注目選手クローズアップ:ジョンジョ・ケニー

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【(C) 2019 Getty Images】

無名の存在から熱狂的シャルカーのお気に入りに

才能豊かなヤングタレントが次々と出現するブンデスリーガにおいて、今季大きく名を上げた若手の一人がシャルケのジョンジョ・ケニーだ。昨年8月に当サイトの「Rookie of the Month」に輝いた俊英は、その後も日進月歩の成長を続けている。

イングランドのリバプールで生まれ、地元クラブであるエバートンのアカデミーで育ったケニーは、2016年5月にプレミアリーグデビューを果たす。しかし、すぐにトップチームで居場所をつかむには至らず、翌2016/17シーズンは国内リーグ1試合の出場にとどまった。

転機が訪れたのは2017/18シーズンだ。2017年夏に開催されたUー20ワールドカップで全7試合に出場し、イングランドの初優勝に貢献すると、シーズン開幕後は左右兼用のサイドバックとして台頭し、プレミアリーグ19試合出場と大きな一歩を踏み出した。

ところが、さらなる飛躍が期待された2018/19シーズンは、シーマス・コールマンとリュカ・ディニュの壁を崩せず消化不良の1年となってしまう。「このままでは成長できないのではないか……」。そう考えていた矢先に舞い込んだのがシャルケからのオファーだった。そして、ジェイドン・サンチョ(ドルトムント)や当時ホッフェンハイムでプレーしていたリース・ネルソン(アーセナル)ら同胞の若手が躍動するドイツ行きを決意した。

シャルケでは自身を欲してくれたデイヴィッド・ワグナー監督の信頼に応え、開幕から右サイドバックや右ウイングバックのレギュラーとしてキャリアハイの23試合に出場。タイミングの良いオーバーラップ、正確無比なクロスによるチャンスメイクに加え、粘り強い守備でもチームに貢献している。この活躍からも初の国外チャレンジという決断が吉と出たのは明らかだろう。

0-5の大敗を喫した第19節のバイエルン・ミュンヘン戦など、攻守両面で精彩を欠いた試合もある。だが、そうした試練さえも本人にとっては糧になっているようだ。常日頃から「サッカーをするためだけにドイツへやって来たわけじゃない」と語るケニーは、一人の人間として成長すべく、チームとゲルゼンキルヘンでの生活に馴染む努力を重ねている。

ピッチ内外でのそうした姿勢が評価されないはずがない。シャルケ加入前はドイツでほぼ無名の存在だったが、1年足らずで熱狂的なシャルカーたちにとってお気に入りの選手となった。今やブンデスリーガ有数の右サイドバックという称賛の声も聞かれるほどだ。

文=遠藤孝輔
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