【トレイルランニング シューズ レビュー】SALOMON「SENSE RIDE 3(センスライド 3)」「SENSE 4 /PRO(センス 4 プロ)」

トレイルランナー JP

【写真提供:トレイルランナー JP】

SALOMON(サロモン)のSENSE(センス)シリーズはレーシング仕様からビギナーモデルまで様々なシューズをリリースしています。今回はレースから普段のツーリングまでオールラウンドに使えるベストセラーの最新モデル「SENSE RIDE 3(センスライド 3)」と「SENSE 4 /PRO(センス 4 プロ)」をご紹介します。

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定番オールラウンドシューズの兄弟の性格はコンフォートとアグレッシブ

(左)「SENSE 4 /PRO」(右)「SENSE RIDE 3」 【写真提供:トレイルランナー JP】

SENSEシリーズの原点は、トップアスリートであるキリアン・ジョルネのリクエストに応えて開発されたレーシングシューズ「S-LAB SENSE」。このシューズのテイストを維持しながら、サポートや耐久性を向上させた、一般向けバージョンが「SENSE PRO」です。そして、ロードランニングシューズのミッドソールテクノロジーを取り入れ、さらに履きやすく、オールラウンド性を高めたシューズが「SENSE RIDE」となります。

最新バージョンでは「SENSE 4 /PRO」にもロードランニングシューズのテクノロジーが加わり、快適性が向上したように見えますが、違いはどこにあるのでしょうか? 早速比べてみましょう。

(左)「SENSE 4 /PRO」(右)「SENSE RIDE 3」 【写真提供:トレイルランナー JP】

アッパーはどちらも疎水性が高いメッシュ素材。「SENSE RIDE 3」は2レイヤーでしっかり感があり、「SENSE 4 /PRO」はシングルレイヤーで通気性や水抜けに優れています。トウやサイドの補強、タンや足首周りのパッドやトウ、サイド、ヒールの補強は「SENSE RIDE 3」の方が手厚くなっています。

共通しているのはワンタッチで着脱できるクイックレース、オーダーメイドのように足全体を包み込むセンシフィット、ソールからタン一体化し足を正しい位置にホールドするエンドフィット、オーソライト製のインソールです。

パッド、補強などは「SENSE RIDE 3」(右)の方が多め。シューズ全体のボリュームも大きい。 【写真提供:トレイルランナー JP】

ミッドソールは両モデルともロードランニングモデルに採用されているテクノロジー、opti-vibeを新採用(ロードモデルとは違い踵部に内蔵)。これは、走行時の荷重を推進力に変えるフォームベースに使用し、ヒール部に衝撃を緩衝するフォームを追加することで、疲労やケガの原因となる微振動を吸収するテクノロジーで、全体的なライド感を保ちながら足の疲れを軽減します。
また、ミッドソールとアウトソールの間にはProfeel Filmを配置し、突き上げから足を保護できるようになっています。

「SENSE 4 /PRO」(左)はヒールカウンターを内蔵していない。「SENSE RIDE 3」(右)は高さは低いがヒールカウンターを内蔵。 【写真提供:トレイルランナー JP】

スタックハイトは「SENSE RIDE 3」がヒール27mm、フォアフット19mm、ドロップ8mm。「SENSE 4 /PRO」がヒール25mm、フォアフット21mm、ドロップ4mm。
アウトソールのコンパウンドはどちらもサロモンオリジナルのContagrip® MA。ラグの高さはラグ4mmです。ラグ形状は一見同じように見えますが、微妙に異なります。「SENSE RIDE 3」は土踏まずにラグがあり、またヒールには大きめのラグ。「SENSE 4 /PRO」は土踏まずにはラグがなく、ヒールは小さめのラグになっています。

(左)「SENSE 4 /PRO」(右)「SENSE RIDE 3」。高さと幅もこれだけ違う。 【写真提供:トレイルランナー JP】

足入れしたフィーリグはどちらも過剰な保護はないのでナチュラルなフィーリングですが、見た目通り「SENSE RIDE 3」方がゆったりしていて、サイド、トウ、ヒールのサポートもしっかりしています。通気性は足が透けるほどの「SENSE 4 /PRO」に分があります。

「SENSE RIDE 3」で走った印象を一言で表現すると「コンフォート」です。ゆったりしたトウボックスは幅広の足でも安心。足が締め付けられないので長時間履いていても安心です。アッパー下部がしっかりと補強してあるので木の根などが多いトレイルでも思い切って走れます。
前作からかなり進化を感じたのはヒールのクッション性です。踵に荷重するとゆっくり沈み込む感覚がはっきりと感じられます。サイドの剛性が高いので踵はしっかりとセンターに収まったまま沈んでくれ、ふらつく感じはありません。このおかげでクッション性と安定性がしっかり保たれています。結果として疲労を最小限にとどめてくれます。
グリップはアスファルトからテクニカルトレイル、ウェットまで不安を感じることはありませんでした。

【写真提供:トレイルランナー JP】

SENSE RIDE 3
・価格:¥15,000+税
・サイズ:WOMEN 22.0-25.0cm MEN 25.0-28.5cm
・カラー:MEN 4色 WOMEN 3色
・重量:280g(27cm)
・スタックハイト:ヒール27mm フォアフット19mm
・ドロップ:8mm
「SENSE 4 /PRO」で走った印象を一言で表現すると「アグレッシブ」です。アッパーはが薄く、タイトで、補強も少なめなので複雑な足の立体形状へのフィット感は抜群です。ソールのフレックスとトーションも柔らかいので、素足に近い感覚で走ることができます。接地幅も狭いので俊敏な足さばきを得意としています。クッション性は「SENSE RIDE 3」ほどではないですが、アップデートの効果はフィーリングに大きく反映しています。クッション性が高まったことでより幅広いランナーを受け入れられるモデルとなりました。グリップに関しては「SENSE RIDE 3」よりも少しだけ食いつきがいいように感じました。ラグの高さは同じなので形状と配置のおかげかと思われます。

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SENSE 4 /PRO
・価格:¥16,000+税
・サイズ:WOMEN 22.0-25.0cm MEN 25.0-28.5cm
・カラー:MEN 2色 WOMEN 2色
・重量:255g(27cm)
・スタックハイト:ヒール25mm フォアフット21mm
・ドロップ:4mm

「SENSE RIDE 3」と「SENSE 4 /PRO」は共にオールラウンドに使用できるシューズですのでどちらを選んでもミスチョイスにはならないと思います。その上で、ゆったりとしたフィットでクッションとサポートを重視してするなら「SENSE RIDE 3」、タイトフィットで俊敏性とスピードを重視するなら「SENSE 4 /PRO」を選ぶのが定石と言えます。
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