県は5月14日に緊急事態宣言の解除が発表されたが、予断を許さない状況が続いている。練習が再開できたとしても、夏の大会が行われるのかも未定だ。だが、一握りの可能性を信じ、今やれることをコツコツと着実に積み重ねる。42年ぶりの聖地への道を切り開くために、ブレない思いをぶつけられる“その日”を目指し、山陰の野球少年たちは日々奮闘している。