
第10回

人生の岐路に立たされたとき、どんなに自信があっても迷いは生まれるものだと思う。
もし失敗したらという不安。まわりからの反対。挫折することへの恐れ。どうすれば成功するかという確固たるノウハウなんてないし、人それぞれの道の選び方があると思う。
では岐路に立ったときに、僕は何を大切にしているのか。
もちろん、まだこれだと自信を持って言えるものは見つかっておらず、今なお模索中だけれど、ひとつだけ意識していることがある。
それは「あえて難しいと思った方を選択する」ということだ。
ここまで歩んできた道のりを振り返ると、挫折欲があるのかなぁと思うほど、僕は迷ったときに難しい道を選択してきた。周囲からしたら無茶な決断ばかりで、どこかで一度でも失敗していたら、今頃、何をしていたか分からない。両親は常に僕が選ぶ道に反対したし、実際、自分が親だったら同じように反対したと思う。怖いもの知らずというよりはただの無謀だった。
しかし僕は知っている。難しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がることを。
最初の岐路は高校受験だった。僕は決して勉強が得意だったわけではなく、両親は私立大学の付属高校に進むことをのぞんでいた。サッカー部も強かったし、何より付属なので大学までの進学を計算できる。担任の先生も両親と同じように付属高校を勧めた。
しかし僕は静岡県立藤枝東高校に行きたかった。
藤枝のサッカー少年にとって、藤枝東高校サッカー部の「藤色」(薄い紫色)のユニフォームは憧れ。藤枝東高校は地元一の進学校でもあり、当時の僕の学力では入学は難しいことは分かっていたけれど、サッカーをやるなら藤枝東がよかった。
僕は両親に「絶対に藤枝東に合格する」と宣言して、中3の夏から猛勉強を開始した。僕の勉強法はサッカーの練習と同じで集中力重視。夜更かしはせず、きちんと睡眠を取り、朝起きて集中して勉強する。そして僕は何とか藤枝東に合格することができた。
合格発表で自分の受験番号を見つけたときは、今考えると恥ずかしいのだが、なんと母親と抱き合って喜んだものだ。
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